不動産決済日の流れ

 

不動産売買の総仕上げとも言えるのが、決済・引渡しと呼ばれるイベントです。

以前の記事において「契約は売買の正念場である」と書きましたが、こうした考えに立つならば、決済は仲介業者の「晴れ舞台」とも言えるでしょう。

そして、そんな重要な場面であるからこそ、可能な限りスマートに、そして失敗すること無く、このイベントを終えたいところですよね。

そこで本日は「不動産決済日の流れについて」の知恵袋をお届けしたいと思います!

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決済・引き渡しとは

これまで何度も決済・引渡しを経験して来たという営業マンにとっては「釈迦に説法」となってしまうでしょうが、まずはこの決裁というイベントの主旨についてご説明したいと思います。

決済という「取引の完了」や「精算」を意味する言葉が示す通り、このイベントは売買契約が締結された不動産について「残代金の支払い」と「所有権の移転登記」を同時に行って、取引を終了させるのが主な作業です。

また一つの売買案件の「最後の場面」ともなりますので、「各種の精算金の授受」や「物件の鍵の引渡し」など、取引の総仕上げ的なやり取りも多く含まれることとなります。

なお時間と日時の設定は、司法書士が法務局へ登記を持ち込む関係で、平日の午前中とされるのが一般的です。(どうしても都合付かない場合は午後のできるだけ早い時間となる)

そして場所については、買主がローンを利用する金融機関の応接室などが用いられることになります。

※融資の利用がない場合には、不動産会社の事務所などで行われることもあります。

一方、決済時の持ち物に関しては取引の形態にもよりますが

買 主

  • 住民票
  • 印鑑(認印可)
  • 残代金(融資利用の場合は不要)
  • 固定資産税等の精算金(分譲マンションの場合は管理費等の精算金)
  • 身分証明書
  • 仲介手数料

売 主

  • 権利証(登記識別情報)
  • 実印
  • 評価証明書
  • 残代金領収書
  • 印鑑証明(発行より3ヶ月以内のもの)
  • 抵当権抹消書類(引き渡す物件に抵当権が設定されている場合)
  • 物件の鍵等、引き渡すべき物品
  • 身分証明書
  • 仲介手数料

仲介業者

  • 取引完了確認書(鍵の引き渡しや境界の明示を完了した旨の確認書、売主・買主の署名・捺印をもらう)
  • 仲介手数料領収証

 

というのが、一般的なものとなります。

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事前の準備について

そして仲介業者は、決済日に向けて事前に様々な準備を行わなければなりません。

一番最初に着手すべきは、対象物件に抵当権が設定されている場合の抵当権抹消書類の準備です。

売主が不動産業者の場合は不要(業者ならば自分で用意するため)ですが、一般の方の場合は借入先の銀行に連絡をし、抹消書類の準備をしてもらいましょう。

金融機関にもよりますが、書類の準備に3週間以上掛かる場合もありますので、「決済日までに抹消書類が準備できない」という失敗をしないように充分な注意が必要です。

また、決済で登記を担当する司法書士との連絡を取り合うことも必須であり、

  • 決済の時間や場所の伝達
  • 抵当権抹消書類の受け渡し方法(借入先の銀行が書類を届けに来る、仲介業者が取りに行く、司法書士が取りに行くなどのパターンが存在)
  • 登記費用の見積もり作成依頼
  • 必要書類の確認
  • 専用住宅証明、中古住宅の場合は家屋証明の取得依頼(居住用物件の場合、これらの証明書を取得することで登記に必要な登録免許税が減額される)

などを打ち合わせしておく必要があります。

なお、決済当日の金種確認も忘れないなようにしましょう。

売主の中には「残代金の一部を現金にて出金して欲しい」という方も少なくありませんし、この現金の金額が数百万円となると銀行に事前の連絡を入れておく必要があります。

 

当日の流れを解説

ここまでお話ししてきた様々な準備を経て、いよいよ決済当日の朝を迎えます。

まず仲介業者は、誰よりも先に決済会場に到着している必要があるでしょう。

そして会場に一番乗りできたなら、売主から買主に支払われる残代金や精算金を振り込むための「振込伝票」や「引出し伝票」を作成しておきます。

※各種伝票への署名・捺印等は本人が行う必要がありますが、金額や振込口座などは事前に書いておいて上げるの親切です。

こうした作業をこなしている内に時間は過ぎ去り、「取引の主役たち」が到着する時刻を迎えます。

この際同席する可能性があるのは、売主・買主・司法書士、物件に抵当権が付いている場合は稀に借入先の銀行マン(抹消書類を持参するため)の4名となります。(但し、物件が共有名義のため売主が3人、夫婦でお金を出し合うので買主が2人なんてケースもよくあります)

こうした方々と素早く名刺交換を終え、初めて会う者同士の紹介などを済ませたなら、売主・買主に必要書類を出してもらい、司法書士に確認をしてもらいます。

そして登記に必要な書類が揃っていることが確認できたなら、売主・買主は「登記委任状(担当する司法書士に登記を委任するための書面)」に署名・捺印を行います。(登記委任状は司法書士が用意しています)

なお、この際に先程作っておいた「銀行の伝票類」に買主からの署名・捺印をもらっておくと、その後の決済の流れがスムーズに運ぶでしょう。

さて、ここまでの手順を終えたなら、銀行の担当者を呼び出し「融資の実行をお願いします」と告げます。

この掛け声により、銀行は融資する資金を一旦、買主の口座に振り込み、改めてここから売主の口座へと振込がなされることで、売買代金の支払いが完了する訳です。

ちなみにこの融資実行の際には、振込伝票のコピーを3部取ってもらうことを、銀行の方にお願いしましょう。

コピーは売主、司法書士、仲介業者が受け取り、原本は買主に渡します。

また、融資の実行には少々時間が掛かりますので、この隙に取引完了確認書・残代金等の領収書の署名捺印、売主から買主に渡す鍵や物品の受け渡しと説明等を終えておくのがベストです。

融資の実行が終われば銀行員がその旨を報せに来ますので、領収書の受け渡しを終え、取引は終了となります。

※司法書士・買主が残代金の領収証のコピーを欲しがる場合がありますので、その際は銀行にお願いしてコピーを取ってもらいましょう。

そして全ての行事が完了したなら、仲介業者は「これにて全ての取引が完了しました!」と声を掛け、取引は終了、解散となります。

※場合によっては買主のみ残ってもらい火災保険の手続きなどをすることもあります。

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決済日の流れまとめ

以上が決済当日の主な流れとなります。

これまで頑張って来た「取引の総仕上げ」だけに、決済だけはスマートな段取りで、カッコ良く場を仕切りたいものですよね。

ちなみに決済を成功に導く最大のポイントは「万全な準備」に他なりません。

よって、慣れない内は「頭の中で当日の流れを事前に何度もシュミレーション」したり、決済時の「書類やお金の流れを図にしたカンペの作成」などをすることで、『必要書類等の漏れ』や『現場でのパニック』を防ぐことができますので、自信が持てないという方は是非これらの方法をお試しいただければと思います。

では、これにて「不動産決済日の流れについての知恵袋」を閉じさせていただきます。