多くの人にとって、一生に一度の大きな買い物となるのが「マイホームの購入」というイベントです。

そして一旦購入してしまえば、「否が応でも長期間そこに住まうことになる」はずですから、住宅選びにはどうして慎重になってしまいますよね。

また住宅を購入する際には、家庭の事情や仕事の関係などにより「都心部の高額物件を無理なローンを組んで購入される方」も多いでしょうが、

その一方で、たとえ通勤に時間が掛かっても「静かな環境で広いマイホームを安く買いたい!」と考える方もおられますから、その購入のスタイルは正に十人十色と言えるでしょう。

しかしながら、人それぞれに様々な物件の買い方があるにも係らず、「購入する物件の種類は?」と尋ねられれば『一戸建て、または分譲マンション』という答えが圧倒的に多いでしょうから、これは少々「型にはまり過ぎな気」もしてきます。

なお、このようなお話をすると「他にマイホームに適した物件がないからでしょ?」という冷静なツッコミも聞えて来そうですが、実は私的に是非とも皆様におすすめしたいマイホーム用物件があり、それはズバリ「温泉旅館」となります。

あまりに突飛なお話に驚かれた方も多いとは思いますが、本日は「温泉旅館を購入して、素敵なリタイア生活を送ろう!」というテーマにて知恵袋をお届けしたいと思います。

温泉旅館を購入

 

温泉旅館を買うという手段

さて、冒頭でのお話を聞いて「温泉旅館など買ってどうするの?」と思われた方もいらっしゃったでしょうが、もちろん全てのマイホーム購入希望者におすすめできるプランではありません。

しかし近年では、「ある程度の年齢になったら長閑な田舎で過そう」というリタイア希望をお持ちの方も多いと聞きますから、こうした方に是非ともおすすめしたい物件となります。

では一体、温泉旅館の購入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

毎日が旅行気分の生活

多くのリタイヤ希望の方が田舎暮らしに憧れて地方に向かいますが、単に戸建てや分譲マンションなどを購入しても「周辺の環境は大きく変わったものの、室内での暮らし自体は都心部にいる時と左程変わらなかった」とおっしゃる方が少なくありません。

その点、旅館を購入すれば多くの客室がありますから、気分によって「様々なお部屋を住み分ける」といった贅沢な使い方も可能となるでしょう。

また、多くの旅館にはお部屋毎のお風呂も設置されていますし、大浴場に露天風呂などの設備もありますから、入浴時に毎日温泉に浸かれるというのも大きなメリットとなるはずです。

更に、厨房もプロ仕様の広々としたものが用意されていますから、「本格的に料理を頑張りたい」という方におすすめなのではないでしょうか。

来客が迎えやすい

また、地方に拠点を移した方から多く聞かれるお悩みひとつが「都会暮らしの時に仲良くしてくれた友人が全く遊びに来てくれない」というものです。

確かに「訪れるのに移動時間が掛かる」というのも理由のひとつでしょうが、それ以上に問題なのが「たとえ地方に移り住んだとはいっても、そこが個人のお宅であることには変わりない」という点でしょう。

実際、都会に暮らしている方でも、それなりの年齢となれば「友人のお宅に遊びに行って、そのまま宿泊する」という流れは遠慮してしまうものです。

ましてやお邪魔するお宅に奥様や旦那さまが同居していれば、とても気軽に「泊めて欲しい」などとは言えないのが本音でしょう。

そしてこうした感覚は「たとえ相手が田舎で暮らしていても変わらない」ものですから、『宿代を払ってまで遊びに行くのは少々しんどい』という理由から疎遠になってしまうようです。

その点、旅館のように独立したお部屋があれば、気兼ねせずにゆっくりとくつろぐことができますから、来訪者も別荘感覚で頻繁に遊びに来ることが可能でしょう。

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いざとなれば仕事も確保できる

さて、田舎暮しを実現するに当たって大きな障害となるのが、地方ではなかなか職にあり付けないという問題です。

現在でも地方都市での雇用率は決して高いとは言えませんし、風光明媚な地域となればそれは「なおさら」のことでしょう。

もちろん、充分な貯えがあればこうした問題は起きないでしょうが、潤沢な資金を貯めてからリタイアするのはなかなか困難なものです。

また、お金に困っていなくても「暇過ぎて困る」という方も多いようですから、こうした際に温泉旅館に住んでいれば空いた客室に宿泊客を募集することも可能となります。

現在ではネットやSNSを利用して手軽に宿泊客を募集することができますし、宿泊客との交流は田舎暮らしにかなり刺激を与えてくれるはずです。

その上、宿賃で収入を得ることもできるのですから、これは申し分がありませんよね。(旅館業を営むには免許が必要になりますが、民泊であればハードルは低くなるはずです)

もちろん、のんびりと暮らすのがコンセプトであれば、宿泊客の数を制限することで忙しさの調整は可能となりますし、

本格的に事業化しようと思えば、スタッフを雇用して本格的な温泉旅館経営に乗り出すこともできるという訳です。

友人を招いての共同生活も楽しい

また少し目線を変えて、旅館を収益物件として運用するという手法もあります。

つまり客室を賃貸として貸し出すという方法です。

もちろん全く面識のない第三者に貸出すことも可能でしょうが、後々のトラブルなどを考えると、気の合う友人と一つ屋根の下で暮らす方が快適なように思えます。

ちなみに家賃設定は人それぞれでしょうが、安価な設定にしておけば貸別荘感覚で借りてくれる友人も現れるでしょうし、固定収入が得られるのはオーナーとしても嬉しいはずです。

なお、借りた人間がお部屋を利用しない時期でも月2回くらいの室内定期清掃サービスなどを付加すると、より人気が得られるのではないでしょうか。

但し、たとえ友人同士であっても後になって生活上・契約上のトラブルが発生する可能性もありますから、契約に関しては「定期借家契約」などを用いて、揉め事に発展しないための工夫も必要かと思います。

意外に安価に購入できる

ここまでの解説をお読みいただき、「温泉旅館を買うのはなかなか良いのでは?」と思い始めた方もおられるかとは思いますが、やはり一番気になるのは「購入に掛かるコストの問題」ですよね。

実は管理人も、リタイアした際には温泉旅館を購入しようと企んでおり、レインズやアットホームなどで時折物件を検索しているのですが、立地さえ選べばかなり安価で温泉旅館を購入することが可能です。

もちろん、物件のスペックなどはまちまちですが、4000万円の予算があれば様々なエリアでそれなりの規模とクオリティーの物件を購入することができるでしょう。

もちろん「熱海」等の人気の観光地で、交通の便も良い場所では「売り旅館」の価格も法外なものとなりますが、

伊豆方面で言えば伊豆高原鉄道の小さな駅から車でしか行けないような物件は、3000万円くらいで土地100坪、鉄筋コンクリート造の客室10室、露天風呂付きなんて出物も目にすることがあります。

なお、物件の半分を居住用に使用すると申請すれば、旅館購入に住宅ローンを利用できる場合もありますから、現金の蓄えが少ないという方でも、銀行と相談してみる価値はあるでしょう。

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旅館購入まとめ

さて、ここまで「マイホームとしての温泉旅館購入」についてお話ししてまいりました。

なお、既にお話しした通り、私自身も「リタイアする際には旅館を購入して・・・」と狙っているくらいですから、これはかなりお勧めなプランなのではないでしょう。

また、このお話を友人の不動産屋さんにしたところ、彼は既に作戦を実行に移して田舎暮らし謳歌しているといいますから、何とも羨ましい限りです。

ちなみに、この旅館に住み始めた友人の話では唯一手間なのは「敷地の草むしり」と「空き部屋の掃除」だそうですが、

土日はオフにして、平日の午前中にローテンションで掃除や草むしりをしていけば苦になるレベルの労働ではないとのことですから、その点はご安心をいただければと思います。

不動産屋という商売柄、「リタイアして田舎暮らしを始めたものの、暮らしに不満がいっぱい」という方のお話もよく耳にいたしますので、彼らと同じ失敗をしないためにも温泉旅館の購入をご検討いたければと思います。

ではこれにて、「温泉旅館を購入して、素敵なリタイア生活を送ろう!」の知恵袋を閉じさせていたたきたいと思います。