近年、ニュース番組などで報じられることが増えているのが孤独死に関する問題です。

「お年寄りがお部屋で亡くなり、誰にも気付かれず何日も経過してから発見された」などという話は、誠に残念ながら『珍しくもなくなりつつあります』よね。

また、孤独死のリスクはお年寄りに限ったことではなく、学生が自らその命を絶ってしまったり、激務に耐えかねた働き盛りの若者が突然の病気でこの世を去ることもあるでしょう。

もちろん、この世に生まれて来た以上は誰もが何時かは人生の終わりを迎えることになるのですが、不動産投資家様や地主さんにとって「孤独死は物件の生死を分ける大事件」に他ならないはずです。

そこで本日は「見守りサービスについて解説いたします!」と題して、孤独死を未然に防ぐ危機管理サービスについて解説してみたいと思います。

見守りサービス

 

何故今、見守りがサービスが必要なのか?

冒頭でもお話しした通り、自分が保有する物件内で孤独死が発生することは「賃貸人にとって非常に大きなリスク」となります。

さて、このようなお話をすると「そんなのわかりきっているよ!」と言われてしまいそうですが、皆様が想像しておられるよりも孤独死によって貸主が被るダメージは遥かに甚大なものとなるはずです。

まず第一に、孤独死によって事故物件となってしまうと次の入居者に対して重要事項説明でも告知義務が生じることになります。(説明義務があるのはあくまで仲介業者であり、大家さんではありませんが)

そして、その説明を聞いた入居希望者が契約締結をキャンセルする確率は非常に高まりますし、これに伴って設定賃料もこれまでの半額程度に下落することとなるはずです。

また、事故によってお部屋が汚損してしまった場合や、遺品の整理が必要となるケースについても、様々な面倒が降り懸かって来ます。

もちろん対象の契約に連帯保証人などが付けられていれば、その者に荷物の後始末や原状回復義務を負わせることができますが、賃貸保証会社のみの契約で親族(相続人)に相続放棄をされてしまった場合などは目も当てられません。

賃貸保証会社の中には、原状回復や遺品整理についても保証対象としている会社もあります。

なお、相続放棄が行われれば「お部屋の荷物を大家さんが自由に処分できる」とお考えの方も多いかもしれませんが、法律上、相続が放棄された財産は家庭裁判所が選任した相続財産管理人によって処分されることになります。

よって、まずは大家さんが裁判所に申立てを行って相続財産管理人を選任してもらった上で「他に相続人が存在しないか」等の公示を行わなければなりませんから、最終的な決着をみるのに1年近い歳月が必要となって来るのです。

また、これだけ時間が掛かった上に大家さんは弁護士費用や荷物の撤去代金を負担しなければなりませんから、そのリスクは非常に大きなものとなるでしょう。

こうした現実を踏まえれば、孤独死に対する最も有効な手段は「そもそも事故を起こさせないこと」となり、その防衛手段として熱い注目を集めているのが『見守りがサービス』となるのです。

 

見守りサービスの種類と特色

見守りサービスとは、その名の通り孤独死などを未然に防ぐために各企業が提供している商品(巡回サービス、機器の取付け・販売など)を指す言葉となります。

但し、一口に「見守りサービス」と言っても様々な種類のものが存在していますので、本項ではこれをいくつかに分類して解説して行くことにしましょう。

センサー型

見守りサービスと聞いて、真っ先に頭に浮かぶのが「センサーを利用した安否確認システム」かと思います。

なお、某大手家電メーカーが発売したメール通知機能付きのポット(お湯を使うと家族のスマホに通知が行く)が大流行したことも記憶に新しいことと思いますが、

現在では室内の様子をウェブカメラで中継したり、トイレなど「出入りすることの多い場所」のドアに開閉センサーを設置する等の方法による『安否確認サービス』が複数の企業によって提供されています。

また、「センサー同士の連動」や「異常を家族に知らせる手段」としては、インターネット回線を利用した方式が一般的なものとなりますが、高齢者のお宅ではネット環境が整っていないケースも多いため電話回線を利用する方式も人気を博しているようです。

ちなみに通信事業を本業とする企業が開始したサービスでは、シム入りの小型無線ルーターをセットで販売することにより、ネット環境が整っていない場所でもメール等による通知を可能にしたシステムも登場しています。(但し、月額利用料が必要)

また、センサー型のみまもりシステムの最大の特色はランニングコストを安く抑えられる点であり、初期費用(センサー機材の設置)のみで以降は無料という商品も珍しくありませんし、月額制のものでも数百円~1000円程度のものが主流です。

但し、センサーやカメラを利用した場合、どうしても「監視されている感」が強くなるため『対象者から設置を拒否されるケース』も少なくない上に、遠隔地にいる場合には異常を察知しても駆け付けるのに時間が掛かり過ぎてしまうという弱点もあります。

巡回・対話型

これに対して巡回・対話型は定期的に企業が対象者に連絡を入れたり、直接家を訪問してくれるサービスとなります。

この方式であれば、異常があれば直ぐに病院に搬送するなどの対処を行うことができますから、遠隔地にお住いのご家族にとっては非常に安心感がありますよね。

また、この手のサービスはとにかくマンパワーが必要となりますから、参入している企業も大手の警備会社等であるケースが主流となりますし、訪問スタッフが看護師であったり、テレビ電話で医師が対応してくれるなど、正にいたれり尽くせりのサービス内容が特徴です。

更には「緊急用の通報端末」の貸出しを行っている企業も多いですから、急病の際はもちろん、侵入事案が発生した場合になどにも非常に心強いことと思います。

但し、これだけのサービス内容ともなれば料金が跳ね上がることは避けられませんし、そもそも警備会社が提供してセキュリティーサービスのオプションとしてのみ請負うという企業も多いようです。

なお見守りを受ける方が定期的な訪問や連絡を嫌がる場合には、打つ手がありませんので、こうした方には不向きな手段と言えるでしょう。

ライフリズム型

こちらはセンサー型の進化バージョンとも言える方式であり、見守り対象となる方のプライバシーに配慮がなされているのが特色です。

なお、室内の監視に当たってはモーションセンサーや温度センサー、そして電力やガスの使用量などから対象者の「毎日の生活リズム」を割出し、異常なリズムを感知すると指定の連絡先に通報を行うシステムとなります。

これならばカメラなどによる直接の監視が行われませんので、見守られる側も気楽に過ごすことができますし、玄関からの出入りなどではなく

毎日の生活リズムに着目することで「起きて来るのが遅い」「食事のペースが落ちている」などの『微妙な異変を察知しやすい点』も、このシステムの魅力と言えるしょう。

なお、料金的には巡回・対話型よりもリーズナブルですが、それなりのランニングコストが掛かることは覚悟するべきです。

見守りサービスまとめ

さて、ここまで「見守りサービス」についての解説を行ってまいりました。

そして本記事をお読みくだされば、実に様々なタイプの見守りサービスが展開されていることをご理解いただけたことと思いますが、こうしたサービスを上手に利用するれば投資物件の運営を有利に進めることも可能であるかと思います。

例えば高齢者向けに物件を貸し出すのであれば、見守りシステムが導入されている物件は親族から非常に喜ばれるばかりか、その費用負担分を賃料に上乗せしても競合物件に充分な競争力を発揮することになるでしょう。

また近年では、学生や就職したばかりの若者が自ら命を絶つケースも増えていますから、地方で暮らす親御さんの立場としてはこうしたサービスが導入されている物件は非常にありがたいはずです。

なお見守りサービスにおいては通知先を複数登録可能な場合も少なくありませんから、大家さんや管理会社のみならず、遠方に住まう親御さんに対しても定期的に『安否確認の連絡が入る』となれば、これは最早「物件の付加価値を向上させる設備」と言っても過言ではないでしょう。

冒頭でもお話しした通り、孤独死は大家さんにとって非常にリスキーな事態ですが、見守りシステムを上手に利用すれば事故を未然に防ぐことができるばかりか、物件の価値まで向上させることが可能となりますので、是非皆様も導入をご検討なさってみては如何でしょうか。

ではこれにて、「見守りサービスについて解説いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。

※見守りサービスを利用せずに孤独死を防ぐ方法については、過去記事「賃貸物件の孤独死対策をご紹介!」にて解説を行っておりますので、ご興味をお持ちの方は是非ご一読ください。