私たちが日々の生活を送るにあたって、電気や水道、ガスなどは「欠かすことのできない設備」と言えるでしょう。

そして、これまでも本ブログでは水道管のサビ対策鉛管の問題などについての記事をお届けしてまいりましたが、物件の維持管理を行う上で忘れてはならないのが排水管のメンテナンスとなります。

なお、水道と比べると「下水はそこまで重要な設備ではないように思う」という方もおられるかもしれませんが、水道から出た水を処理できなければ『あっという間に部屋は水浸し』になってしまいますから、下水と水道は正に表裏一体のライフラインとなっているのです。

そこで本日は「高圧洗浄!排水管のメンテナンスについて解説いたします!」と題して、収益物件のオーナー様や分譲マンションの組合関係者の方、そして一戸建てにお住まいの方にも大いに係わりのある『配水管の洗浄』についてお話ししてみたいと思います。

高圧洗浄!排水管

 

配水管にもメンテナンスは必要!

冒頭にて、「建物の排水管洗浄は非常に大切なものである旨」をお話しいしましたが、読書の方の中には「だからと言って、焦ってやる程のことでもないのでは?」などというお考えをお持ちの方も多いことでしょう。

しかしながら、長年排水管の汚れを放置しておくと突然配管から漏水が発生することもありますし、その復旧に当たって膨大な費用を要することも珍しくないのです。

そこでまずは、「何故排水管の洗浄が必要なのか?」という点から解説を始めてまりましょう。

さて、一口に排水管と言っても、家の中には様々な排水設備があるものです。

キッチンのシンクに洗面台、トイレにお風呂場、洗濯機置き場など、その数はかなりのものとなりますし、それぞれの排水口から実に様々なものが下水に流れ込んで行きますよね。

そして、髪の毛に垢、食器洗いで洗剤と共に流れ出した油等が毎日のように排水管を通過していると、次第にこれらが凝固し始めて「汚れの塊」とも言うべきものが配管内に生み出されることになります。

また、これらの汚れの塊が生じることで配管内には「ゴミが溜まりやすい箇所」ができてしまいますから、この状態を何年も放置してしまえばやがては水が流れない状況となってしまう訳です。

なお、このようなお話をすると「たとえ配管が詰まっても、排水口から逆流してくるだけでしょう?」と思われる方も多いかもしれませんが、排水管は経年劣化によってひび割れ等が生じることも少なくありませんし、

配管のタイプによっては、新品であっても「接合部分に通常とは異なる方向の圧力が掛かる」ことによって隙間が生じてしまうことがありますので、一気に漏水のリスクが高まることになります。

ちなみに漏水が発生すれば下の階には下水の水が降り注ぐこととなり、分譲マンションの専有部分でこれが起これば「下階の方への補償問題」に発展することになるでしょうし、収益物件であればオーナー様にその責任が降り懸かって来ることになるのです。

更に下の階が事務所や店舗の場合には、営業保証として多額の賠償金を請求されることだってありますから、これば正に由々しき問題と言えるでしょう。

一方、漏水箇所が1階の場合には直ぐに問題となることはないかもしれませんが、流れ続けた汚水は建物の下の地面を浸食し続け、やがては地盤沈下などの惨事を招くこととなります。

※漏水による地盤沈下についての詳細は過去記事「地盤沈下は下水が原因?という体験記をお届け!」をご参照ください。

このように排水管の詰まりは非常に厄介な問題を引き超すリスキーな代物でありますし、あまりに「詰まりの度合い」が激しい場合には配管自体を新しいものに交換しなければならいケースも出て来ます。

そして下水の配管は床下や壁の内部に張り巡らされている上、部分的な交換も困難となりますから、その工事は「規模も費用も非常に大きなもの」となるのです。

 

配水管洗浄には様々な工法がある!

前項の解説にて、排水管洗浄が如何に重要な作業であるかはご理解いただけたことと思いますが、一口に「配管を洗浄する」と言ってもその方法には様々なものがあります。

ワイヤーにブラシを取り付けた器具で配管内の汚れをこそげ落とす方法や、薬剤を管内に流し込んで汚れを分解して除去する工法、そして変わったところでは圧縮した空気を噴射して汚れを落とすものまで、そのバリエーションは実に多種多様です。

但し、工法によっては施工費が非常に高額となるものもありますし、反対に費用は安いが「効果の程もいまひとつ」というケースもあります。

また、配管に高い圧力が掛かる工法では、逆に管を傷付ける結果となり「漏水の原因」となってしまうことさえあるのです。

そして数ある工法の中でも、最もポピュラーなものとして人気を博しているのが「高圧洗浄」と呼ばれるものとなります。

その名の通り、「高い水圧を掛けた水流を利用して管内の汚れを除去する」というこの工法は施工費用もお手頃な上、抜群の洗浄力を誇りながらも配管に与えるダメージもそれ程ではないため、今や配管の洗浄と言えば「高圧洗浄」と言われる程に広く普及しているのです。

なお、マンションなどにお住まいですと「年に1回は高圧洗浄の作業員が回って来る」という方も多いかと思いますが、自分の部屋で行われる作業内容は把握していても『共用部分で彼らが何をやっているかは全く知らない』というケースも少なくないことでしょう。

更に、戸建てにお住まいの方については「そもそも1度もメンテナンスをしていない」という人も多いでしょうから、次項では高圧洗浄の作業内容について解説して行くことにいたします。

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高圧洗浄の手順

前項でもお話しした通り、高圧洗浄は高い圧力をかけた水流で配管内の汚れを落とす工法となりますが、これを行うためには様々な器具が必要となります。

「水に圧力を加えるための装置」に「配管内に水を送り込むための長いホース」、狭い配管内にスムーズにホースを送り込むための「ワイヤー付きノズル」などが、その主な物となるでしょう。

よって通常は、こうした装備を全て備えた「高圧洗浄車」と呼ばれる特殊車両が利用されますから、施工に当たっては駐車スペースの確保が不可欠となります。

さて実際の清掃の手順ですが、マンション等の共同住宅でも一戸建てでも、下の階にある排水口から順番に作業を進めて行くのが一般的なパターンとなります。

なお順序としては、上の階から作業を行う方が効率的であるようにも思えますが、上階から作業を行ってしまうと剥がれ落ちた汚れが1ヶ所に集中して『配管の詰まり』を引き起こす可能性がありますので、これを避けるためには下から上に作業を進めて行くしかないのです。

そして個々のお部屋においては、キッチン・洗面台・風呂場・洗濯機防水パンの排水口にノズル付きホースを挿入して、清掃が進められて行きます。

ちなみにトイレ(汚水管)の洗浄は行われないのが通常ですが、これは汚水管の口径が他の排水管より太く出来ているため、詰まりが発生する可能性がほぼ無いことがその理由です。

但し、異物を流すなどしてトイレに詰まりが発生した場合には洗浄を行わざるを得なくなりますが、その際には便器自体を取り外す必要がありますから「作業はかなり大掛かりなもの」となるでしょう。

また近年流行しているドラム式洗濯機は、サイズが大きいために排水口が目視できない設置状態となってしまっていることが多い上、その重量もかなりのものとなるために動かすことは困難であり、結果的に高圧洗浄が不能となるケースも少なくありません。

こうして下の階から上階に向けて各戸の清掃が完了すれば、仕上げに敷地内の枡(下水の点検口)を清掃して高圧洗浄の作業は終了となります。

 

知っておくべき高圧洗浄の知識

これまでの解説をお読みくだされば高圧洗浄作業の概要はおおよそご理解いただけたことと思いますが、実はまだまだ「知っておくべき知識」がありますので以下で解説をしてまいりましょう。

配管清掃と法律

分譲マンションの中には年に1回どころが、2回、3回と高圧洗浄が行われる物件がありますので、こうした物件にお住いの方の中には「配管洗浄は法令で定めらたものである」とお考えの方も多いようですが、実は法律上、配管洗浄の義務はありません。

但し、対象物件がオフィスビルなどの場合には、ビル管理法という法律によって配管洗浄が義務付けられているケースもありますので、ビルオーナー様については注意が必要となります。

なお、ビル管理法が適用されるのは特定用途の面積(店舗部分など)が3000㎡以上となりますので、一般的な規模のビルではまず問題となることはないでしょう。

一戸建ての配管洗浄

一戸建てにお住いの方の中には「高圧洗浄なんてマンションだけのお話でしょ」などとお考えの方も多いようですが、配管の詰まりのリスクは「一戸建てでも変わりなく発生する」ものとなります。

もちろん、たとえ漏水が発生しても「被害が及ぶのは家族だけ」ということにはなるでしょうが、1階の漏水が長年放置された場合などには『建物自体が不等沈下を行う可能性』もありますので、最低でも数年に1度は高圧洗浄を行うべきです。

古い建物では慎重な施工を

高圧洗浄は配管に与えるダメージも「それ程大きくない」と解説いたしましたが、作業の対象が築40年、50年という古い建物となれば少々お話しも変わって来ます。

なお実際、数百件の高圧洗浄を行うと何件かは漏水事故が発生すると言われていますから、下水管が劣化した築年数が古いお宅で作業を行う場合には十分な注意が必要です。

そして、このようなケースにおいては事前にファイバースコープによる配管調査を行い、管内の劣化状況を確認することをお勧めいたします。

ちなみに高圧洗浄業者の中には配管内を確認するための内視鏡を用意している会社も少なくありませんし、中には調査費用が無料の会社のありますので、こうしたサービスは大いに利用するべきです。

また、万が一にも漏水が発生した場合に備えて、高圧洗浄のみならず配管工事の技術も持っている施工業者を選ぶことも重要でしょう。

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高圧洗浄!排水管のメンテナンスまとめ

さてここまで、高圧洗浄と排水管のメンテナンスというテーマで解説を行ってまいりました。

多くの人が飲み水や水道の水質にはこだわっている反面、下水については「何も考えていない」という方が少なくないようですから、この機会に是非ご自宅の高圧洗浄をご検討いただければ幸いです。

また過去の記事においては「水道はビルの血管とも呼べる重要な設備である」というお話をいたしましたが、水道が動脈に例えるならば下水は静脈ということになりますから、

普段から「流れに異常はないか?」「異臭が上がって来てはいないか?」など、その異変に常に注意を払うことが建物の健康を維持する上で非常に大切なこととなるでしょう。

ではこれにて「高圧洗浄!排水管のメンテナンスについて解説いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。