借地権投資法

 

日本で不動産を扱っていく以上、避けることができないのが借地権の問題です。

古来からの日本の風土と習慣が育んだこの制度ですが、実際にお住いの方々からは「不便な点も多い」というご意見を聞くことも少なくはありません。

しかしながら、そんな借地権の制度を上手に利用した不動産投資の手法があることを、皆様はご存じでしたでしょうか?

本日はそんな借地権投資法についてお話ししてみたいと思います!

スポンサーリンク

 

借地権は不利なことばかりではない!

借地権の概要に関しては、以前の記事でもお話をしましたので詳細な説明は省かせていただきますが、毎月支払う「地代」に、建替えや譲渡時に発生する「各種承諾料」、そして「更新料」など、所有権の土地に比べて様々な出費が発生することになるのが借地物件の特色となります。

また、借地を売却しようとしても「買い手が銀行からの融資を受け辛い」といった事情もあり、『借地権の物件は買わない方が無難である』などといった、マイナス面の意見ばかりがクローズアップされがちです。

しかしながら我が国では、これまで「借地人保護の観点」から様々な法整備が続けられており、暮らして行く上ではむしろ借地人に有利なルールが数多く存在しているのも事実でしょう。

例えば、地主が一方的に地代を値上げしようとしても、これが認められる可能性は非常に低いですし、地主の都合による賃貸借契約解除も困難であるというのが現実です。

また、契約終了時には「更地にして地主に返す」と契約書で謳っていても、実際には借地権を地主が買い取ることになりますから、地主からすれば「実に不条理なお話」とも言えるでしょう。

ただ、こうした実情をお話ししても「借地権者に有利な点が多いのは解るが、投資で儲けるというのは難しいのでは?」とお考えの方も多いことと思います。

そこで次項では、実際の借地権投資方法に関してご説明をしてまいりたいと思います。

 

借地投資の概要

この投資法について解説を行う前に、まずご理解いただきたいのが、「借地権という権利は非常に流通性に乏しい権利である」という点です。

なお、このようなお話をすると、不動産に詳しい方からは「えっ?借地権は所有権の60%くらいの価格で売却できるし、地主が譲渡承諾をしない場合は買取請求を行うことも可能なのでは?」というお声も聞えて来そうですが、実務ではそう上手くは行かないことも珍しくはありません。

確かに不動産の市場には「借地権の物件」も流通はしていますが、前項で述べた借地権のマイナスイメージや融資の問題で、そう簡単には成約に至らないのが現実です。

もしもこれが借地権付きの新築建売であり、契約残存期間も充分にあるのであれば、それなりの価格で取引をすることは可能でしょうが、劣化の進んだ古屋が建ち、契約更新時期も迫っている物件などについては、

買いたいお客も非常に限られることになりますし、住宅ローンも利用し辛いため、不動産屋さん的にも可能であれば売却依頼を受けたくない物件となってしまいます。

こうした理由で流通性に乏しい借地権ですが、「買い手が少ないのなら、安く買える」のが市場の原理というものです。

よって、このような「安売りされている借地権付きの古家物件」を購入するところから、この投資はスタートすることになります。

 

そして次に注目すべきなのが、先に述べた借地権より更に流通性の乏しい「底地権(地主の持つ土地の所有権)」と呼ばれる権利です。

地主が如何に不利な立場にあるかについては既にお話しましたが、地代の値上げが不可能な上に、立退きもできない土地は、正直「お荷物同然」ともいえます。(地代の設定は固定資産税等の5倍程度が相場となりますから、収益性に関してもあまり魅力がありません)

当然ながら、このお荷物をわざわざ買い取ってくれる者などまず現れないですから、地主も地代だけを受け取って、放置し続けているパターンが少なくありません。(先祖伝来の土地を手放したくないという心理もあるとは思いますが)

ただ、人間は必ず年をとりますし、いつかは天に召される運命ですから、相続が発生した場合には「相続税の支払い」や「遺産分割」ために、借地権者の言い値で底地を手放さざるを得ないケースも出て来るはずです。

そこで、この好機を逃さずに「借地権者が底地を買い取り、所有権の土地として転売する」というのが、本日ご紹介する借地権投資法の要点となります。

この方法であれば「借地権を相場より安く」、そして「底地もこちらの言い値で買取る」ことができますから、所有権の土地を購入して転売するのに比べて、相当な利ザヤを確保できる計算となりますよね。

また、底地の買取が上手くできなかった場合でも、状況次第で「地主に借地権を買い取ってもらう」ことが可能な場合もあるしょうし、「借地権と底地の同時売却を地主さんに持ち掛ける」ことで、購入時よりも高額で借地を売却できる可能性もありますから、決して悲観する必要はありません。

ちなみに、ここまでのお話を聞いても「そんなに上手く行くの?」と疑問に感じておられる方も多いかと思いますが、私の不動産屋さん仲間の中には、この方法で所有権の土地を格安で手に入れている者が少なくありませんがので、決して無理な手法ではないのです。

スポンサーリンク

 

実践!借地権で儲ける!

では具体的に、「どのように借地権投資を進めて行くか」についてご説明をしてまいりましょう。

まず行うべきは、なるべくご高齢で、他に多くの不動産を持っている地主さんが底地(土地)を所有している借地物件を購入することです。(所有している不動産が多ければ多い程、相続税の納付に苦労する可能性が高くなります)

そして購入後は物件に住み続け、ひたすら相続等が発生するのを待つだけとなります。

「そんなボロ家に住み続けるのは嫌だ!」という方もおられるでしょうが、しばらく住んだ後であれば賃貸物件として貸し出し、賃料収入を得ることも可能ですから、決して自分の生活を犠牲にする必要はないのです。

但し、購入時から収益物件とする旨を地主に伝えてしまうと、「事業目的での借地購入」と判断され、高額な地代でしか契約に応じてもらえない可能性もありますので、まずは自己の居住用として契約し、地主さんとのリレーションが出来上がってから、事業用に切り替える相談をするのがポイントとなります。

なお、この投資の難点は「銀行のローンが使い辛い点」と「相続発生時に確実に底地が取得できるとは限らないという点」です。

まずローンについては、借地権であるが故に銀行から融資を受けるのが困難であることに加え、住宅ローンを利用する場合には「物件を他人に貸し出すことはできません」のでご注意ください。(住宅ローン利用上の規約違反となります)

一方、底地の買取に失敗した場合には前項でもお話しした通り「地主による借地の買取」や「借地・底地の同時売買」という新たな出口を目指すことも可能ですが、いずれにしても時間の掛かる作業であること否めません。

よって、『ある程度の自己資金』と『気長に待てる心の余裕』が、この投資を成功させるには必須の条件であると言えるでしょう。

スポンサーリンク

 

借地権投資法まとめ

さてここまで、「借地権を利用して収益を得る方法」というテーマで解説を行ってまいりました。

アパート等の収益物件を購入して、賃料収入を得るという一般的な不動産投資のスタイルとは異なるため、「今一つピンッと来ない」という方も多いかもしれませんが、転売で収益を上げるというのも立派な不動産投資の方法です。

不動産投資の市場が成熟し尽くした感のある現在では、こうした新たな手法に挑戦してみるのも重要なことなのではないでしょうか。

なお、借地権の投資術は「じっと待ち続ける忍耐力」が最も必要と言われる投資法ですから、『リスクを好まず、我慢強い』という方にこそ、おすすめかと思います。

ではこれにて、借地権投資の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います!