不動産投資の世界で今ひとつ脚光を浴びていないとされるのが、駐車場の運営です。
生活を送る上で無くてはならない駐車場ではありますが、投資の対象としては「毎年課税される固定資産税等が高い」「利幅が少ない」などの理由から、余った土地を止むなく貸し出す程度の扱いを受けています。
しかしながら、投資家さんの一部には駐車場を「絶好の投資対象」として見ておられる方もいらっしゃるようです。
そこで本日は、そんな摩訶不思議な駐車場経営の利回りについてお話してみたいと思います。
では早速、駐車場投資の知恵袋を開いてみましょう。

駐車場経営は儲からない?
冒頭でも申し上げた通り、多くの投資家さんから「収益物件の味噌っかすのように扱われている」のが駐車場です。
もちろん駐車場の賃料相場は地域によって異なるでしょうが、どんなに地価が高い地域でもその賃料は「お部屋と比べると非常に安価」である上、「固定資産税・都市計画税は高額なもの」となりますから、魅力を感じないと言われてしまうのも致し方なしといったところでしょう。
また平成18年の道路交通法改正により、駐車違反への取り締まりが強化された際には、コインパーキングの需要が高まるとの予想からパーキング業者が相場の2倍近い金額で月極め駐車場を借り上げまくっていた時期もありましたが、これも今は昔のこと。
現在では増え過ぎた時間貸し駐車場が飽和状態となり、コインパーキングの借り上げ金額もかなり下落しているのが実情です。
では一体、そんな駐車場に投資物件として魅力を感じている投資家は、どのような運用の仕方をしているのでしょうか。
旨味のある駐車場経営とは?
駐車場経営の成功例として、まず挙げられるのが駅前の一等地などにある土地を購入し、時間貸し駐車場として運用するという方法です。
都心の一等地はもちろんのこと、地方都市であっても、ターミナル駅の周辺などは高額の駐車料金を設定してもお客さんが途切れることありませんし、
こうした地域では容積率等の制限も緩いため、立体駐車場などにすることで駐車台数を多数確保できれば、投資対象としての魅力が一気に増すことになります。
また、立体駐車場は通常の建物と比べ建築単価も割安である点もメリットの一つに挙げられるでしょう。
なお、立体駐車場以上に駐車台数を増やすとなれば「機械式の駐車場」が最適ですが、こちらは設備投資の額が高額となる上、管理人を常駐させる義務も発生しますので、個人で経営するには少々ハードルが高いものとなってしまいます。
さて、こうしたお話をすると「そんな一等地に土地を買う資金も、駐車場を運営するノウハウもない!」というお声も聞えて来そうですが、そんな方には特定のイベントなどが行われる場所での駐車場投資がおすすめです。
例えば、観光地・コンサート会場等の周辺や、初詣・お祭りなどで賑わう寺社の近辺では、駅周辺に匹敵する駐車料金を設定することができる場合もあります。
私の知り合いの不動産屋さんの中にも、このタイプの投資に挑戦し成功を収めている方がいらっしゃいますから、挑戦してみる価値は充分にあるのではないでしょうか。
さて、ここまでの解説を聞き「やはり特殊な立地の場所でしか駐車場ビジネスは成立しないのか・・・」とお思いかもしれませんが、場所に頼らずに投資を成功させる方法はまだあります。
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コインパーキングを自分で経営しよう!
その方法とは、自分自身でコインパーキングを経営してしまうという方法です。
このようなお話をすると「時間貸し駐車場業者による借り上げと何が違うの?」というお声も聞えて来そうですが、これはかなり内容が異なる事業となります。
そして、この事業のポイントは「自分でコインパーキングの機器を購入し、売り上げた時間貸し駐車料金をそのまま収入としてしまう」という点です。
「そんなことが可能なの?」とお思いになられる方もおられるかもしれませんが、この手法で成功を収めている投資家さんは既に大勢いらっしゃいます。
コインパーキング業者の中には、「時間貸し駐車場の借り上げ」とは別に『機器の販売を前提としたプラン』を用意している会社もあり、このプランを選択すれば初期投資にこそコストが掛かるものの、駐車場の売り上げを全てオーナーの収入とすることができるのです。
なお、機器の販売と同時に「故障や利用者とのトラブルに対応する24時間体制の維持管理サービス」を定額で提供している企業も多いですから、オーナーとしては非常に心強いですよね。
そして、ここで気になるのが「初期投資に一体いくら掛かるのか?」という点になるかと思いますが、一般的には5~6区画で300万円~400万円というのが相場とされています。
仮に20分100円の駐車料金設定で5区画が一日8時間稼働したとすると、一日12,000円の儲けという計算です。
更にこれを一年間で計算してみると約430万円もの収入となりますから、毎月数万円の維持管理費や電気料金を支払っても二年以内には元を取ることができそうですよね。
ちなみにこの経営モデルを利回り計算してみますと、最初から土地を持っていたとすれば表面利回りで100%以上、土地を3000万円で購入したと仮定しても12%以上という驚きの利回りを叩き出しますから、「時間貸し駐車場のニーズが高いエリアの土地を買い上げて、コインパーキング経営を行う」というのも決してバカげた話ではありません。
またコインパーキング機器の販売業者の中には、中古機器を相場の半額程度で販売し、その維持管理も請け負ってくれる企業や、機器をリースで貸し出している会社もありますから、こうした業者を利用すれば更に効率良く時間貸し駐車場の経営が行えるはずです。
その他の駐車場利回り向上法
さて、これまで駐車場経営において効率的に収益を上げる方法を解説してまいりましたが、他にもまだまだ利回りを向上させる手法が存在します。
例えば、駐車場の区割りを行った際に余った土地を駐輪場やバイク置き場として貸し出す方法や、今流行の民駐(単に月極め駐車場として貸し出すのではなく、専用サイトで短期の利用者を募集する方法)などの手法がこれに当たります。
また、あくまでも月極め駐車場という名目ながら、「駐車車両の内部をトランクルームとして利用できる」といった触れ込みで利用者を募集すれば、周辺の駐車場との差別化を図ることもできるでしょう。
更に、ここまでご紹介してきた手法を上手に組み合わせる(コインパーキング+駐輪場など)ことで、駐車場経営の幅を大きく広げることが可能となるはずです。
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駐車場経営まとめ
このように、多くの投資家から敬遠されがちな駐車場経営にも「まだまだビジネスチャンスはしっかりと隠されている」ものです。
また、一見魅力の無い分野から「収益の鉱脈」を見付け出すことも、不動産投資で成功を収めるには必要なのかもしれません。
なお今回は「駐車場経営で高利回りを実現する」というコンセプトでお話を進めて来たため、一般的な月極駐車場の経営についての詳細に触れることはありませんでした。
確かに月極駐車場にしてしまうと、収入という面では魅力に欠けてしまいますが、上手に管理を行えばそれなりの収益は得られるはずですから、「土地を遊ばせない」という意味では充分に有効な活用法であると思います。
ちなみに別記事「月極駐車場管理業務の内容を体験記風にレポート!」では、通常の駐車場管理のノウハウについて解説しておりますので、ご興味がある方はこちらもご一読いただければ幸いです。
ではこれにて「駐車場経営で利回りを確保しよう!」の知恵袋を閉じさせていただきます!