建物を切断

 

今や、資産運用の代表的な手段ともなりつつあるのが不動産投資です。

一昔前までは、投資と言えば「株の売買」や「投資信託」が王道でしたが、近年では一般の方々も『収益物件を購入して、賃料で収益を上げる』といった不動産投資に参戦を果たされています。

そしてこうした流れは、「不動産投資ブーム」とも呼ばれる一大トレンドを巻き起こす結果となり、「今や物件を買いたくても、売物がない」という状況が続いているのです。

なお、こうした状況の中で「不動産会社を通しての通常の物件購入」に飽き足らなくなった投資家の中には、個人で不動産競売財務局・行政機関の公売に参加する方まで出現し始めています。

一方、不動産業者は投資家向けの新築アパートの分譲に力を入れていますし、中には「収益物件の土地を分割売却して収益を上げよう」という驚きの投資方法を実践する強者まで登場しているのです。

しかしながら、如何に奇抜な投資手法であっても一旦世間に知られてしまえば、あっという間に広まってしまうものですから、収益物件の市場では慢性的な物件不足が続く結果となってしまっています。

そこで本日は、収益物件が買えずに困っている方に向けて『建物を切断して、収益を上げてしまおう』という驚きの投資手法をご紹介したいと思います。

では、建物切断投資法の知恵袋を開いてみましょう。

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意外に知られていない物件切断という手法

冒頭でのお話を聞いて「建物切断って一体なに?」と思われた方も多いでしょうが、これはその言葉通り『建物を部分的にカットする行為』となります。

このようなお話をすると『そんなことが可能なの?』というお声も聞えて来そうですが、こうした工事は「減築」と呼ばれ、建築の世界では当たり前に行われているのです。

もちろん、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物を切断しようとすれば工事に莫大な経費が掛かってしまいますが、木造建築の場合には「解体費プラスアルファ」くらいのコストで施工が可能となります。

ちなみに「減築の工程」を簡単にご説明すれば、建物の不要部分を取り壊し、破壊された面に壁を再構築、そして再び防水処理・外壁の工事を行って完成です。

また以前の記事にて、建築基準法における新築や増築時の建築確認や検査済証の取得などについてご説明いたしましたので、『そもそも法令上、減築などという工事が許されるの?』という疑問をお持ちの方も多いでしょうが、結論から申し上げれば「問題なし」というのが答えとなります。

新築はもちろん、増改築ついても非常に厳しい制限を加える建築基準法ですが、減築(建物をカットする工事)については『ほぼ規制が無い』というの実情です。

そして、こうした手続き面の気軽さも手伝ってか建物の切断工事を行う方は意外に多く、「若い頃は広い家が必要と考えていたが、年齢を重ねる内に掃除が面倒になって来た」などの理由で、減築工事を実行に移されるパターンも多いといいます。

一方、建物切断工事は「台風や地震などで建物が損壊したのを切っ掛けに行われるケース」や「大地震に備えた耐震補強工事の一環として施工される場合」も少なくないとのことです。

なお、「建物のカット」と「耐震補強」というのは一見相反する作業にも思えますが、地震発生時に建物が倒壊する原因の中には、

そもそも建物自体のバランスが悪い(L字型の建物など)がために、屋根瓦の重み耐えられずに「斜めに潰されるパターン」も多いですから、建物を切り取ることよって『より倒れ辛い建物の形状(直方体に近付ける)』のは有効な対策となるでしょう。

このように「建物を切断する」と聞くと、思わず『ギョッ』としてしまう方も多いことと思いますが、実は意外に「ありふれた工事内容」となっているのです。

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建物を切って、投資を有利に進めよう

前項にて「建物カット工事が如何なるものなのか」をご理解いただけたところで、この工事を利用して不動産投資を有利に進める手法についてご紹介して行きたいと思います。

そして、まず前提として申し上げたいのが減築工事投資法は別記事「土地の分割売却で収益を上げるよう!」にてご紹介した手法と併用することで、その真価を発揮する代物であるということです。

なお、土地の分割売却投資法についての詳細は上記のリンク先をご参照いただければと思いますが、この投資法においては現在建てられて建築物に付属した『建築確認上不要な残地』を第三者に売却することによって、売却収益を手に入れることが「投資の肝」となります。

つまり、通常の不動産投資が「毎月上がって来る賃料収入で少しずつ利益を上げて行く」の対して、この手法では『土地の一部を転売して、その利益を物件購入価格に充当することで、物件の利回りを一気に向上させる手法』となるのです。

但し、「必要以上に土地が余っている物件」は意外に少ないため、「分割売却投資法のやり方を知っていても、なかなか実行に移せない」という弱点がありました。

その点、この建物切断を行えば、建物を小さくすることで意図的に不要な土地を生み出すことができますから、分割売却が行えるチャンスが大幅に増えることになる訳です。

ちなみに、建物切断投資法で成功を収めるには立退きに手間の掛からない「空室率の高い物件」を選ぶのがポイントとなります。(当然ながら空室がなければ部分解体もできませんし)

更に投資物件の市場においては「空室率が高い物件は、そうでない物件と比べて割安な価格設定が行われることが多い」ですから、『安価で物件を取得して、空室部分をカットした上で余剰地は売りに出す』という効率の良い投資が行えることになるのです。

さて、このようなお話をすると「そんなに上手い具合に解体できる空室が建物の一方に並んでいることがあるのか?」というお声も聞えて来そうですが、空室がバラけている場合には、残す方(壊さない方)の建物の空室へ『入居者に移動をお願いする』という方法があります。

もちろん「移動先のお部屋の間取りが全く違う場合」は問題となりますし、「無料で移動しろ」とも言えないでしょうが、

移動先のお部屋をある程度リフォームした上で、引っ越し代なども支払えば、喜んで移動してくれる入居者も多いはずです。(私が挑戦した時はあっさり受け入れてもらえました)

こうして建物の残す側に入居者を集めてしまえば、後は空室となった部分の減築工事を行うのみとなります。

そして減築が完了したならば、続いては「土地の購入希望者を探す」ことになりますが、分割後の土地の買い手としては「建売屋さん」と呼ばれる戸建て分譲業者が最適と言えるでしょう。(不動産業者への売却ならば瑕疵担保責任を免責にすることができます)

またこの際、収益物件の購入時にお世話になった不動産業者に仲介をお願いすれば、買主の募集はもちろん、売りに出す土地の大きさや価格についてもアドバイスが受けられるはずですから、不動産取引に慣れていない方にはお勧めの方法となります。

こうして買い手を見付けることができたなら、土地家屋調査士に土地の分筆を依頼して、後は売買契約の締結と決済・引渡しを行うのみとなるでしょう。

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建物切断工事まとめ

さて、ここまで見て来たのが建物切断工事と、それを利用しての不動産投資テクニックとなります。

なお、実際にこの投資法を実行される場合には下記の点にご注意をいただければと思います。

  • 「確定測量(隣接する土地との境界確定)」が完了していない土地では「分筆(土地の切り取り)」が行えないので、『購入する物件の確定測量が済んでいるか』を確認する
  • 分割完了後、残す方土地に「一定規模の建物が立てられるか」を設計士などにチェックしてもらう(分割によって「まともな建物」の建てられない土地になってしまうことを防ぐため)
  • 分割して売却する土地に新たな建物が建つことによって、減築した物件の日照条件に問題が生じないかをチェックする
  • 分割売買を連続して行うには「不動産業の免許」が必要となるため、無免許の場合は継続・反復した取引をしないようにする
  • 分割売却によって得た利益には譲渡所得が課税されるので、納付することになる税額をチェックする

以上の点につきましては、是非ご注意いただければと思います。

なお、この減築投資法については、プロの不動産業者の方でも「そんな荒業があったのか・・・」と驚かれる方も多いはずですから、未だ『知る人ぞ知るテクニック』であるのは間違いないでしょう。

但し、不動産業界はあっと言う間にこうしたテクニックが一般的なものとなってしまいますから、試すのであればお早めの方がよろしいかもしれません。

また、今回のお話で最も注目するべきなのは、一見、無関係に見える建物カットという工法が『不動産投資において大きなメリットをもたらす』という着目点の斬新さでしょう。

普段、何げなく行われている取引の手法や工事も、「使い方」「考え方」次第で大きな収益を生み出すこともありますので、投資家たる者は常にお金儲けのアンテナを張り巡らせておく必要があるのかもしれません。

ではこれにて、「建物を切断して収益を上げる知恵袋」を閉じさせていただきたいと思います。