不動産投資を行うべく、物件を探している際に直面するのが事務所や店舗などの「事業用物件」についての問題です。

もちろん、店舗や事務所も立派な投資対象ではありますが、「空室が発生するとなかなか新たなテナントが見つからない」「建物に不具合が出た際の営業保証の問題」などにより、投資家から敬遠されてしまうことも珍しくありません。

そこで本日は「レンタルスペース賃貸で事業用物件の利回りアップさせる裏技をご紹介いたします!」と題して、広めの店舗や事務所を有効活用して不動産投資を有利に進める手法についてお話ししたいと思います!

レンタルスペース賃貸

 

レンタルスペースの賃貸とは

冒頭の解説をお読みになり、「そもそもレンタルスペースって何だろう?」との疑問をお持ちの方も少なくないことと思います。

レンタルスペースとは文字通り『空間をレンタルする』という意味であり、時間貸しの「教室」や「会議室」など一部屋を丸ごとを貸し出すタイプのレンタルスペースは、街で見掛けることも珍しくありません。

ただ、本記事にて解説するレンタルスペースはこうした一部屋タイプのものではなく、

大型の店舗などに間仕切りを作り、ブースごとにスペースを貸し出す手法

となります。

もちろん、先にお話しした「お部屋全体を賃貸する方法」も悪くはないのですが、物件の大きさによっては賃料設定も高額となりますし、継続して借り手を探すのもなかなか難しいのが実情でしょう。

これに対して、簡単な間仕切りによって小さく切り取られたスペースを貸出すのであれば、賃料設定も安価にできる上、空室率を低下させるという意味でも非常に効果的ですよね。

また、マンガ喫茶と同様に「完全な個室としない」ことにより、ブース内での犯罪行為などにも監視の目を光らせることができますし、1ヶ月ごとの短期貸しで前金制にすれば、万が一物件が使用不能になった際にも「営業補償の問題」に悩まされることはないでしょう。

その上、ある程度の稼働率を維持することができれば、お部屋丸ごとの賃貸よりも高い収益率を望むことも可能ですから、これはもはや嬉しい限りのはずです。

レンタルスペース経営事例

さて、ここまでの解説によりレンタルスペースの概要と魅力については、おおよそのご理解をいただけたことと思いますで、続いては具体的な運用方法について掘り下げてみたいと思います。

なお、ブース貸しのレンタルスペースを開業するにあたって、ただ単に「スペース貸します!」などと宣伝したところで、そうそう利用者を確保できるものではありませんから、

『使用目的のコンセプト化を図る』などの工夫をすることが重要

となるでしょう。

そこで以下では、実際に成功を収めているレンタルスペースの運用例を見て行くことにいたします。

貸会議室

こちらが現在、最もオーソドックスなレンタルスペースの運用方法となるでしょう。

会社に充分な広さの会議室を備えている企業であれば、こうしたレンタル会議室は不要となるでしょうが、そうでない会社も決して少なくないのが実情です。

こうした企業においては喫茶店などを利用して会議を行なうケースもあるようですが、周りは騒がしいですし、コピーやプロジェクターなどの器機もないため、使い勝手は決して良くないのが現実です。

そこで、共用スペースにコピー機等の事務機器を置き、プロジェクターの貸出しなども可能なレンタルスペースがあれば、会議室を持たない企業は大いに重宝するはずです。

貸事務所

貸事務所の次に数が多いのが、こちらのブース貸しの事務所となります。

昨今はSOHO(在宅ワーカー、フリーランス)の方々や、ベンチャービジネスでの起業を目指す方も少なくありませんので、安価で事務所が借りられるのは非常にありがたいはずです。

また設備としては、貸会議室と同様に共用スペースにコピー機等の事務機器を置き、ブースごとに電話の利用とインターネットへの接続が可能な状態にしておけば「設備としては万全」でしょう。

更には簡単な食事や飲み物、ペンや用紙などの売店を設置することで更に物件の付加価値を向上させることができる上、売店での売り上げからも収益を得ることが可能となるはずです。

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貸自習室

大学受験や資格試験などに臨む方々に向けて、「静かで落ち着いた勉強のできる場所」を提供するサービスです。

『自宅では家族が騒がしくて勉強にならない』という方も多いようですから、時間貸し自習室のニーズは確実に存在します。

ちなみ貸事務所と同じく文房具や耳栓などを販売する売店を設置すれば、集客性を更に高めることができるでしょう。

貸店舗

世間には、『商売はしてみたいけど、店舗を構えるのはハードルが高過ぎる』という葛藤をお持ちの方が数多くいらっしゃいます。

例えば、主婦の方でネイルサロンや雑貨屋さんを開業したいけど「店舗一軒を借りるにはお金も度胸も足りない」といったお話はよく耳にするものです。

そこでニーズが高まって来るのが、ブースで区切られた短期貸しの店舗ということになるでしょう。

店内に様々な業種のブースが出店することにより、単体で店をオープンするよりも集客が容易になりますし、同じスペース内にある店舗と共同で広告を打つことなどもできますから、『実験的に店を持ってみたい』といった方には非常に魅力的な物件となるはずです。

なお、このタイプのレンタルスペースの経営を成功させる秘訣は「同じ業種を同時に入居させないこと」と「ある程度入居させる業種を絞り込む(特化させる)こと」の2点となるでしょう。

仮に美容系に特化させるのであれば、エステにネイルサロン、フットケアなど系統の似たテナントを出店させることで「エステに来たついでに、ネイルサロンに立ち寄る」といった2次的なニーズを引き出すことができるはずです。

これに対して、全くの同業種を出店させてしまうと「店舗同士のつぶし合い」が始まりますし、撤退するテナントも増加することになりますので、こうした状況は極力避けるべきでしょう。

レンタルスペース賃貸のポイントと注意点

このようにレンタルスペース賃貸には様々な形態があり、多くの可能性を秘めた投資手法となりますが、運用を開始するに当たってのポイントや注意すべき点も存在します。

まず、レンタルスペースの営業を始めるには

  • 転貸可能な物件を選ぶ
  • 建築基準法上の用途に注意する
  • 消防法上の問題を確認する
  • 飲食店営業許可の取得

以上の点についてチェックしておく必要があります。

レンタルスペースを開業するには大型の店舗などを借りる必要がありますが、一般的な賃貸借契約においては「又貸し(転貸)が禁止されている」のが通常です。

よって、申込みを行うの段階から「レンタルスペースの経営が目的である」旨を貸主へ伝えて、転貸が許可された契約を締結する必要があります。

また、物件を借りる際には建築基準法上の用途にも注意するべきです。

建築基準法では建物やお部屋ごとに、店舗や事務所、倉庫などの「用途」が定められており、原則として定められた用途に反する利用は禁止されています。

なお、申請を行うことで「用途の変更」ができる場合もありますので、物件選びに際しては確認を怠らないようにしましょう。

一方、火災などの緊急事態に備えて消防法上の問題についての確認も行っておくべきです。

開業に際して必ず消防署へ事前相談を行なった上で、適切な消防設備や防火管理者などの手配を行わねばなりません。

そして、レンタルスペース内に食べ物を提供する売店などを設置する場合には、飲食店営業許可の取得が必要となるケースもありますから、こちらも忘れず手続きをしておきましょう。

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レンタルスペースまとめ

さて、ここまで解説して来た通り、レンタルスペースの経営はアイデア次第で様々な展望を描くことが可能となる「夢のある投資手法」と言うことができます。

そして、市場に流通している収益物件情報を見れば「大きな面積の店舗や事務所が空室のまま売り出されているケース」が意外に多いですし、こうした物件は総じて価格も安めに設定されていますから、これは正にレンタルスペース経営に最適な条件と言えるでしょう。

また既に申し上げた通り、ブース貸しであれば通常の方法で貸し出すよりも高額な賃料収入を得られる可能性がありますし、営業保証などの契約上のトラブルも回避できますから、この記事を切っ掛けに是非レンタルスペースの経営を真剣にご検討いただければ幸いです。

ではこれにて、「レンタルスペース賃貸で事業用物件の利回りアップさせる裏技をご紹介いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。