賃貸マンションの経営や、不動産投資を行う者にとって、「如何に効率良く収益を上げるか?」という点は非常に重大な問題となるはずです。

そして、本ブログではこうした問題を解決するべく、これまでも「不動産投資利回り向上の裏技」「入居者の退去理由から知る、長く住みたくなるお部屋の作り方」、そして「収益物件の空室率低下に役立つ裏技」などをご紹介してまいりましたが、経費の削減も運用益を上げるためには非常に重要なポイントとなるはずです。

そこで本日は「賃貸のセルフリフォームについて解説いたします!」と題して、大家さんが自ら行うプチ原状回復工事の裏技をご紹介してみたいと思います。

賃貸のリフォームを大家さんが

 

自分で出来る工事は意外と多い

収益物件のランニングコストを抑える方法と言えば、「共用部分の電灯をLEDライトに交換する」「太陽光発電システムを導入する」などして共用部分の電気料金を削減するといった方法が一般的ですが、こうした手法は設備投資にコストが掛かる割に『節約効果が微々たるものである』ことも少なくありません。

これ対して、お部屋の入退去に係る費用は「広告宣伝費」に「原状回復工事費用」など数万円~数十万円という多額の経費を一気に放出するものですから、この部分を節約することができれば『賃貸物件の経営状態を大幅に改善することができる』はずです。

そこでご提案したのが、

自分ができる範囲のリフォームは大家さん自身が行い、コストの削減を図るという方法

となります。

このようなお話をすると「クロス(壁紙)の張り替えや、木工事なんて自分ではとても無理!」とお思いになるかもしれませんが、原状回復の工程の中には素人でも施工可能なものが意外にあるものです。

では具体的に、その施工方法を見てまいりましょう。

クロス補修

お部屋の壁紙全体がタバコのヤニなどで汚れている場合には、当然クロスの「張り替え」や「塗装」が必要となります。

しかしながら、クリーニングで落としきれない直径約3cm以下のシミや汚れ、小さな破れに対しては案外簡単に対処が可能ですから、全面張り替えをせずとも済む場合があるのです。

シミ・汚れ

どんなに洗剤などで擦っても落ちないビニールクロスの汚れは、コーキングと呼ばれる隙間埋めなどに使うボンドで目立たなくする方法が有効です。

処置の仕方は、シミの上からコーキング材を塗り付け、指先など軽く叩いたり、撫でたりして周囲の綺麗なクロスと馴染ませるのみとなります。

但し、通常のコーキング材はカラーが完全な「白」となりますので、アイボリーや茶色の入ったクロスに使用すると逆に目立ってしまう場合もあるでしょう。

ちなみにこのようなケースは、便利グッズとしてホームセンターやネット通販で売られている壁紙補修用のコーキング材を利用しましょう。

これらの商品は、市販のクロスにありがちなカラーに色合わせを行ったコーキング材となりますので、色の違いを目立たなくすることが可能です。

また、入居者が空けた画鋲の穴などにも非常に有効な補修方法ですから、是非ともお試しいただければと思います。

破れ

余りに面積の大きな破れや、下地のボードごと穴が開いている場合にはお手上げですが、軽微な破れには、ホームセンターなどで売られている市販のクロスを破れの形カットして、貼り付けるという方法が有効です。

これはプロのクロス屋さんも実際に行っている方法ですから、なかなか見栄えも綺麗に仕上げることができます。

補修のポイントは、現在貼られているクロスと「なるべく模様と色が似ている市販クロスを探して来ること」となりますが、私の経験上「これはちょっと模様が違い過ぎないか?」というものでも意外に誤魔化しが効くものです。

ちなみに管理人はクロスメーカーが無料で配布している「壁紙の見本帳」を取り寄せ、これを切り取りながら補修を行なっています。

なお、切り貼りした継ぎ目の部分については、「シミ・汚れ」の際に使用したコーキング材を塗って馴染ませることで、更に補修の完成度を上げることができるでしょう。

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グリル周りパーツ交換や天板の貼り付け

ルームクリーニングに際して、非常に手を焼かされるのがキッチンのコンロ周りの「焦げ付き」や「錆」となります。

なお、プロのお掃除屋さんでも「焦げ焦げの五徳(ごとく、鍋を支える金輪)やガスの吹き出し口」、そして「システムキッチンのステンレス製の天板」の掃除は思わず溜息が出る程に労力を要するものです。

その上、これらの汚れは完全に除去することが不可能ですから、クリーニング済みであるにも係らず、少々焦げ付いたキッチン周りを見たことがあるという方も多いことでしょう。

さて、このような際におすすめなのが五徳やガスの吹き出し口を新品に交換してしまうという荒業です。

「そんなことが可能なの?」というお声も聞えて来そうですが、余程古い型番のシステムキッチンでない限り、ネットなどで注文すればバラでパーツを取り寄せることが可能となります。

そしてパーツごとの交換であれば、特に技術も必要ありませんから素人の方でも簡単に取り付けが可能なはずです。

また、ステンレス製の天板については、ホームセンターなどで売られているステンレス板などをカットしてもらい、汚れの上から接着剤で貼り付けることで、まるで新品のような仕上がりに見せることが可能となります。

そしてここで注意すべきは、なるべく厚みのない板を使用することと、貼り付けた感を上手に誤魔化すことです。

どうしても厚みによる段差が目立つ時などは、ステンレステープなどで継ぎ目を覆ってしまうのも方法のひとつでしょう。

なお、あまりにコンロに近い部分に貼り付けを行う場合は、通常の接着剤ではなく耐熱性の接着剤を使用するのがおすすめです。

これにより、ガスコンロの熱で接着剤が発火したり、剥がれしまうのを防ぐことができます。

ベニア板やキッチンパネルを貼り付けて傷や汚れを隠す

前項にて「ステンレス板の貼り付け」という方法をご紹介しましたが、こうした部材の貼り付けはプチセルフリフォームにおいて非常に有効な手法となります。

例えば収納内部の壁や底盤にできた広範囲に及ぶ汚れや傷については、ベニア板やキッチンパネルをカットして、接着剤で貼り付けてしまうことで簡単に隠すことが可能です。

なお、施工のコツとしてなるべく薄めの部材を剥がれないようにガッチリと固定することと、お部屋のアクセントクロスのように壁や底盤の一面に丸々部材を貼り付けてしまう点となります。

障子や襖の貼り替え

和室のある物件においては、原状回復工事において障子や襖の貼り替えが必要となるケースが多いはずですが、こちらもセルフリフォームにて十分に対処が可能です。

昭和の時代には各家庭で年末の大掃除の一環としてにこれらの作業を行うのは当たり前のことでしたから、動画サイトなどを参考に何度か練習すれば素人でも美しく貼り替えができるようになります。

ちなみに網戸の貼り替えも自分で行える工程の一つとなりますが、障子や襖に比べるとかなりハードルが上がりますので、じっくりとトレーニングを積んでから挑戦するのが得策でしょう。

クリーニング・ワックス掛け

ルームクリーニングは、最も素人が行い易い原状回復工事の一つです。

大家さんの中には、クロス交換などは業者に任せても、掃除だけは自分でやるという方も少なくありません。

しかしながら、掃除のクオリティーは「やり方によって相当な差」が出ますから、中途半端な掃除をするくらいならプロの任せるべきでしょう。

なお、管理人がプロのお掃除屋さんから習った掃除の技術を「賃貸のクリーニングは大家の手で行おう!」という記事にまとめていますので、具体的な方法はそちらでご確認ください。

フローリング補修

フローリング補修は、補修士と言われる専門技術を持った方々が請け負っている仕事であり、彼らに依頼をすれば日当で3万円~5万円という高額なコストが掛かる工事です。

ちなみに、その工事内容はワックスと呼ばれる補修材を傷に流し入れ、その後、筆で木目を描いていくと言う作業となり、「一種の職人技」であるため値段が高いのも致し方ないことだと思います。

なお、ホームセンターなどには素人向けのフローリング補修用キットなどが売られていますが、こちらはどんなに練習しても「美しく仕上げることは困難」ですから、手を出さない方が無難でしょう。

そして実は私、このプロ用のフローリング補修の技能習得者であったりします。

数日間の有料の講習を受け、それなりの値段がする補修キットを購入しなければならないのですが、現在では自社で管理している物件の床をバンバン補修し、かなりのコスト削減を実現させています。

なお、フローリング補修に関しては少々長い説明となりますので別記事「賃貸フローリング補修を大家自ら行おう!」にて、詳しく解説させてください。

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大家さんのリフォームまとめ

さて、ここまで大家さんが自分でできるリフォーム工事について、ご説明をしてまいりました。

今回ご紹介した方法は、全く技術が無い方でも施工できるものばかりとなりますが、近年ではDIYなども流行ですから、その気になればクロスの張り替えなども、大家さんが自ら技術を習得することも不可能ではありません。

そして、そこまでのスキルを身に付ければ「原状回復工事に殆ど経費が掛かることが無くなる」でしょうから、更に不動産投資のコスト削減が可能となるはずです。

よって、こちらの方面にご興味がお有りの方は本格的な「DIY大家さん」を目指してみるのも面白いかもしれません。

ではこれにて、「賃貸のセルフリフォームについて解説いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。