「長年暮らしてきた自宅を手放す!」

「一生の住処となるマイホームを探す!」

こうした決断は「今後の人生を左右する」といっても過言ではない、非常に重大なものとなりますよね。

そして、こうした勇気と思い切りが必要な行動をとるのに欠かせない存在となるのが、不動産業者という職種の者たちです。

なお、インターネットを検索すれば様々な不動産業者のホームページを見付けることができますが、大切な自宅の売却やマイホーム探しの依頼をするのに「一体どの不動産会社に任せるべきか」を考え始めると、答えはなかなか出てきませんよね。

そこで本日は、マイホーム探しの際に依頼を行う不動産会社の選び方(購入時)についてお話をしてみたいと思います。

不動産会社を選ぶ

 

不動産屋にも様々な業態がある

一口に不動産業者といってもその業態は様々であり、行う取引の種類によって得手・不得手があるのが現実です。

例えば、賃貸管理を専門にしている業者は「売買に精通している可能性は低い」でしょうし、同じ売買メインの会社でも「不動産投資物件を専門に扱っている業者ではサービスに行き届かない点も出てくる」かもしれません。

よってまずは、自分の目的にあった不動産業者を選ぶことこそが「不動産会社探しの第一歩」となりますので、売買仲介に際して選ぶべき『不動産業者の業態』を以下でご紹介してまいりましょう。

 

大手不動産仲介業者

不動産会社を探すにあたり、まず思い付くのが「大手不動産業者の看板を背負った仲介会社」なのではないでしょうか。

これらの不動産会社は、テレビCMもバンバン流していますし、大きな駅の周辺ではその店舗を見掛けることも少なくないはずです。

そしてこれらの業者は「仲介業務専門の会社」となりますので、『売却に際しても、購入に際しても、優れたパフォーマンスを発揮できる業者』といえるでしょう。

なお、優れたパフォーマンスを発揮できる理由としては、これらの業者が「大手不動産会社」という絶大なネームバリューを有しているがために、兎にも角にも「こなす取引の件数が膨大」であり、経験不足によって引き起こされる取引上の事故を回避できる可能性が高いと考えられるからです。

また多くの場合、大企業がバックに付いていますから、「取引上の事故が発生した際の保証も充実していそうだし、社員教育も行き届いているイメージがある」というのが、こうした大手会社の人気の秘密であるとは思いますが、実は少々注意が必要な点もあります。

まず知っておいていただきたいのが、先程も申し上げた通り「これらの大手仲介会社は大手不動産会社の子会社であることが殆ど」ではありますが、場合によってはフランチャイズに加盟した別会社が看板だけ借りて営業しているというケースもありますので、「大手の名前が付いているから安心」とは一概に言えない部分もあるという点です。

更に、不動産の仲介には定型のマニュアルなど存在しませんから、新人社員は先輩の仕事を見なが自力で実力を付けていくしかありませんので、たとえ大手企業であっても社員のクオリティーにはかなりのバラ付きが生じてしまいます。

ちなみに、「大手の不動産仲介会社は、社員も一流大学を卒業したエリート揃い」というイメージがあるかもしれませんが、これも大きな間違いです。

仲介会社は離職率も非常に高いため、『門戸を広くし、仕事のできる社員だけが残ればよい』という気風が多くの会社にありますから、就職情報誌等を見て採用試験を受けた中小不動産会社の元社員や、全く別の職種から流れて来た者も数多く在籍しているのが実情となります。

もちろん、大手の仲介業者の営業マンの中には素晴らしい人格とスキル、そして豊富な取引経験を持った方も多いですし、冒頭で述べた大手ならでは安心感があることも確かですが、「質の悪い営業マンが混じっている可能性がある」ことは忘れないようにしていただきたいと思います。

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住宅販売系(住販系)の不動産業者

「住販系」という言葉は耳慣れないかもしれませんが、一言でいえば「大手ではない仲介専門の会社」ということになります。(住販系でも、ある程度規模の大きな会社は存在しますが)

そして、これらの会社は駅前の繁華街などに店を構え、事務所の内装もオシャレでスタイリッシュなケースが多いようです。

業態としては、大手不動産業者と変わらない仲介専門の会社となりますが、大手とは異なり「売り依頼」より「買い依頼」を受けることの方が圧倒的に多いのが、住販系会社の特徴といえるでしょう。

よって、これらの会社の社員たちは売物件情報の収集に日々駆け回ることになりますので、未公開物件を含む物件の情報量や、より良い条件の住宅ローン借入れ先などに関する知識は豊富に持っているはずです。

その一方で、売却に関する取引経験とスキルについては、やや不安の残る営業マンも多い傾向にありますので、売却依頼については少々慎重な判断を下す必要があるでしょう。

 

建売がメインの不動産業者

建売がメインの不動産業者とは、土地の仕入れを行て新築建売物件を建築し、これを売却することを生業とする、所謂「建売屋さん」と呼ばれる不動産業者(戸建てデベロッパー)のことです。

但し、本項で解説するのはテレビCMなどを行っている大手の建売メーカーではなく、地域に密着した中小規模の企業が主なターゲットとなります。(大手デベロッパーは仲介業務を行っていない会社が殆どです)

これらの建売屋さんは「原則として購入希望者の集客を目指していない」ため、駅から離れた場所やビルの一室などにオフィスを構えるなど、目立たず地味な店構えの業者が多いようです。

先程もお話しした通り、この手の不動産会社は建売の分譲が本業となりますが、「マイホームを購入したい」というお客様がいれば、売買仲介も請け負ってくれるケースが多いでしょう。

一方、「家を売りたい」という場合には「より安く買おう(より安く土地を仕入れたい)」という思惑から、物件の査定価格を安めに提示してくる可能性もありますので注意が必要です。

さて、こんなお話をすると「どうして、わざわざ建売屋さんに仲介の依頼をしなければならないの?」という疑問をお持ちになられる方も多いかと思いますが、

建売屋さんは土地の仕入れから建物の建設、販売まで一手にこなしますから、仲介を専門とする会社以上に「不動産に関する知識の蓄積」があります。

※但し、分譲する物件の販売については、土地を買わせてもらった売買仲介会社に一任しているパターンも多い。(土地を紹介してもらったお礼として、販売を一任して仲介手数料を稼がせるのが目的ですが、当然建売屋さんも売主として販売には携わることになります)

よって、取引上のトラブル回避能力や土地・建物の瑕疵を発見するスキルについては、他の業態の会社を上回るスペックを有している可能性が高いという訳です。

また更には、建売屋さん自身が現在分譲している物件があり、これを購入するのであれば「仲介手数料を支払わずに物件を入手できる可能性」もあります。

但し、売物件情報の収集能力については「仲介専門の業者に及ばない」というのが実情ですので、この点は理解した上で付き合っていくべき業者となるでしょう。

 

このように不動産会社には様々な業態がありますので、「自分が望む取引において、最もその実力を発揮できそうな企業を選択すること」が最も重要となります。

そしてこれまでの解説を総合すれば、

  • マイホームの購入・・・住宅販売系(住販系)の不動産業者、または大手不動産仲介業者
  • マイホームの売却・・・建売がメインの不動産業者、または大手不動産仲介業者

といった不動産会社の選択をするのが望ましいのではないかと思います。

なお、不動産会社の業態を絞り込んだとしても、実際に担当となったのが『建売屋さん出身の大手会社営業マン』や、『住宅販売系出身の建売営業マン』などといった経歴の持ち主であった場合には、個々に得意とするジャンルも変わってきますので、この点にはご注意をいただければと思います。

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不動産会社を選ぶコツまとめ

さて、ここまで売買の仲介を依頼する不動産会社の選び方についてご説明をしてまいりました。

一口に不動産会社といっても、様々な「業態の違い」があることをご理解いただけたことと思います。

そして、ここでもう一点ご注意いただきたいのが、たとえ同じ業態の会社であっても「クオリティーの差は確実に存在する」という問題です。

たとえ、自分が目指す取引にピッタリの業者を選んだとしても、それが悪徳業者ではまったく意味がありませんよね。

そこで重要となってくるのが「質の良い業者を選別する作業」ということになりますが、こちらは少々ハードルが高いものとなるでしょう。

世間では一般的に、不動産の免許番号などから不動産業者の品質を見分ける手法などが流布していますが、この方法には大きな欠点も存在しています。

また、会社を厳選しても「個々の営業マンの資質の問題」もありますので、そう簡単には最適な仲介のパートナーとは出会えないのが現実でしょう。

但し、ある程度は質の悪い業者を排除する方法もございますので、その詳細については別記事「悪徳不動産会社の見分け方」にて、解説をさせていただきたいと思います。

ではこれにて、「不動産会社を選ぶポイントについて」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。