賃貸管理会社の仕事

 

先日の記事において、賃貸の営業会社(客付け会社)のお仕事に関するご説明をさせていただきました。

そして、お部屋を探しているお客様に物件を紹介して、成約に導くという「客付け業者の仕事」は、正に皆様が思い描く不動産屋さんの姿であったことと思います。

しかし賃貸のお仕事の中には、もう一つ重要な役割を果たす業種が存在します。

それが賃貸管理会社の会社(元付け会社)と呼ばれるものです。

なお、賃貸取引のシステムについて解説した過去記事「賃貸仲介の仕組みを知り、投資を有利に進めよう!」においては、元付業者(管理会社)の立ち位置などになどについてご説明をいたしましたが、その日々の業務などについては触れずに筆を置いてしまっておりました。

そこで本日は賃貸管理会社の仕事内容(元付業者の仕事の内容)について解説をさせていただきたいと思います。

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不動産管理会社とは

さて、まず前提としてお話ししておきたいのは、管理業務をメインとする賃貸管理会社とはいえ、「一人の社員がフルタイムで物件管理の仕事のみをしているケースは意外に少ない」という点です。

余程の管理物件数を誇っている会社であれば、管理のみを専属で行う社員を抱えている企業もあるでしょうが、多くの会社では、営業マンが個々の担当管理物件を抱えながら、客付け業務も同時にこなしているのが現状でしょう。

但し本日の記事では、管理業務の内容に焦点を絞って解説を行いたい為、こうした実情は考えずにお話を進めることにいたします。

 

では改めまして、「管理会社の主な仕事とはどのようなものなのか」を解説してまいりましょう。

管理会社の仕事内容を簡単にご説明するならば、アパートや賃貸マンションをお持ちの大家さんからの依頼を受け、「空室の入居者募集」や「物件の維持管理」、「契約更新業務」「賃料の集金業務」などを行うこととなります。

よって、先日ご紹介した客付け会社の業務を「攻めの仕事(お客様を獲得して、お部屋を決める仕事)」と表現するならば、管理会社はその相手方となる「守りの仕事(客付け業者がお客様をご案内する物件の管理を行う仕事)」がメインとなるでしょう。

ちなみに管理業務には主に2つの種類があり、『契約管理』であれば「新規募集」と「契約の締結」、「契約更新」に「退去時の立ち合い」等が主な仕事内容となり、

もう一方の『入金管理』ならば、これに加えて「賃料集金」や「滞納賃料の督促」に「クレームの対応」、そして場合によっては「共用部分の定期清掃」や「エレベーターのメンテナンス」「消防点検」などの手配も行う総合的な物件管理業務となります。

なお報酬については、「契約管理」であれば新規契約時の広告宣伝費(通常・家賃1ヶ月分)及び契約更新時の事務手数料(通常2年毎の更新であり、報酬は月額賃料の半月分)となり、

「入金管理」の場合にはこれに加え、月ごとの賃料の何%といった固定収入を得ることになります。(入金管理の報酬は物件によって異なりますが賃料の3%~5%程となるのが一般的です)

さて、ここまでの解説にて管理業務の概要はご理解いただけたことと思いますので、次項ではより具体的に管理会社の仕事内容を見て行きましょう。

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管理会社の日常

賃貸管理の営業マンがまず一番に行うべきは、現在空室となっているお部屋の募集業務です。

不動産屋さんには、レインズ・アットホームなど不動産業者専用の空室情報共有ツールが用意されていますので、募集図面を作成した上で、こうしたメディアを利用して客付け業者への物件情報提供を行います。

ちなみに、これ以外にもスーモやヤフー不動産など「お部屋を探している方に向けて直接的な広告を発信できる有料媒体(賃貸物件のポータルサイト)」もありますので、必要に応じてこれらに掲載を行い、お客様を募ることになるでしょう。

こうして募集を行っていると、時には一般のお客様から直に物件へのお問い合わせを頂くこともありますが、実際に成約に結び付くことは意外と少ないので、レインズ・アットホーム等の媒体を見た「客付け業者からの問い合わせを待つ」ことの方が多くなるはずです。

一方、レインズなどで空室情報を入手した客付け業者が「この物件は手持ちのお客様のご条件にピッタリだ」と判断すれば、すかさず管理会社に問い合わせを入れ、物件の最新の募集状況の確認(未だお申込み等が入っていないかの確認)を行って来ます。

よって、「●●アパートの●号室はございますか?」という客付け業者からの問い合わせがあれば、管理会社は「ございます」「申込みが入っております」など状況に合わせて返答をすることになるでしょう。

また、ここで「実際にお部屋を見たい」と言われれば、名刺などをFAXで送ってもらい、相手の身分の確認をした上で「お部屋の鍵」の在処を教えることになります。

通常、物件の鍵は空室の「ドアノブ」や「パイプスペース」などにダイヤルロック式の『キーボックス』と呼ばれる鍵保管用器具を設置し、このキーボックスの暗証番号を客付け業者に伝えることで、現地での鍵の受け取りが可能(鍵の現地対応が可能)な状態としておくのが一般的です。

但し、分譲マンションなどでオートロックが付いている物件に関しては、キーボックスの設置が不能な場合もあるため、こうしたケースでは鍵を管理会社にて保管し、ご案内の際は客付け業者にこれを取りに来てもらうことになります。

このようにして内覧が行われ、お部屋を見たお客様に物件を気に入っていただければ、いよいよ入居のお申込みが入って来くことになるでしょう。

そして、管理会社は各々独自の「申込書の書式」を用意をしているものですから、これを客付け業者に送り、必要事項を記載したものを返送してもらうことになります。

なお、この段階で申込人から物件への質問(「前面道路の音は煩くないか?」「お風呂の追い炊きができるか?」等々)があれば、これに回答しなければなりませんから物件に関しても多くの知識を持っておく必要があるでしょう。

その後、記載済みの申込書が届けばこれを物件のオーナー様に見せて、入居の可否の判断を仰ぐことになりますが、申込人の身元に不振な点がある場合には、その旨を大家さんにアドバイスするのも大切な仕事になります。

更に、オーナー様からのOKが出ても、「申込み内容に虚偽の記載などがないか」のチェックを行うことも重要です。

このチェック作業も管理会社の仕事となりますから、申込人や連帯保証人への電話連絡、勤め先の在籍確認などを契約前に済ませておきましょう。(個人情報保護の関係で、近年では勤務先への在籍確認が行えないケースも珍しくありません)

こうして審査を無事に通過した申込人に対しては、客付け業者を介して契約金のご案内(精算書)、契約時の持ち物の確認、契約日時の設定を行うと共に、同時進行で賃貸用重要事項説明書賃貸借契約書の作成を行うことになります。

契約当日は、申込人が一人で来店(客付け業者は同伴しない)しますので、重要事項説明に契約書の読み合わせ、賃貸保証会社との契約や借家人賠償保険の手続き等を済ませて、鍵の引渡しとなります。

また契約終了後は、申込人が署名・捺印をした契約書類を取りまとめ、契約金と共にオーナー様へ届けることとなり、ここで初めて広告宣伝費を得ることになるのです。

なお、入居後のクレームがあれば大家さんに代わって窓口にならなければなりませんし、退去となれば立合いを行ったりと、この先長い長い管理業務が待ち構えています。

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賃貸管理会社まとめ

さて、これまで見て来たのが管理会社の主な仕事となります。

この他にも、管理を請け負っている物件を定期的に巡回したり、空き物件の図面作成、なかなか決まらない物件に対しては、

客付け会社に営業を掛けて「優先的にお客様をご案内してくれるようお願いする」などの業務も加わってきますので、元付け業者は正にアパート経営の縁の下の持ち主的な存在と言えるでしょう。

そして管理会社に勤務するならば、不動産の基本的な知識に加えて、退去立会い時の原状回復工事費用の交渉や、お部屋のリフォームの段取りを組む都合上、やや建築業者さん的なスキルも必要となる職種かもしれません。

なお、より本格的に管理会社の業務内容や仕事のノウハウを習得したいという方に向けては、管理人が出版しております下記のアマゾン・Kindleの電子書籍に詳細を記してありますので、是非お手に取っていただければ幸いです。

 

 

ではこれにて、賃貸管理会社の仕事内容をご紹介の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。