現在、多くの方々から注目を集めている投資ジャンルが「不動産投資」であると言われています。
もちろん、投資信託や株などの金融系の投資対象も人気を博してはいますが、「中国経済の失速」に「米中間の貿易摩擦」、そして「イギリスのEU離脱問題」など、
「日本とはあまり係りのないところで起こる事件」によって市場は大きな影響を受けてしまうため、より安全性・安定性の高い不動産投資へと資金が流れて行く結果となっているようです。
但し、こうした不動産投資の盛り上りも既にピークを過ぎつつある状態となっており、今や慢性的に「市場に出回る収益物件の数が不足している状況」が続いています。
そして、このような状況ともなれば、誰でも欲しがるような「優良物件」はアッと言う間に成約してしまい、『購入して大丈夫かな?』と思うような少々問題のある物件の在庫ばかりが目立つようになって来ますよね。
そして結果的に「投資意欲は強いが、買う物件がない」という、『何とももったいない状況の投資家』を数多く生み出すこととなる訳です。
そこで本日は、この『何とももったいない状況』を打破するべく、少々珍しい投資法をご紹介してみたいと思います。
では、分譲マンションのオーナーチェンジ賃貸物件で稼ぐ方法の知恵袋を開いてみましょう。

居住用と収益物件の価格の違い
冒頭でのお話を聞いて、『これだけ不動産投資が盛んに行われている時代に、新しい投資法など存在するのか?』とお考えになられた方も少なくないことと思います。
確かに今回ご紹介する投資法は、「物件を購入して、長期に渡り安定的な賃料収入を得る」と言う王道の不動産投資方法とは少々異なるものとなりますが、やり方次第では大きな利益を生み出すことができますので、是非ご参考にしていただければ幸いです。
なお、この投資手法をスムーズに理解するためには「不動産の値付けに二種類の方法」があることを知っていただく必要がありますので、まずは『この点』から解説を始めてまいりましょう。
二種類の値付けの方法の内、まず一つ目の方法となるのがマイホームの売却などで用いられる「一般的な相場観による値付け法」であり、建売物件の価格決定などもこの方式で行われるのが通常です。
そしてもう一つが、投資物件などの値段を付ける際に用いられる「利回りに重点を置いた価格の算出方法」となり、物件から得られる賃料収入額が価格決定の重要な要素となります。
このようなお話をすると「その二つの方法が何なの?」というお声も聞えて来そうですが、実はこの二つの値付け方法は「同じ物件を対象としても、算出される価格に数百万円、場合によっては数千万円近い差額が生じる可能性」があるのです。
ではここで、より解り易いご説明を行うために具体的な例を挙げてご説明していきましょう。
仮に築10年の中古戸建てがあるとして、この家を中古マイホーム用物件として売却すると、地域の相場的には「2000万円」くらいの価格にて成約が見込めそうです。
但し、もしもこの物件が既に貸し出されており、賃借人がいる場合には販売価格2000万円で売りに出しても、買い手が現れる可能性はまずありません。
なぜなら、賃借人を追い出さない限りこの物件を「マイホーム」として利用することは不可能であり、収益物件という見方しかできないためです。
一方、収益物件としてこの物件に値付けをする場合には「物件の収益性」に着目しなければなりません。
仮に賃借人が、この物件を「月額10万円」で借りていたとすれば、月額10万円×12ヶ月×10年=1200万円、つまり10年で1200万円の利益を生むことになります。
そして収益物件の値付けでは、「10年分の賃料」と「販売価格」が同額であることを『表面利回り10%』と表示し、この値付けであれば「投資対象として非常に魅力的である」との評価を得ることが可能となります。
よって、マイホームでの適正価格が2000万円の物件であっても、これが賃貸中であると1200万円程度でしか売却ができないという、『不思議な価格の差』が生じることになるのです。
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実践!オーナーチェンジ投資法
そして、今回ご紹介する投資方法は正に「この数字(値付け)のマジック」を応用したものとなります。
つまり、収益物件(オーナーチェンジ物件)として購入した物件を入居者が退去するまで根気よく保有し続け、退去後、マイホーム物件として高く売りに出すという方法なのです。
※オーナーチェンジ物件とは、賃貸中の物件を売却し所有者のみが変更となる売買の形態となります。
では、具体的にその手法を解説して行くことにいたしましょう。
まず、この手法を実践するに当たって最も望ましい投資対象は分譲マンションとなるはずです。
不動産の売買において、売主は「建物の雨漏りや傾きなどの欠陥(瑕疵)」について売却後もその責任を負わされるのが通常です。
そして、売買対象が戸建てのケースでは、その責任(瑕疵担保責任)を売主が単独で負うことになりますが、分譲マンションの場合には「外壁や基礎が組合の管理すべき範囲」となるため、その責任を管理組合へ転嫁できますから、売却に際して余計なリスクを負わず、スムーズに売買を行うことが可能になるという訳です。
また、分譲マンションを狙う理由は他にもあります。
戸建ての場合、入居者退去後に「マイホームとして販売できる価格」の査定が非常に困難なものとなりますが、分譲マンションの場合には世帯数が多く取引事例も豊富にありますから、『売却した際の価格予想が容易である』というメリットもあるのです。
※分譲マンションと戸建ての違いについて更に詳しく知りたいという方は、過去記事「マンション購入の注意点について!」をご参照ください。
なお、間取りや専有面積については、転売時に買い手が住宅ローンを組み易く、人気も高い「2LDK以上、50㎡超の物件」が望ましいかと思います。
ちなみに物件の仕入れに関しては、不動産屋さんなどで「オーナーチェンジのファミリータイプの分譲マンションはありませんか?」と言えば、それなりの数の物件紹介を受けられるはずです。
※当然ながらワンルームなどの投資用物件では、マイホームとしての値付けが行われないため、この手法を用いることはできません。
但しここで注意すべきは、『賃借人の居住中も家賃収入でそれなりに儲けたい』などといった欲張った気持ちを持たないことでしょう。
冒頭でも申し上げた通り、現在では通常の投資方法で儲けられる物件は数少ないのが現実ですから、「賃料収入で儲けて、転売でも儲けられる物件」など、簡単に見付かる訳がありません。
よって、賃借人が住んでいる間は「儲からない物件」、つまりは投資物件としては魅力に乏しい物件に狙いを絞るのがポイントとなるでしょう。
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投資成功の秘訣とまとめ
さて、ここまで分譲マンションのオーナーチェンジ物件の転売による不動産投資の方法を見てまいりました。
私も会社の仕事として「同様の手法を用いた案件」を何度か経験していますが、この投資法を成功させる秘訣は、物件選びの際に「人気のあるマンション」や「ニーズの高い間取り」を選ぶという点です。
そして何より大切なのが、前項でも申し上げた通り「賃料収入でも儲けようという気持ちを捨てること」だと思います。
何の投資でもそうですが、出口や着地点をしっかりと見定めなければ、なかなか事は上手く運ばないものですし、一度で二度美味しいなんてことは滅多にないものです。
よって、「賃貸中は殆ど儲けなし(場合によっては若干の持ち出しの可能性も)」の状態で物件を保有し続けて、「空室となった段階でガッポリ稼ぐ」というのが理想的な流れになるかと思います。
ただ、反復継続しての物件の売買を行う場合には「不動産業の免許」が必要となりますから、繰り返しこの投資法を行う時には是非ご注意をいただければと思います。
なお、もっと自由に転売ビジネスに挑戦したいという方は、思い切って不動産業者の免許を取得してみるのも一つの手段かもしれません。
ではこれにて、分譲マンションのオーナーチェンジ賃貸物件で稼ぐ方法!の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います!