分譲マンションのメリット・デメリット

 

不動産会社に営業マンとして勤務している管理人は、日々物件を探しておられるお客様と接しています。

そして、ご購入希望のお客様から最も多く頂く質問が「戸建てと分譲マンションでは、どちらを買うべきか?」というものです。

当然ながら、戸建には戸建、マンションにはマンションの「メリット・デメリット」がありますから、この質問に簡潔にお返事をするのは「非常に難しい」というのが正直なところとなります。

また、お客様の間では「マンションを買う方が絶対に気楽!」という認識が広く広まっているように感じられるのですが、不動産屋さん的には『そうとも言い切れない』というのが本音なのです。

そこで本日は、「分譲マンションのメリット・デメリットを解説!」と題して、分譲マンションの利点と問題点についてお話しをさせていただきたいと思います。

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分譲マンションのメリット

冒頭からマイナス面や注意点をお話すると、まるで「マンションの購入がお勧めできない」という印象を皆様に与えてしまいそうなので、まずは利点(メリット)からご説明をさせていただきます。

 

管理・メンテナンスが楽!

分譲マンション最大の魅力は何といっても、日々の管理や修繕を管理組合が行ってくれるという点でしょう。

戸建ての場合、庭の手入れや玄関先の掃除は元より、10年に一度は外壁の塗り替えに、屋根の葺き替えなど、メンテナンスの全てを自分で行わなければなりません。

その点、分譲マンションであれば「実際には自分の支払った管理費や修繕積立金が使われている」にしても、メンテナンスの手間や面倒を大幅に省くことができるのです。

購入価格と立地

そして分譲マンションでもう一つの大きな魅力となるのが、一戸建てに比べて購入時のコストが抑えられるという点です。

実際、マンションの分譲業者さん等に話を聞けば、駅前のタワーマンションでもない限り、「周辺の一戸建て価格の7割程度を目安に価格設定を行うのが通常」とのことですから、価格がお手頃なのは当然でしょう。

また、極端に交通の便が悪い地域で事業を行うケースは珍しいので、必然的に立地の良い物件が割安で手に入るということになるはずです。

環境・設備等の充実

今時の分譲マンションであれば、オートロックや宅配ボックス等の共用設備は必ず備えられているはずですし、中には24時間ゴミ出しが可能であったり、衣類のクリーニングや託児所のサービスが付いている物件もあります。

また、大規模なマンションともなれば公園等が併設されるケースも多いですし、コンビニやスーパーマーケットなどがマンションの居住者を目当てに近隣へ出店してくるケースもありますから、住環境の面でもメリットは大きいと言えるでしょう。

転売や投資物件化が容易

購入する際にここまで考える方は少ないかもしれませんが、分譲マンションには転売が非常に楽であるという側面があります。

一戸建ての場合、転売後に雨漏りやシロアリ、基礎の瑕疵など様々なリスク(瑕疵担保責任)を売主が負わねばなりませんが、

マンションにおいては、こうした大きな問題に繋がる箇所は殆どが共用部分となっているため、その責任は管理組合が負うことになっていますので、非常に気軽な転売が可能となるのです。

また賃貸物件として貸し出す場合にも、一戸建てならばリフォーム費用が割高になる(廊下や階段などにより、建物の面積が広くなるため)上、賃料設定も高額になり過ぎてしまい、お客さんが付き辛いなどの問題があるのに対して、マンションでは非常にスムーズに運用が行えることも魅力の一つに挙げられるでしょう。

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分譲マンションのデメリット

さて、メリットがあれば「デメリットもある」のがこの世の常ですが、当然ながら分譲マンションにおいても注意すべき点や問題点は確実に存在しています。

但し、全ての問題が回避不能という訳ではありませんので、購入する際にしっかりと注意を払うことで明るいマンション生活が送れるはずです。

管理費・修繕積立金の問題

ご存じの通り分譲マンションの管理組合は、組合員が出し合う管理費や修繕積立金を基に建物の維持・管理を行っていきます。

そして、ここで問題なのが管理費等の価格は管理組合が運営されていく中で、変動していくという点です。

もちろん安くなる分には問題はないのですが、建物完成から時間が経てば経つ程、管理や修繕にはお金が掛かるものですから、管理費等は値上がりの一途を辿るのが定石となります。

新築分譲中のマンションなどを見ていると、管理費等の設定が非常に安い場合がありますが、ここには分譲業者の「販売のために割安感を演出したい」との思惑が隠されているケースも少なくありません。

例えば、新築分譲当時は管理費や修繕積立金の安さが魅力であったが、実際に管理組合が運営を始めたら全く採算が合わず、直ぐに値上げを繰り返すことになったというパターンも無くはないのです。

よってマンション購入時には、同じ規模の物件が築何年後にどの程度の管理費・修繕費を徴収しているかを、じっくり調査することをおすすめいたします。

ちなみに、地震や津波などで建物に被害が出た場合には、たとえ自分の部屋が無事であった場合でも、管理組合として建物の修繕に当たることになりますから、修繕積立金などが一気にアップする可能性があります。

高層階のお部屋を購入すれば、海辺に建つマンションでも「津波などの被害とは無縁」と思いがちですが、こうした災害リスクが修繕積立金の値上げという形で跳ね返ってくる場合もあるのです。

なお、これは一般的なお話となりますが「戸数の多いマンションは管理費等が値上がりし辛い(戸数が多いので、維持費が増加しても一世帯への影響は軽微であるため)」ものですし、「設備が充実しているマンションは将来的には管理費等が上がりやすい(エレベーターが複数台あったり、駐車場が機械式となっている物件はメンテナンス費用が掛かりやすいため)」といった傾向があると言われています。

建替えの問題

分譲マンションのもう一つの大きな問題は、建替えに伴うものです。

確かにマンションは建物の規模も大きいので、建替えはさぞや手間が掛かるだろうと思われるかもしれませんが、問題の本質はそこではありません。

区分所有法により、マンションの建替えには、組合員の4/5(団地型なら加えて2/3以上の議決権)の賛成が必要とされています。

そして同じ時期に物件を購入した住民ばかりであれば、「住宅ローンの支払いも終わったし、そろそろ建替えの時期だね・・・」なんて話にもなるかもしれませんが、マンションはお部屋ごとに自由な売買が可能であるのが現実です。

よって、たとえ築50年のマンションでも、「10年前に買った」「5年前に買った」「まだ買ったばかり・・・」なんて所有者も混ざっているのが常ですから、こうした方々が建替えに賛同する訳がありません。

結果、4/5などという賛成は得られるはずもなく、築60年、70年と高額な修繕費を掛けながら、老朽化と闘って行かねばならないのです。

また、仮に建替えを行うことができた場合にも、それまでに積立てた修繕費のみで建替え費用を賄うことは不可能ですから、組合員が個々にローンを組むなどして「別途資金を提供する」羽目になります。(大規模修繕でも同様のケースがあります)

ちなみに、分譲マンションの購入に際して「建替えができないというリスクを回避したい」という場合には、たとえ販売価格が安くとも古過ぎる物件を買わないこと、そして建替えが必要となった時期に手放しても、痛手を受けない資金計画を立てておくことが重要です。

なお、近年ではこのような「建替えのできない分譲マンション」を救済するべく『マンションの建替えの円滑化等に関する法律(建替え円滑化法)』において、様々な対策制度が設けられていますが、これらの制度の詳細については別記事「要除却認定マンションとは?という疑問にお答えします!」をご参照ください。

 

近隣問題

近年、問題となっているのが一部の非常識な方々が引き起こす騒動などのトラブルです。

ワイドショーなどで報じられる騒音おばさんなどの映像を目にすると、背筋に寒いものが走りますよね。

もちろん近隣にヤバイ人が住んでいるというリスクは、戸建てでも回避は困難ですが、壁や床一枚挟んだところに、ヤバイ方が居るのと、完全に独立した建物に居るのとでは、ストレスの度合いが大きく異なります。

あまりに問題が大きな場合には、管理組合が対応に乗り出し、議決権を行使して問題の人物を追い出すことも不可能ではありませんが、「間に1部屋隔ていれば、全く被害がない場合」も多いでしょうから、結局賛同は得られないケースが殆どであり、あまり現実的な解決法とは言えません。

こうしたトラブルを避けるためには、購入前に前所有者や近隣への聞き込みを行ったり、管理組合の議事録にしっかり目を通し、ヤバイ人間の隣室ではないことをできる限り確認するのが得策でしょう。

なお登記簿謄本で所有者変更の履歴を確認するのも有効な手段であり、頻繁に所有者が変わっているのは「危険シグナル」の可能性があります。

ちなみに、管理組合による入居者の追い出しについては別記事「マンションの住人追い出しについて解説致します!」にて詳細な解説を行っておりますので、是非ご確認ください。

管理組合の運営体制

「マンションの管理組合は、住民の味方に決まってる!」とお考えの方も多いと思われますが、こうした考えは少々危険と言えるでしょう。

私のお客様の中には、入居早々に役員が回って来て、「毎週末日曜日に夕方から深夜まで役員会で拘束され続けている」という方もいらっしゃいます。

当然、役員には任期というものがありますから、一時的な問題には違いありませんが、これはなかなかに厳しいですよね。

組合関連のトラブル回避には、近隣問題同様、聞き込みと議事録の内容を精査してから購入の意思決定を行うのが有効となります。

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分譲マンションのメリット・デメリットまとめ

さてここまで、「分譲マンションのメリット・デメリット」と題して解説を行ってまいりました。

このような視点で見て行くと、分譲マンションの購入には多くの利点がある一方で、いくつもの「危険な落とし穴」が隠されていることがご理解いただけたはずです。

但し、正しい知識さえ身に付けていれば回避できる問題も少なくありませんから、購入の際には改めて本記事にお目を通していただければと思います。

また、管理人が執筆いたしました下記の電子書籍(アマゾン・Kindle本)では失敗しない分譲マンション購入のノウハウを解説しておりますので、ご興味をお持ちの方は是非ご購読ください。

 

マイホームの購入は人生の一大イベントとなりますから、後悔のないお買い物なさってください。

ではこれにて、分譲マンションのメリット・デメリットに関する知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。