温泉旅館などに宿泊してのんびりと過ごしていると「このまま一生ここで生活したいなぁ・・・」などという想いに駆られるものです。

しかしながら、現実を考えれば『そんな夢が叶うはずがない・・・』と生まれたばかりの想いを打ち消してしまう人が殆どとなるでしょうが、世の中には『温泉旅館を購入して、悠々自適なリタイア生活を送っている』という方々もいらっしゃいます。

そこで本日は「温泉旅館を購入して、素敵なリタイア生活を送ろう!」と題して、旅館オーナーとなってリタイア生活をエンジョイする方法についてお話ししてみたいと思います。

温泉旅館を購入

 

温泉旅館の購入について

さて、冒頭でのお話を聞いて「本当に温泉旅館を買うことなどできるの?」と思われた方も多いことでしょうが、これは決して無理なお話ではありません。

もちろん、有名な温泉地の旅館を購入しようとすればかなりの予算を必要といたしますし、金融機関から購入資金の融資を受けるにしても、一筋縄ではお話はまとまらないはずです。

しかしながら少々交通の便が悪い温泉街や、近隣にこれといった観光地がない旅館に関しては、その価格は非常にお手頃なものとなっており、近年の新型コロナウイルスの感染拡大によって廃業に追い込まれた物件などが多数流通しているのです。

こうした物件であれば手持ちの資金で物件を購入することも夢ではありませんし、現在都心の地価は非常に高騰していますから、現在のマイホームを売却した資金で温泉旅館を購入するという方法もあるでしょう。

また、FIREを実現された方であれば、不労所得を得ながら趣味で温泉旅館を経営するというのも一興であるかもしれません。

但し、早期リタイヤで田舎暮らしを実現された方の中には「夢にまで見た田舎暮らしのはずが、全く楽しくない・・・」という理由で再び都会へ戻って来る者も多いと聞きますから、無計画に温泉旅館を購入しても素敵なリタイア生活が送れるとは限らないのが現実です。

そこで次項では温泉旅館購入のメリット、そしてリタイア生活を成功させるためのポイントなどについてお話しして行きたいと思います。

温泉旅館購入のメリット、リタイア生活成功のポイントや注意点

では早速、温泉旅館購入のメリット、リタイア生活成功のポイントや注意点を見てきましょう。

毎日が旅行気分の生活

多くのリタイヤ希望の方が田舎暮らしに憧れて地方に向かいますが、単に戸建てや分譲マンションなどを購入しても「周辺の環境は大きく変わったものの、室内での暮らし自体は都心部にいる時と左程変わらなかった」とおっしゃる方が少なくありません。

その点、旅館を購入すれば多くの客室がありますから、気分によって「様々なお部屋を住み分ける」といった贅沢な使い方も可能となるでしょう。

また、旅館となれば大浴場に露天風呂などの設備はもちろん、お部屋ごとに客室露天風呂が設置されている物件もありますから、心ゆくまで温泉を堪能できるのも大きなメリットとなるはずです。

更に、厨房もプロ仕様の広々としたものが用意されていますから、「本格的に料理を頑張りたい」という方にはおすすめなのではないでしょうか。

来客が迎えやすい

また、地方に拠点を移した方から多く聞かれるお悩みひとつが「都会暮らしの時に仲良くしてくれた友人が全く遊びに来てくれない」というものです。

確かに「訪れるのに移動時間が掛かる」というのも理由のひとつでしょうが、それ以上に問題なのが「たとえ地方に移り住んだとはいっても、そこが個人のお宅であることには変わりない」という点でしょう。

実際、都会に暮らしている方でも、それなりの年齢となれば「友人のお宅に遊びに行って、そのまま宿泊する」という流れは遠慮してしまうものです。

ましてやお邪魔するお宅に奥様や旦那さまが同居していれば、とても気軽に「泊めて欲しい」などとは言えないのが本音でしょう。

そしてこうした感覚は「たとえ相手が田舎で暮らしていても変わらない」ものですから、『宿代を払ってまで遊びに行くのは少々しんどい』という理由から疎遠になってしまうようです。

その点、旅館のように独立したお部屋があれば、気兼ねせずにゆっくりとくつろぐことができますから、来訪者も別荘感覚で頻繁に遊びに来ることが可能でしょう。

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旅館業で収入を確保できる

さて、田舎暮しを実現させるに当たって大きな障害となるのが、地方ではなかなか職にあり付けないという問題です。

現在でも地方都市での雇用率は決して高いとは言えませんし、風光明媚な地域となればそれは「なおさら」のことでしょう。

もちろん、充分な貯えがあればこうした問題はないでしょうが、潤沢な資金を貯めてからリタイアするのはなかなか困難なものです。

また、お金に困っていなくても「暇過ぎて困る」という方も多いようですから、こうした際に温泉旅館に住んでいれば空いた客室に宿泊客を募集することも可能となります。

現在ではネットやSNSを利用して手軽に宿泊客を募集することができますし、宿泊客との交流は田舎暮らしにかなり刺激を与えてくれるはずです。

その上、宿賃で収入を得ることもできるのですから、これは申し分がありませんよね。(旅館業を営むには免許が必要になりますが、民泊であればハードルは低くなるはずです)

もちろん、のんびりと暮らすのがコンセプトであれば、宿泊客の数を制限することで忙しさの調整は可能となりますし、

本格的に事業化しようと思えば、スタッフを雇用して積極的な温泉旅館経営に乗り出すこともできるという訳です。

建物を活かした起業が可能

さて、折角旅館という特殊な建物を保有しているのに、宿泊業だけというのは少々もったいない気もしてきます。

そこで検討するべきなのが、

  • 宴会場などを利用した飲食店
  • 日帰り温泉
  • 本格的な厨房を活かした食品製造

といった事業の展開となります。

そして、こうした事業を成功させ集客ができるようになれば、旅館業も自ずと活気づいて行くはずですから、これは正に理想的な展開となるはずです。

友人を招いての共同生活も楽しい

また少し目線を変えて、旅館を収益物件として運用するという手法もあります。

つまり客室を賃貸物件として貸し出すという方法です。

もちろん全く面識のない第三者に貸出すことも可能でしょうが、後々のトラブルなどを考えると、気の合う友人と一つ屋根の下で暮らす方が快適なように思えます。

ちなみに家賃設定は人それぞれでしょうが、安価な設定にしておけば貸別荘感覚で借りてくれる友人も現れるでしょうし、固定収入が得られるのはオーナーとしても嬉しいはずです。

なお、貸別荘として貸し出す場合には、お部屋を利用しない期間中の室内定期清掃サービスなどを付加すると、より人気が得られるのではないでしょうか。

但し、たとえ友人同士であっても後になって生活上・契約上のトラブルが発生する可能性もありますから、契約に関しては「定期借家契約」などを用いて、揉め事に発展しないための工夫も必要かと思います。

旅館は意外に安価に購入できる

ここまでの解説をお読みいただき、「温泉旅館を買うのはなかなか良いのでは?」と思い始めた方もおられるかとは思いますが、やはり一番気になるのは「購入に掛かるコストの問題」ですよね。

実は管理人も、リタイアした際には温泉旅館を購入しようと企んでおり、レインズやアットホームなどで時折物件を検索しているのですが、立地さえ選べばかなり安価で温泉旅館を購入することが可能です。

なお、物件のスペックなどはまちまちですが、4000万円の予算があれば様々なエリアでそれなりの規模とクオリティーの物件を購入することができるでしょう。

もちろん「熱海」等の人気の観光地で、交通の便も良い場所では「売り旅館」の価格も法外なものとなりますが、

伊豆方面で言えば伊豆高原鉄道の小さな駅から車でしか行けないような物件は、3000万円くらいで土地100坪、鉄筋コンクリート造の客室10室、露天風呂付きなんて出物も目にすることがあります。

なお、物件の半分を居住用に使用すると申請すれば、旅館購入に住宅ローンを利用できる場合もありますから、現金の蓄えが少ないという方でも、銀行と相談してみる価値はあるでしょう。

ちなみに温泉旅館を購入する際には「温泉権」と呼ばれる

  • 温泉をくみ出す権利
  • 温泉の引込みを行う権利
  • くみ出した温泉を分配してもらう権利

とった権利が必要となります。

通常は物件の売買価格にこうした権利は含まれているはずですが、購入に際してはこうした点もチェックしておくことが重要です。

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旅館購入まとめ

さて、ここまで「温泉旅館を購入してのリタイア生活」をテーマにお話をしてまいりました。

なお、既にお話しした通り、私自身も「リタイアする際には旅館を購入して・・・」と狙っているくらいですから、これはかなりお勧めなプランなのではないでしょう。

また、私の友人の不動産屋さんは既にこの作戦を実行に移して田舎暮らし謳歌していますので、これは何とも羨ましい限りです。

ちなみに、この友人の話では唯一手間なのは「敷地の草むしり」と「空き部屋の掃除」だそうですが、

土日はオフにして、平日の午前中にローテンションで掃除や草むしりをしていけば苦になるレベルの労働ではないとのことですから、その点はご安心をいただければと思います。

不動産屋という商売柄、「リタイアして田舎暮らしを始めたものの、暮らしに不満がいっぱい」という方のお話もよく耳にいたしますので、彼らと同じ失敗をしないためにも温泉旅館の購入をご検討いたければと思います。

ではこれにて、「温泉旅館を購入して、素敵なリタイア生活を送ろう!」の知恵袋を閉じさせていただきます。