「一生に一度の大きな買い物」と言われるのが、『マイホームの購入』というイベントです。

そして住宅購入者の多くは住宅ローンを利用しますから、その後数十年に渡って返済を続けて行く必要がありますし、家を持つということは「地域に根を下ろして、周囲の人々と接しながら家族の歴史を刻んでいく行為」に他なりませんので、

こうした意味においては大きな買い物というよりも「人生そのものの分岐点」とも言い換えることができるでしょう。

その為、マイホームを選ぶ際には数々の物件を見比べ、慎重に検討を重ねていくのが通常ですが、中には「家を買ってみたら後悔がいっぱい!」などと嘆く方も時折お見掛けいたします。

そこで本日は「マイホーム購入のコツを伝授いたします!」と題して、住宅選びのポイントや注意点を解説して行くことにいたしましょう。

マイホーム購入

 

マイホーム購入のポイント

さて、一口に「住宅選びのポイント」と言っても戸建てや分譲マンション等、人それぞれに探し求める物件は異なるものですし、立地や土地の形状面積、そして間取りと着目する点も多岐に渡るものです。

そして、こうした一つ一つの事項について詳細な解説を行うことは非常に困難な作業となりますので、今回は「マイホーム購入のコツ5ヶ条」と銘打って、全ての物件選びに共通するポイントをご説明して行きたいと思います。

購入したい物件を絞り込む

物件選びを開始するに当たって、まず一番大切なことは「自分がどのような物件を求めているか?」を明確にすることです。

なお、このようなお話をすると「自分の希望は極めて明確である!」と自信満々に答える方もおられるでしょうが、その思い込みこそが非常に危険な落とし穴となります。

まず前提として覚えておいていただきたいのが、自分が思い描く理想の物件に巡り合える確率は非常に低いということです。

もちろんお金に糸目を付けず、何年でも理想の物件が出るまで待ち続けるというのであれば話は別ですが、通常は物件に対してある程度妥協をしながら成約へと駒を進めて行く必要があります。

その上、マイホーム探しの過程では「間取りは理想通りだけど、立地が今一つ・・・」という物件と、「立地は最高だが、間取りが今一つ」などといった物件が同時に出現し、『間取りと立地のどちらを優先するべきか』という選択を迫られることだってあり得るでしょう。

そしてこのような時にじっくりと時間を掛けて考える余裕があれば良いのですが、一方の物件が成約してしまい、結局は不本意な買い物をさせられてしまうケースも少なくはないのです。

つまり、購入したい物件のイメージを固めるという作業は理想を並べ立てるだけではなく、「個々の理想に優先順位を付け、どこまでなら妥協できるのか」を明確にすることが何よりも大切となって来るのです。

もちろん多くの物件を見ながら優先順位や妥協ラインを見出して行くことも可能ですが、本当に欲しい物件を逃さないためには少しでも早い段階で『容認できる物件像』を固めておく必要があるでしょう。

自分の人生設計を見詰め直す

前項でお話しした物件の絞り込みを行う際に、合わせて済ませておきたいのが物件購入後のシュミレーションを行うことです。

もちろん、仲介に入る不動産屋さんや、住宅ローンを組む金融機関の担当者が毎月の返済額などについては丁寧に教えてくれるかとは思いますが、ここでお願いしたいのは人生全般におけるシュミレーションとなります。

例えばお子さんが居るのならば「小学校入学や中学進学などにどれくらいの臨時出費が発生するか?」といった予想や、自分の仕事を顧みて「転職や転勤といった事態が発生する可能性はないのか?」といった事柄まで想像を膨らませてみてください。

当然、遠い未来のことは予測が付かない点もあるでしょうが、子供の学費などはある程度の想定ができるはずですし、終身雇用が見込めない会社に在籍しているのなら転職に失敗して年収が大幅に下がるリスクを考え、あまりカツカツのローンを組むべきではないでしょう。

また老後に子供との同居を望むのであれば、建替えの際に二世帯住宅の間取りが入る土地の広さを確保しておく必要があるでしょうし、ローンを返し終わった後、自分は別マンションに移り住んで自宅をアパートに建替えてたいという夢があれば、建ぺい率や容積率の高い地域に物件を購入すべきです。

そして更には、小高い丘の上の生活に憧れているものの「30年後に自分の足腰は大丈夫か?」といった問題から、『小学校が近いから通学に便利!』と今は思っていても「幼い子供が行きかう通学路上に家を構えることで、将来的に自動車の出入りに苦労することはないか?」などといったことにも考えを巡らせておくべきでしょう。

このように「毎月どれくらいの返済が自分に圧し掛かるか?」というシュミレーションも大切ですが、更に俯瞰して自分の人生を予測し、ライフプランに適した物件を選んでいくことが重要なのです。

不動産業者の選定

さて、ここまでお話しして来た2つのポイントを充分に検討していただければ、「自分にはどのような物件が必要であるか」のおおよそのビジョンが見え始めるはずです。

そして次に行うべきなのが、物件選びのパートナーとも言える不動産業者の選定となります。

もちろん、初めから自分にピッタリの不動産屋さんを見付け出すのは困難であるとは思いますが、何社かの業者に声を掛けている内に「この会社、この営業マンは良さそうだ」という感触を得ることができるはずです。

なお、付き合っている業者が質の悪いところばかりでは、こうした感触も得ずらいかと思いますので、業者の選定に当たっては過去記事「悪徳不動産会社の見分け方」等をご参考にしていただければと思います。

また他の不動産業者が目新しい物件を紹介してくれない中で、多くの未公開物件を提供してくれる不動産屋さんには「自然と良い印象」を持ってしまいがちですが、不動産業者の良し悪しを情報力だけで判断してしまうのは非常に危険です。

仲介業者は物件情報を提供する以外にも、売主との契約を確実にまとめ、引渡し後に揉め事が生じないように物件の問題点を調査するスキル等が要求されますから、

仕事に対する姿勢や、これまで取引上の事故を起こしていないかといった経歴(役所で調査が可能)、業界内での評判などにも充分に注意を払いながら付き合いを続けて行くべきでしょう。

更には、購入する物件が建売の場合やリノベーションマンションとなるケースでは、売主となる分譲業者についても充分な情報収集を行う必要があります。

※建売物件の選び方については別記事「建売の後悔しない選び方を解説!」を、リノベマンションについては「リノベーションマンションのデメリットや選び方を解説!」をご一読ください。

このように不動産業者の選定はマイホームを選ぶ上で非常に重要な要素となりますから、充分に信頼の置ける者をパートナーに選定すべきです。

自分でも情報収集を行う

前項の解説にて「情報力のある不動産会社が必ずしも良い不動産屋さんである訳ではない」とのお話をいたしましたが、どんなに経験豊富で良心的な業者でも、気に入る物件を紹介してくれないのではなかなか成約に至ることはできません。

また、過去記事「未公開物件の情報を入手する秘訣をご紹介!」でもお話しした通り、不動産業者の属性(業態)によっては思うように物件情報が入ってこないケースも考えられます。

そこでご提案したのが、「依頼者である自分自身も物件探しを行う」という手法です。

例えば建売物件においては、建売用地を分譲主に卸した業者へ優先的に販売権が与えられ、「他の仲介業者にお客様を付けさせない」といった販売方法が行われることも珍しくありませんし、

中古物件でも売却依頼を受けた業者が「他の業者に情報を流さない」というケースが多いですから、依頼している不動産業者よりも「お客様が先に情報を得る(新聞折り込み広告や偶然現地販売会を見掛けるなど)」ことも充分にあり得ます。

なお、こうしたシチュエーションにおいては「付き合って来た業者にお断りを入れて、情報を提供した業者とお話を進めてしまう」ものですが、

この流れでは取引先がどのような悪徳業者でも相手を選ぶことはできず、契約書の内容に問題があってもそれを糾す者がいない上に、とんでもない瑕疵(欠陥)物件を押し付けられてしまう可能性だってあるでしょう。

そして、こうしたリスクを避けるには自分が信頼できると判断した業者に物件情報を提供し、仲介という立場で取引に参加してもらうのが最善の方法となります。

ちなみにお客様が物件を自己発見したケースでは、不動産業者は「物件情報を提供できなかった」という負い目から『仲介手数料の価格交渉』に応じてくれる可能性も高まりますので、この手法は買主にとっても充分なメリットがあるのです。

ただ、突然「物件を自己発見したから、仲介手数料を値引きして欲しい」と言われると仲介業者も驚いてしまいますので、お話をスムーズに進めるためにも物件探しの依頼をする段階から「自分で物件を見付けた場合には手数料を半額にする」などといった取り決めを行っておくのがベストでしょう。(手数料割引きの詳細については「仲介手数料の値引き、安くする方法を大研究!」の記事をご参照ください)

また、こうした取り決めを行っておけば「物件を探しているエリアで解体を始めた古家を発見した場合」や「近所で自宅を売却したとの噂話を聞き付けた際」にも、仲介業者に情報を提供して調査を行ってもらうことができるはずです。

物件の細部をチェックする

先程もお話しした通り、仲介業者の業務においては「取引対象となる物件を隅から隅まで調べ上げて欠陥などを発見すること」も大きなウエイトを占めています。

よって取引に際しては現地調査行政調査などを行い、後々お客様から「そんな事実は聞いていない!」などといったクレームが発生しないように全力を尽くす必要があるのです。

しかしながら、どんなにスキルの高い業者にもミスはあるものですし、物件を購入するお客様の立場からすればそのミスによって一生に係る大問題が降り掛かって来る可能性も否定できません。

そこで行うべきなのが契約前の重要事項説明に際して、どんなに些細な疑問でも業者に質問をぶつけて、納得がいくまで説明を受けることです。

そしてこれを実践するために重要なのが、とにかく物件の細部をじっくりと確認しておくことです。

例えば、「購入する側の所有物である」との説明を受けているブロック塀に隣家の人間が洗濯物を干しているケースにおいては、ブロック塀の所有権や使用方法について『説明に反する事実が隠されている可能性』が出て来ます。

また中古物件の場合において「天井にあるシミが雨漏りの痕跡かもしれない」といった疑問を抱いた際には、たとえ契約締結の直前であっても仲介業者に申し出て調査をさせる必要があるでしょう。

本来、仲介業者は取引対象の物件について完璧に調べ上げる義務を負っていますが、人間である以上は見落としや勘違いも避けることができません。

こうしたミスを回避するには、お客様の側も厳しい目で物件をチェックし仲介業者を徹底的に追及するのが最も確実な方法なのです。

マイホーム購入のコツまとめ

さてここまで、マイホーム購入のコツ5ヶ条と題して物件購入時には是非覚えておいていただきたいポイントを解説してまいりました。

どの項目も解説を聞けば「それはそうだ!」と思うことかもしれませんが、これを実践するのは意外に難しいものがありますから、気を抜かずに取引に臨んでいただきたいところです。

なお、今回の5ヶ条は新築・中古戸建て、中古分譲マンションはもちろんのこと、アパートや賃貸マンションといった投資用物件でも共通のポイントとなりますから、不動産の取引をする際に是非ご参考になさってください。

マイホームの購入は、自分の人生の今後を大きく左右する一大イベントですから慎重且つ大胆に最高の物件を見付け出していただきたいものです。

ではこれにて、「マイホーム購入のコツを伝授いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。