近年、一般の方からも高い人気を集めているのが「不動産投資」です。

そして実際に不動産投資の世界に身を置いてみると、利回り5%、6%という「あまり魅力がないはずの物件」をプロ中のプロである不動産業者が購入している光景を目にすることがありますが、その裏には一体どのような投資テクニックが隠されているのでしょうか。

そこで本日は「利回りの低い収益物件での儲け方を解説いたします!」と題して、不動産業者も実践している低利回り物件で収益を上げる方法についてご説明してみたいと思います。

利回りの低い

 

収益物件の活用法は様々

「不動産投資物件を購入する」となれば、収益獲得の王道パターンは『賃料収入を得ること』となりますが、実はまだまだ利益を生み出す方法はあるものです。

例えば建築確認上、敷地に余分な土地が余っているのなら、その土地を分筆して建売業者に転売したり、お隣に買い取ってもらうという手法があります。

※この手法についての詳細は過去記事「土地の分割売却で収益を上げるよう!」をご参照ください。

また、一棟もの収益物件を購入して「空室となっている大型の店舗や事務所」があれば、室内を細かくブースに分けての時間貸し事務所や会議室とするというテクニックもあるはずです。

更には、購入した物件を今流行のシェアハウスとして運用を行えば、従来の賃料収入以上の収益を見込むこともできますし、ウィークリーマンションの経営手法を応用すれば民泊経営などにも参入できるでしょう。

このように収益物件には、単に月々の賃料収入を得る以外にも様々な活用法が存在しますから、

「物件ごとの特性や強みを見抜き、その価値を引き出す能力」があれば、まだまだ多くのメリットを得ることが可能

となるのです。

しかしながら、ここまでお話してきた「敷地の余った物件」や「シェアハウスへの転用が可能な建物」は非常に限られた存在であり、市場には『利回りが低く、別の用途にも活用できない物件』がゴロゴロしているのも事実でしょう。

そこで次項では「保有していてもあまり旨味がなく、他の使い道もない物件」を利用して収益を上げる方法について解説してまいります。

利回りの低い物件でも稼ぐことはできる!

「利回りの低い収益物件でも儲けるチャンスはある!」というお話をここまでしてまいりましたが、読者の中には『本当にそんなことが可能なの?』と訝しく思われている方も多いはずです。

そこでまずは、この投資テクニックの要点をご説明してしまいましょう。

利回りの低い物件で儲けるテクニックとは、ズバリ「物件を転売すること」となります。

さて、このようなお話をすると「ただでさえ利回りが回らない物件は人気がないのに、高く転売できる訳がない!」と言われてしまいそうですが、この手法を成功させるポイントは

一定期間物件を保有して、賃料収入を稼いでから転売する

という点です。

例えば、価格3300万円で毎月20万円(年額240万円)の賃料収入が得られるアパートがあったとしましょう。

この物件の表面利回りを計算すると、その結果は7.2%となり、決して利回りの高い物件とは呼ぶことはできません。

そして、購入に際して自己資金を300万円投入し、残りの3000万円に対して15年返済の金利2%のローンを組むと、月々の返済額は約19万円となるので「月額収入20万円―月額返済19万円=月額利益1万円」という収支計算となります。

なおこれでは、たとえ満室の状態であっても利益が月に1万円、年間でも12万円という、明らかに投資として成立しない買い物となってしまう感じがしますが、ここで注目するべきは5年経過後のローン残高です。

実はこの事例においてローン返済のシュミレーションを行うと、5年後のローン残高は「2240万円」まで減っていることになるのです。

つまり5年後に物件を3100万円(表面利回り7.7%)で売りに出したとしても、単純計算で

「売却価格3100万円―ローン残高2240万円=売却益860万円」という大きな収益を見込むことができる

ことになります。

こうして考えれば、例に挙げた7.2%よりも更に利回りの低い収益物件でも転売利益を確保することが可能でしょうし、たとえ5年の間に何度か空室が発生しても「それなりの儲けは出るはず」ですよね。

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低利回り収益物件転売法の成功のコツ

これまでの説明において、「低利回り収益物件転売法」の概要とおおよその仕組みはご理解いただけたことと思います。

そこで本項では、この投資方法を成功に導くための秘訣について少々お話ししてみましょう。

なるべく築浅の見栄えの良い物件を選ぶ

まずこの手法を実践する上で大切なことは、

数年後の転売の際に買い手が付きやすい物件を選ぶ

ということです。

築年数の古い物件であれば、投入する自己資金もローンを利用する金額も低く抑えることができますが、転売の際に買い手が付かないのでは意味がありません。

また古い物件ですと空室が発生する可能性も高くなりますし、保有期間中に大規模な修繕工事が必要になる場合もありますから、なるべく築浅の物件を選ぶのが得策でしょう。

世帯数の少ない物件を選ぶ

空室が発生し、賃料収入が減少してしまった場合のリスクを考えると、なるべく世帯数の多い物件を選んだ方が安全なようにも感じますが、そうとばかりも言えない側面もあります。

世帯数の多い物件は「それなりに売買価格も高額」となりますから、いざ転売しようとした際に『簡単に買い手が現れない』というリスクが存在するからです。

また、経済状況の変動などによって賃料相場が下落してしまった場合も

世帯数が少なければ負うダメージも少なくて済みますし、転売時に空室がある場合も売却先が見付けやすい

という利点があります。(10世帯で5部屋空いているよりも、4世帯で2部屋空いている方が買い手が付きやすい)

更には「どうしても転売先が見付からない時」にも、居住世帯が少なければ『立ち退き込み』で物件を購入してくれる建売屋さんが現れる可能性もありますし、最悪の場合には『自分の手で立ち退き交渉を行う』こともできるでしょう。

売り時を見誤らないようにする

そして最も重要なのが、「転売を行う時期を見誤らないようにする」こととなります。

この低利回り収益物件転売法は、保有する期間が長ければ長い程に得られる利益も大きくなるのが特徴ですが、建物の老朽化は刻々と進んで行くものです。

よってあまり大切に物件を保有し続けていると、

いざ転売しようという時に「買い手が見付からなくなる可能性」もあります

のでご注意ください。

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利回りの低い収益物件での儲け方を解説まとめ

さてここまで、利回りの低い物件を購入して、収益を上げる「低利回り収益物件転売法」について解説を行ってまいりました。

この手法は現役の不動産屋さんもしばしば行う方法となりますから、ご興味がある方は是非挑戦していただければと思います。

なお、不動産を不特定多数に対して反復して売買する場合には、不動産業の免許が必要となりますから、繰り返しこの手法を行うのであれば免許の申請を行っていただくこととをお勧めいたします。

ではこれにて、「利回りの低い収益物件での儲け方を解説いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。