マイホームの購入は「一生に一度の大きな買い物」などと言われていますが、時には現在の自宅を売却して新居を手に入れる「買い替え」を余儀なくされるケースもあるものです。

しかしながら不動産の買い換えについては「仲介に入る不動産屋さん的にも時にはドキドキの局面」も少なくありませんから、初めて買い替えを行う人や資金に余裕のない方にとっては『非常にハードルが高い作業』となるのは間違いありません。

そこで本日は「不動産の買い替えの流れや手順について解説いたします!」と題して、マイホーム買い替え時のポイントや注意点などを解説してみたいと思います。

不動産の買い替え

 

マイホーム買い替え時の2つの取引パターン

さて、不動産の買い替えのお話をするに当たり、まず最初に抑えておくべきなのが「売却先行型」と「購入先行型」の2つの取引パターンがあるという点になります。

なお、「買い替え」はマイホームを売却して新居を手に入れる作業となりますから、当然『売り』と『買い』の取引を連続して行うことになりますが、どちらを先行させるかによって様々な違いが出て来るため「この2つの類型の選択は非常に重要なものとなる」のです。

売却先行型のマイホーム買い替え

現在自分が住んでいる家をまず売却し、その後に新しい物件を購入するのが「売却先行型」のパターンとなります。

但し、先に売却を完了してしまうと当然ながら住む家が無くなってしまいますから、自宅に買い手が現れて売買契約の締結が完了したなら、物件引き渡しまでに最長3ヶ月程度の期間を設けて、この期間内に購入物件を決定することになるでしょう。

そして購入物件を見付けて購入の契約が完了したなら、「売り」と「買い」の引渡し日をなるべく近い日程で組み、引っ越しを行うこととなります。

なお、ここまでのお話を読まれた方の中には「そんなに上手く売りと買いの連携が可能なの?」という疑問をお持ちの方もおられることと思いますが、その疑問は実に的を射たものと言えるでしょう。

確かに冷静に考えれば、たとえ売却と購入の決済を同日に行うことができても引っ越しをする時間が全くありませんよね。

そこで登場するのが売却の契約書に盛り込まれる「引渡し猶予の特約」というものになります。

この特約は売却物件の決済において「売買代金全額の支払い」と「物件の所有権移転登記」は同時に行うものの、『物件の引渡しについては数日~10日間程度の猶予期間を設ける』という内容のものであり、この猶予期間内に購入物件の決済や引っ越しの作業を行うことになるのです。

しかしながら、時にはこの期間のみでは購入物件の引き渡しや引っ越しが完了できないこともあり、最悪の場合には一時的に賃貸物件を借りての「仮住まい」で生活をせざるを得ないケースも発生して来ます。

また、引っ越しが間に合わないといった程度の問題ならばまだしも、時には購入予定の物件の引き渡しが大幅に遅れたり、購入契約自体が解除されてしまうケースだってあり得ますから、売却を先行させる際にはこうしたリスクも覚悟しておく必要があるでしょう。

この様に売却先行型の買い替えにおいては一定のリスクも伴いますが、購入する物件の資金計画にブレが生じることを防ぐと共に、現在の住まいにおけるローン残債を売却代金で完済してからの新規物件購入が可能な上、

納得の行く価格で現在の住まいが売れるのをじっくりと待つことができるというメリットもありますので、買い替えをご希望される方の多くが「売却先行型を選択している」というのも事実です。

では以下に、売却先行型のメリットとデメリットをまとめておきましょう。

売却先行型のメリットまとめ
  • 納得のいく購入申込みが入るまで、じっくりと待つことができる
  • 先に売却金額が決定するので、購入時の資金計画がブレない
  • ローンの残債を売却代金によって返済できるので、資金的に余裕が無い方でも買い替えが可能
>売却先行型のデメリットまとめ
  • 購入物件の引き渡し時期次第で、仮住まいの必要が出てくる
  • 売却契約後、最長でも3ヶ月程度の期間内で購入物件を決定する必要がある
  • 売却スケージュールの関係で、不本意な物件を購入しなければならない可能性がある

購入先行型のマイホーム買い替え

続いてご紹介するのが、購入を先行させるケースとなります。

読んで字の通り、先に新居を購入してから現在の住いを売却するパターンになりますが、この手法を選択するには少々厳しい条件が付いて回ることになるでしょう。

まず現在のマイホームに住宅ローンの残債がある場合には、購入可能な物件のグレードが大きく制限される可能性がある(残債の影響で思い通りの借り入れができない)上、「現在の住まい」と「新居」のダブルローンという重荷を背負うことになります。

また、グレードが制限される程度ならともかく、場合によっては「買い替え自体が不能」(融資可能額が低すぎて購入できる物件がない)となることもあるはずです。

更には「今の住まいが●●●●万円くらいで売れるはず・・・」と考えていたのに、実際は大幅な安値でしか売れず、買い替えの資金計画が大きく狂ってしまうパターンも少なくありません。

※こうした事態を防ぐため、購入契約に「決済日までに一定の金額で現在の住まいが売れない場合には契約を白紙解約できる」という買い替え特約を盛り込むケースもありますが、売主がこの特約を承諾するケースは稀です。

但し、じっくりと買い替え先の物件を選ぶことが可能ですし、売却に苦戦しても「住む処がない!」といったリスクは回避できますから、取引の安全性と当事者の満足度を考えれば「最上の方法」とも言えるでしょう。

購入先行型のメリットまとめ
  • 気が済むまで、購入物件を選ぶことができる
  • 仮住まいをせずに済む
購入先行型のデメリットまとめ
  • 売却価格によっては資金計画にブレが出る
  • 残債がある場合、2重に住宅ローンを返済しなければならない
  • 残債と収入の状況によっては購入先行自体が不可能

売却先行型・購入先行型のどちらを選択するべきか

さてここまで、マイホーム買い替え時に選択しなければならない「売却先行」「購入先行」の2つのパターンについて解説してまいりました。

前項の解説をお読みくだされば、それぞれのパターンの利点・問題点をご理解いただけたことと思いますが、実際にご自身が買い替えをする際に「どちらの方法を選べば良いか」と問われれば、未だに頭を抱えてしまう方も多いはずです。

そして、この二者択一を行う上で不動産業者としてまず申し上げたいのは「資金的な余裕がある方は購入先行がお勧めである」ということになります。

このようお話をすると「えっ?購入先行にもそれなりのデメリットがあるのでしょ?」と思われるかもしれませんが、時間的な制限があることによって生じる『不本意な物件を購入せざるを得なくなる可能性』や『仮住まい』のリスク(引っ越しが2度必要となる)に比べれば遥かにマシなはずです。

但し、「何よりも資金面が一番問題!」という方については、まず『現在お住いの物件がいくらで売れるのか』が確定しなければ新規購入へと駒を進めることができませんから、リスキーな売却先行型を選択せざるを得ないのが実情でしょう。

ちなみにここで気になって来るのが、「果たして自分は購入先行型で買い替えが可能なのか?」という点かと思いますので、次項では購入を先行する際に欠かすことのできないローンの問題について解説して行くことにいたします。

買い替え時の融資

では早速、買い替えをする際には是非知っておいていただきたい2つのローンについて解説を始めましょう。

買い替えローン

その名が示す通り、買い替えを目的に各金融機関が用意している金融商品が「買い替えローン」と呼ばれるものです。

このローンは現在住んでいるマイホームの残債を返済する資金と、新たに購入する物件の購入に必要な資金を一本化して借り入れできるというものになります。

但し、「残債務が多過ぎる」という方には利用不能な場合がありますし、借入れができたとしても物件の売却に時間が掛かってしまうと『かなりの負担を強いられる(従前の住まいが売れるまで2重にローンを返済する結果となる)』ことになってしまうでしょう。

一方、売却に成功すれば繰り上げ返済によって大幅に債務を減らすことができますから、物件を売りに出す際に相場さえ見誤らなければそれ程のリスクは無いはずです。

なお、買い替えローンを利用する際のコツとしては現在借入れをしている金融機関とは別の銀行も視野に入れて、資金計画を立てて行くこととなります。

銀行もなるべく貸し付けを行いたいのが本音ですから、複数の銀行を天秤に掛ければ、より有利な融資条件を引き出すことができるでしょう。

つなぎ融資

続いてご紹介するのが、「つなぎ融資」と呼ばれるものです。

つなぎ融資と言えば、土地を購入して新築を建てる際などに一時的に建物代の融資を受けること(建物が未完成の場合には抵当権の設定が不能であり、正規の融資が受けられないため仮の融資が行われること)を指しますが、買い替えにおけるつなぎ融資は全くの別物となります。

では、「買い替えでのつなぎ融資とは何なのか?」ということになりますが、簡単に言えば『現在住まう物件の売却を前提に、一時的な融資が受けられる金融商品』ということになるでしょう。

もちろん一時的な(つなぎ的な)融資となりますから、売却物件が売れたら直ちに返済を行わなければなりませんし、金利もお高いものとなりますが、資金的にそれ程余裕がない方が購入先行を選択する際には非常に心強いローンとなります。

なおこちらの融資、その殆どが金融機関が用意する正規の金融商品ではなく、不動産会社と銀行が提携して提供する特殊なサービスとなっており、

一定期間内に物件が売れない場合には、不動産会社が提示する買取り価格にて売却を行って、その代金で返済をしなければならない特約が付加されているのが通常です。

こうした特色から「結果的に物件を買い叩かれてしまうだけ!」などといった解説がなされているサイトをよく見掛けますが、過去記事「建売の後悔しない選び方を解説いたします!」でもお話しした通り、

現在は一般の買い手よりも建売業者の方が物件を高く買う時代ですから、「つなぎ融資を利用して大損をした!」ということは殆どないのが実情でしょう。

ちなみに融資という形態を採らずとも、単なる「買い取り保証付きの買い換えプラン」を用意している不動産業者も少なくありませんので、借入れに抵抗があるという方には、こちらをお勧めいたします。

※「買い取り保証付きの買い替えプラン」とは一定期間が経過しても旧物件に買い手が現れない場合に、不動産会社が一定の価格で買取りを行う保険的な条件が付されたプランとなります。

スポンサーリンク

買い替えケーススタディ

ここまでの解説で、マイホームの買い替えに関する基礎知識は充分に身に付けていただけたことと思いますので、本項では2つの具体的なケースを挙げて「買い替えの流れ」を見てまいりましょう。

残債のボリュームが大きい売却先行型の買い替え

Aさんは、3000万円の残債がある戸建てを売却して、4000万円の分譲マンションの購入を検討しています。(自己資金は無し)

なお、このケースで購入を先行するには「7000万円の資金を買い替えローンで調達する」か「つなぎ融資を利用する」しかありません。

しかしながら、7000万円の買い替えローンは銀行に断られてしまった上、現在住まう戸建ての評価が低いため、つなぎ融資等の利用も困難な状況です。(但し、現在の住まいが売れれば、マンション購入用に4000万円の住宅ローンを組むことは可能です)

こうした状況となれば「購入先行は諦める」しかありませんので、「売却先行型」へと切り替えてまずは現在の家が3000万円超で売れるのをじっと待つことにします。

そして、上手く購入希望者が現れましたので「売却の売買契約」を締結しますが、ここから購入物件を探すことになりますので、引渡し期間をなるべく長く設定(最長でも3ヶ月程度)した上、引渡し猶予特約(売却の決済後も引越しまで数日猶予をもらう特約)も付加します。

※売買契約締結時の注意点などについては別記事「不動産売買契約の注意点や流れを解説いたします!」をご参照ください。

さてここからは、全力で購入物件を探すことになりますが、気に入った物件はあるものの引渡しの条件が折り合わず、思わぬ苦戦を強いられます。

最初に「これぞ!」と思った物件は売却を急いでいるため、1ヶ月後の引渡しが希望とのことです。

そこで仲介業者を介して、売却契約の買主へ「引渡しを前倒しして欲しい旨」を相談しますが、『どうしても早期の引渡しは難しい』とのことなので、この物件の購入は諦めることになりました。

また、次に見つけた物件は引渡しが半年後という条件付きであり、3ヶ月程の仮住まいを余儀なくされることになりますが、短期で借りられる賃貸物件は数少ない上、仲介手数料に家賃、引越し費用などが掛かることを考えると、この物件の購入も諦めざるを得ない状況です。

このような状況の中で時は流れ、気がつけば売却契約締結後2ヶ月の期間が経過し、引渡しまでのタイムリミットが残り1ヶ月に迫ったところで、ようやく購入可能な物件の発見に成功します。

但し、当初希望していた条件の内、「駅徒歩5分以内」「24時間ゴミ出し可」という2点については妥協を余儀なくされてしまいましたが、この時間制限の中では『致し方なし』といったところでしょう。

さて、購入物件が見付かれば今度は購入の売買契約を締結することになりますが、引渡し日については「マイホーム売却の決済日の2日後」に設定することができました。

そして決済日が近付いて来たなら、新物件購入の際の登記費用の減税を受けるため、引っ越しに先行して住民票を移動しなければなりません。

一方、自宅売却の決済に際しては今の住所での印鑑証明が必要となりますので、住民票を移す前に必要な部数の印鑑証明を取得するようにしましょう。(印鑑証明の有効期限は3ヶ月となりますので、あまり早く取得するのはNGです)

こうして売却物件の決済日を迎えれば、通常通り残代金の受け取りと所有権移転登記を行うことになりますが、引渡し猶予の特約により7日間は現在の住まいに居住を継続できます。

※別記事「不動産決済日の流れについて解説いたします!」では、決済時に持ち物や当時の流れについて詳細な解説を行っております。

なお、この決済によって売却物件の住宅ローンは完済できますので、これにてようやく物件購入に向けての新たな融資を受けることが可能となるのです。

ちなみに3日後に「新居の決済・引渡し」を終えたら直ぐにでも引っ越しを済ませ、猶予してもらった『現在の住まいの引渡し』を行わなければなりませんので、荷物の片付けなどこの時期は非常に多忙となるでしょう。

購入先行型で買い取り保証を利用した買い替え

Bさんが現在住まう物件の住宅ローン残債は2000万円であり、新たに購入しようと考えている物件については5000万円くらいの価格を想定しています。

そこで残債と新規物件購入資金を合わせた7000万円の買い替えローンを利用しようと考え、借入先の銀行に相談を持ち掛けてみますが毎月の返済額20万円近くとなってしまうため、買い替えローンの利用は断念することにしました。

こうして資金計画は立たない状態ながらも物件探しだけは継続していたBさんでしたが、ある日、5500万円の新築建売り物件の広告を目にし、この物件に一目惚れしてしまいます。

そして販売を任されている仲介業差に問い合わせてみたところ、提携している金融機関の「買い替え用つなぎ融資」を利用すれば、直ぐにでも売主は購入の売買契約を締結してくれるとのことです。

但し、ローンシュミレーションを行ってみると月々の返済額は23万円以上となり、現在住まう物件の売却が完了すれば支払いが一気に楽になるとはいうものの、買い替え用つなぎ融資の利用にもあまり気乗りしません。

そのような状況の中、仲介業者からは現在の住まいの売却を済ませてから、建売を購入する「売却先行型」の買い替えを勧められましたが、購入者を探している間にお気に入りの物件に別の買い手が現れる可能性を考えると、このプランも承諾しがたいものがあります。

こうして決心が付かずにいる中、売主の戸建て分譲業者より、「買い取り保証を付けた購入の売買契約を締結しないか」との提案を受けます。

なお、詳しく提案の内容を確認してみると

  • 新築建売物件を購入する契約を締結する
  • 引渡しまでの期間は3ヵ月とする
  • この3ヵ月間は自由に現在の住まいの売却活動が可能
  • 3ヵ月後に売却先が見付かっていない場合には、現在の住まいを売主の戸建て分譲業者が2000万円で買い取ることになる

いったものでした。

現在の住まいの買取り価格が2000万円というのは安過ぎるように思えますが、3ヶ月間は自由に売却に向けての活動が可能ですから、この間により高値での購入希望者が現れる可能性はゼロではありませんし、住宅ローンの返済額を増やさずに確実に新居を購入できることにBさんは非常に大きなメリットを感じたので、この申し出を受け入れることにします。

そして、3ヵ月の間に見事2200万円での購入希望者を発見することに成功し、無事に購入先行型の買い替えを成し遂げることに成功するのでした。

ちなみに近年では、買い替えを行う際にリースバックを利用するという手法も注目されつつあります。

リースバックについての詳細は別記事「リースバックとは?不動産の新たな売却手法を解説いたします!」にて解説しておりますが、簡単にご説明すれば、自宅を売却して売買代金を受け取った後も、買主と賃貸借契約を締結することで自宅への居住を継続することのできるプランとなります。

もちろん、売却金額は通常の場合よりも低くなり、毎月の賃料の支払いも発生することになりますが、住宅ローンの支払いがなくなる上、時間制限なしでじっくりと買い替え物件を探すことができる点には大きなメリットがあるでしょう。

 

このように買い替えの取引においては、希望者の財務状況や現在の自宅の価値、購入したい物件のクラスによって様々なパターンが存在しており、状況に応じて柔軟な対応を行っていく必要があります。

また、一般の方がこうした状況判断を自分で行うのは「かなりしんどい作業」となりますから、経験豊かで信頼のおける不動産業者のアドバイスを聞きながら、一歩一歩ゴールを目指して行く必要があるでしょう。

なお、不動産売買の流れについて更に詳しく知りたいという方は、別記事「不動産売却の流れについてご説明いたします!」および「不動産購入の流れについて解説します!」にて詳細な解説しておりますので是非こちらもお目通しください。

買い替えと税金

では最後に、「買い替えに係る税金」と「減税制度」について解説してみたいと思います。

買い替えを行うということは、一度自宅を売り払うことになりますから、一時的とは言え「大きな資金が懐に入って来る」ことになるはずです。

もちろん「売った時の価格」が「買った時の価格」を下回っていれば所得税を納める筋合いはありませんが、そうでない場合には税金を納める必要が出て来ます。

また、新たに購入した物件で住宅ローンを組み直すのであれば、「再び住宅ローン控除が利用できるのか?」といった疑問も浮かんで来ますから、買い替えと税金のお話は切っても切れない関係にあると言えるでしょう。

そして買い替えに際して、是非とも覚えておいていただきたい減税制度が下記の5種となります。

  • 3000万円控除
  • マイホーム売却時の軽減税率
  • 買い換え特例
  • 売却時に損失が出た場合の特例
  • 住宅ローン控除

まず、3000万円控除はその名の通り「売却時の譲渡所得から3000万円を控除することが可能となる制度」となります。

一方、マイホーム売却時の軽減税率は本来20%の所得税率(長期保有の場合)を「約14%まで下げる」ことができる減税制度です。

そして、この「3000万円控除」と「マイホーム売却時の軽減税率」は併用が可能となっていますので、買い替えに際しては非常にありがいたい優遇制度となるでしょう。

また、買い換え特例は「購入した物件の価格が売却価格を上回る場合に、売却の譲渡所得税を免除(実際には課税の繰り延べ)してくれる制度」となります。(但し、3,000万円控除・軽減税率との併用は不可)

なお、売却時に損失が出た場合の特例においては「対象年度の所得税から損失分の控除が可能」となりますので、想定していた価格で物件が売れなかった際に役立つ制度となるでしょう。

※「3000万円控除」「マイホーム売却時の軽減税率」「買い換え特例」「売却時に損失が出た場合の特例」の詳細については「不動産譲渡時の税金控除をまとめてみます!」の記事をご参照ください。

ちなみに住宅ローン控除についても別記事「住宅ローン控除とは?適用条件や注意点を解説します!」にて詳しい解説を行っていますが、

「住宅取得から10年の間(消費税10%となってからは13年間)、年末のローン残高から一定の割合を控除することができる制度」となっています。

ところで以前は、「3,000万円控除」と「住宅ローン控除」は一定の条件下で併用が可能となっていましたが、現在は法改正によって併用不可となっている点にご注意ください。

スポンサーリンク

不動産の買い替えまとめ

さてここまで、マイホームの買い替えについて解説を行ってまいりました。

買い替えというと、非常に複雑な取引であるような印象を持たれるかもしれませんが、こうしてじっくりと内容を解説して行くと『それ程には煩雑なものではない』ことがご理解いただけたことと思います。

但し、ちょっとした油断したばかりに仮住まいを余儀なくされたり、スムーズな買い替えが不能になってしまうケースも少なくありませんから、「恐れる必要はないが、決して気を抜くこともできない」というのが実情でしょう。

ネットを検索すれば買い替えについて様々な解説を行ったサイトを見掛けますが、「どれも今一つわかり辛い」とのご意見を耳に致しましたので、今回は敢えて買い替えに関する記事に挑戦してみました。

この記事が皆様の買い替え取引の一助となれば、管理人にとって望外の喜びです。

ではこれにて、「不動産の買い替えの流れや手順について解説いたします!」の知恵袋を閉じさせていただくことにいたしましょう。