「もはや円熟期を迎えている」と言われているのが、不動産を対象とした投資となります。
一昔前までは、「一部の専門家しか手が出さないジャンル」とされていた不動産投資ですが、「金融情勢が不安定なこと」などを材料に多くの投資家がこれに参入することとなり、
現在では『銀行に預けておくよりは遥かに利回りを稼げる』として、一般の方の中にも「収益物件を購入したい」とお考えの方が増え続けているようです。
そして「買い手が増え続ければ、売り物がなくなる」のが世の常であり、今や『買いたいのに物件がない』という状態が慢性的に続いているのが実情となります。
なお、こうした状況を打破するべく投資家たちは「様々な新しい投資手法」を実践し始めていますが、その中でもまだまだ「金脈」が残されていると言われるのが「シェアハウス」と呼ばれる物件形態です。
そこで本日は「シェアハウスで不動産投資を行おう!」と題して、運営のノウハウや投資成功の秘訣についてお話しして行きたいと思います。

シェアハウスとは
さてまずは、「そもそもシェアハウスとは如何なるものであるか」という点からご説明してまいりましょう。
シェアハウスとは「賃貸物件の形態の一つ」を指す言葉であり、その特徴は建物内に複数の個室が用意されているものの、リビングやキッチン、風呂場などは共用部分に設置されており、『他の入居者と共同生活を楽しむ』というコンセプトの基に運営される物件ということになるでしょう。
なお、似たような言葉で「ゲストハウス」というものがありますが、厳密には少々意味は異なっているものの、今の日本ではほぼ同じ意味で使われている言葉となっています。
ちなみに某テレビ局においては以前、この賃貸形式の住まいに暮らす男女の人間模様を綴った「テラスハウス」というバラエティー番組が放送されていましたが、そこで描かれている生活は、かなりリアルに「シェアハウス」での日々を描いていたように思います。
ちなみに番組名の「テラスハウス」という言葉は『玄関が複数設置されている連棟式の住宅を指す用語』となりますから、「シェアハウス」とはかなり趣が異なるものとなるでしょう。
シェアハウスの経営システム
では、実際のシェアハウスの運営はどのようなに行われているのでしょうか。
賃料等
賃料については通常の賃貸の物件よりかなり安めの設定(お部屋も狭いですが、通常のワンルームの半額程度が相場)がされているのが通常です。
またシェアハウスでは敷金や礼金などは設定せず、初期費用が抑えられる料金体系になっています。
但し、「全く担保無し」で住まわせる訳にも行きませんので、預り金的な意味合いを持つ『デポジット』が徴収され、建物に損害を与えた場合などにはここから補填されることになります。(金額としては賃料の半額程度が相場)
なお、水道・高熱費等については毎月定額で支払う方式の物件が多く、これらの相場は1万円程度となるでしょう。
よって、ワンルームが月額8万円程で借りられる地域なら、賃料月額4万円+水道・高熱費1万円=5万円程度が毎月の賃料となり、初回はデポジット2万円が必要ということになります。
※別途、契約手数料が必要がケースもあります。
お部屋
一口にシェアハウスといっても、建物のタイプには様々なものがあり、通常の一戸建てを改築して利用している物件から、各個室が高い独立性を持ったマンションタイプまで存在しています。
またお部屋に関しても、一人一人に個室が割り当てられる物件から、相部屋(ドミトリータイプ)のものまで様々です。
但し、相部屋は同居人とのトラブルが絶えないため近年では減少傾向にあるといいます。
なお、個室タイプでの部屋は4.5畳~3畳くらいが平均的な大きさとなり、お部屋にはベッドや収納、テレビなど生活に必要な最低限の設備が一式揃えられているのが通常です。
契約形態
契約形態としては、ウィークリーマンションなどで用いられている定期建物賃貸借契約にて行われるのが一般的な形態となります。
よってシェアハウスの運営は「不動産賃貸業の範疇」となりますので、旅館業の免許が必要になるケースは殆どありません。
なお、入居者は生活の時間の多くを共用部分で費やすこととなりますから、キッチンやトイレ、バスルームなどの使用に関する決め事を「共用部分の利用規約」として、細かく取り決める必要があります。
設 備
シェアハウスのセールスポイントは「他の入居者とのコミュニケーションが活発に行える」という点になりますから、リビングや集会場などのスペースには「一定の広さ」と「充実した設備」が必要となるでしょう。
また、自炊をしたり、入居者同士のパーティーなどを行う場合も多いので、キッチンには複数のガス台と洗い場が必要な上、トイレやお風呂も混雑がないように、入居者の人数に合わせた充分な数を用意しなければなりません。
管 理
このように多くの人間が接触し合いながら暮らすシェアハウスですから、「様々な問題が生じるのは不可避」となります。
そして、こうした問題に対処するのが経営陣が用意する管理人です。
なお、管理人の業務は「入居者同士の揉め事の仲裁」から「設備トラブルの対処」まで様々なものとなりますから、それなりのスキルを持った人材を充てるべきでしょう。
但し、住み込みの管理人を雇うには経費が掛かり過ぎるため、通いの管理人を置く物件の方が多いようです。
スポンサーリンク
投資としての魅力
ここまでシェアハウスのシステムなどについてお話ししてまいりましたが、『果たして投資として魅力があるのか?』との疑問をお持ちの方もおられるはずです。
そこで本項では、投資物件としてのシェアハウスの魅力について解説してみたいと思います。
まず言えることは、最も使い道に困る「一戸建ての豪邸物件」が有効に活用できるという点は大きなメリットとなるでしょう。
レインズなどを見ていると、時折、贅の限りを尽くした豪邸物件が売りに出されていますが、実はなかなか買い手が付かないのが実情です。
豪邸であれば土地の大きさもそれなりとなりますから、新築戸建などよりはかなり高額な価格設定となるものの、買える人間は限られてしまいますし、建売用地としても計算が合わないことが多いのがその理由となります。
なお、こうしたニーズの低さによって豪邸物件の価格は下がって行くものですから、多くの方が探し求めるアパート等の収益物件を購入するよりも、豪邸物件を改築してのシェアハウス経営の方が『投資として遥かに魅力的なものとなる』訳です。
また、官庁・行政機関などが行う公売や、企業の払い下げ物件でありがちな「独身寮」についても、シェアハウスは有効な物件活用法となります。
これらの物件はお部屋にトイレや風呂がない場合も多く、一般的な賃貸物件への転用が難しいケースも少なくありません。
よって豪邸と同じく収益物件としては魅力を欠いた代物となりますから、こちらも絶好のシェアハウス向け物件となるのです。
ちなみに、通常の賃貸物件と比較して「部屋を細かく仕切れる」ことは収益性を大きく向上させる結果となりますし、日々の管理には手を焼くことになるものの「短期の契約がメイン」であるが故に入居者との紛争に発展するケースは少ないですから、経営サイドのストレスが軽減される点もメリットの一つに挙げられるでしょう。
勝ち残れるシェアハウスとは
さて、ここまでシェアハウスの経営についてお話ししてまいりましたが、現在ではこのタイプの物件も増え始め、今後は淘汰の時代がやって来るのは確実でしょう。
よって、ただ単に「賃料が割安」だったり、「ワイワイ楽しく暮らせる」という魅力だけでは安定した経営が行えなくなる時代は、すぐそこまで来ています。
そこで、今後人気を博しそうなシェアハウスの形態について考えてみましょう。
ペット同居型
近年はペット可の賃貸物件も増えて来ましたが、こうしたお部屋は「賃料も割高な傾向」にあります。
そこで賃料を抑えながら、近隣にも迷惑を掛けないペット同居型シェアハウスは確実に需要があるはずです。
婚活型
既に数多く運営され、人気を博しているのが「婚活が行えるシェアハウス」となります。
なお某番組のイメージは未だ健在であり、時代的なニーズにもマッチしていますので、新たなに参入する方にも充分に勝算があるシェアハウスの形態と言えるでしょう。
ちなみに「経営を成功に導くコツ」は、女性の賃料設定を極力抑えることであるかと思います。
学生寮型
大学や専門学校の近くで、学生限定のシェアハウスを経営する方法です。
シェアハウスであれば学生寮と比較しても「賃料的に競争力が保てます」し、寮と比べて生活の自由度が高い分、人気を得られることでしょう。
このように今後のシェアハウス経営はコンセプト化、特化型のものが主流となって来るはずです。
詳細については、後日、「コンセプトシェアハウスの経営について考えます!」として記事を書かせていただきますので、そちらも是非ご一読願えればと思います。
スポンサーリンク
シェアハウスまとめ
さてここまで不動産投資の対象としてのシェアハウスについて、お話をしてまいりました。
今回の記事をお読みくだされば、一般のアパートやマンションなどとは少々異なる「シェアハウスの魅力」をご理解いただけたことと思います。
また、「儲かるのは判ったけど、管理に手間が掛かり過ぎる」という方には、シェアハウスの管理を請け負ってくれる業者がおすすめです。
賃料の10%程度で全ての管理を、20%なら賃料保証まで付けている会社もありますから、これは大いに活用したいところですよね。
不動産投資の新たなジャンルとして脚光を浴びるシェアハウス経営に、この機会にチャレンジされてみては如何でしょうか。
ではこれにて、「シェアハウスで不動産投資を行おう!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。