不動産投資でアパートや賃貸マンションの運用をされている方には、既に身に染みてご理解いただいているかと思いますが、賃貸物件の管理をしていると「実に様々なトラブル」が降り懸かってくるものです。

なお、賃貸トラブルの代表的なものといえば「家賃の滞納」や「雨漏りなどの建物のクレーム」といったものが真っ先に頭に浮かびますが、害虫や臭気の発生に、近隣の騒音問題など巻き起こる問題は非常にバリエーションに富んだものとなります。

また、こうしたトラブルにおいてはプロの不動産業者でも思わず判断に迷ってしまうような状況もしばしば発生するものですから、この点は非常に頭の痛いところです。

そこで本日は、私がこれまで経験した賃貸トラブルの中でも「実に悩まされた案件」に関する体験記を書いてみようと思います。

では「これは困った賃貸トラブルの体験記」を見て行きましょう。

賃貸トラブル

 

悩まされたトラブル具体例

冒頭でも申し上げた通り、賃貸物件の管理をしていると実に様々なトラブルに遭遇するものですが、今回はその中でも「少々特殊、でも意外に頻度が多いもの」に焦点を当てて体験記をお届けしたいと思います。

なお、中には些細なトラブルの事例も含まれていますが『皆様の賃貸経営に少しでも参考にしたいただければ』と考え、敢えて掲載しておりますのでよろしければ読んでやってください。

ガラスの熱割れ

「ガラスの熱割れ」と聞いても、あまりピンッと来ない方も多いかもしれませんが、これはガラスの中に飛散防止用のネットが組み込まれた「網入りガラス」にて主に起こる現象です。

この手のガラスは、日当たりの良い場所に設置してあると太陽光の熱や寒暖の差で、「熱割れ」と言われる現象を起こします。

そしてこの熱割れは、特に衝撃を与えなくと自然とガラスにヒビが入ってしまいますので、原状回復という観点においては「経年変化」として扱われる現象にカテゴライズされることとなり、

修復に関してはオーナーが負担すべき工事となるのですが、本当に「熱割れ」なのか「入居者の過失(何かをぶつけた)」なのかの判断が非常に微妙なことも珍しくありません。

ちなみに私が遭遇したケースでは、入居者は「熱割れ」と主張しますが、オーナー様は断固として「何かをぶつけたに違いない」と揉め始めてしまいました。

さて問題のガラスは蜘蛛の巣状にヒビが入っており、ヒビの中央には僅かではありますが『ガラスが欠けた跡』もあり、オーナー様が知り合いの建築業者に相談したところ「これは熱割れではない」との判断であったようです。

なお、私も賃貸管理会社という立場上、入居者とオーナー様の間に入らない訳には行きませんので、サッシ屋さんなどに話を聞いてみましたが、やはり熱割れでも「蜘蛛の巣状」「中心の欠け」が生じるケースはあるとのことでした。

そこでオーナー様に連絡を入れ「熱割れでもこうした割れ方をすることがあるようですので、ここは穏便に話し合った方が・・・」と助言しますが、『お前は入居者の肩を持つのか、だったら後は自分でやる!』と電話を切られてしまいます。

『自分で交渉する』と言われてはこれ以上は何も言うことができませんので放置することにしますが、結局は消費者センターなども介入した上、オーナー様の負担の工事となったようです。

ところで、本件の入居者が加入していた借家人賠償保険においては「熱割れ」も保証対象となっていましたから、穏便にお話し合いをして『入居者に保険適応のお願い』をしていれば、どちらも費用を負担せずにガラスの交換ができたはずなのですが、こうなっては最早あとの祭りですよね。

熱割れに関しては、建築業者でも判断が難しいケースがありますから、問題の対処にあたっては是非ご注意いただければと思います。

臭いのトラブル

物件の管理をしていると「臭いについてのトラブル」も意外に多いものです。

例えば「隣りの住人がバルコニーでタバコを吸って、洗濯物に臭いが移る」「隣接するゴミ捨て場の臭いが気になる」といったケースはよく耳にいたしますが、特に厄介だったのは前入居者が「お香マニア」だったケースとなります。

確かに退去立会いを行った際には『お香の臭いが薄っすらと漂って』はいましたが、「壁紙への着色」は確認できませんし、既にクロスの交換時期となっていたため「壁紙を替えれば問題なし」と思っていたのですが、クロスを交換しても臭いはなかなか消えてくれません。

そこで数週間、徹底的な換気することでようやく臭いの駆除に成功しましたが、次の入居者からは「エアコンから線香のようなに臭いがする」とのクレームが入ってしまいました。

もちろんリフォームの際には、エアコンの内部洗浄も行っていたのですが、それだけでは臭いが落とし切れなかったのでしょう。

再度、エアコンを掃除させますが、冷房や暖房の切り替え時には再び臭い出すという始末で、結局はエアコンごと交換するハメになってしまいました。

なお、クレームが入った際には『新たな入居者が敏感過ぎるのでは?』とも思いましたが、実際に部屋に行ってみると結構な臭いがしており、今後は「お香の使用を禁止する特約」を契約書に付加しようかと考えております。

漏水トラブル

アパートやマンションのお部屋は高い独立性が保たれているように思えますが、実はそれ程でもないのが現実です。

特に上の階で水を床にぶち撒いてしまったりすると、下の部屋は一発で漏水の被害をこうむることになります。

よって、上階にて「洗濯機の防水パンから排水パイプが外れる」といった事故が発生しただけで、下階は水浸しとなってしまうことになるでしょう。

そして運悪く下に部屋に置かれていたパソコンに水が降り注ぎ、故障するといった被害が発生した場合には、下階の方から損害の賠償を求められる事態に発展する可能性もあります。

なお、こうしたケースにおいては上階の方の借家人賠償保険にて、下階の方への賠償が可能となる場合が殆どとなりますが、状況次第では「損害額を保険金ではまかないきれないケース」もありますので、大家さんとしては入居時に加入させる借家人賠償保険の内容を充分に精査しておく必要があるでしょう。

また、これが上階の方の過失ではなく、床下の水道管や排水管の老朽化による漏水であった場合には更に厄介なことになります。

まず、配管の老朽化等による漏水については、その責任を大家さんが負わねばならないのが原則です。

そして物件オーナー様であれば、建物について火災保険や施設賠償保険に加入しているでしょうが、老朽化による漏水は残念ながら「保険の対象外」となります。

よって、このようなケースでは上階の方に協力を仰いで「借家人賠償保険によって下階の方へ賠償を行うのがベストな対処法」となりますが、ここでもやはり保険の内容が重要となって来ますので、入居者に加入を義務付ける借家人賠償保険の内容には充分な注意を払う必要があるでしょう。

敏感過ぎる入居者

こちらもかなり困ったケースとなりますが、ある物件の入居者から頻繁に騒音に関するクレームが入って来ることがありました。

もちろんこれが「正当なクレーム」ならまだ良いのですが、五月蠅いと名指しされるお部屋の周囲の方に聞いても騒音が発生している気配はありませんし、音が気になるという頃合いも夜8時といったまだ宵の口の時間帯です。

そこで仕方なく、「周囲のお部屋への注意喚起」と「共用部分への張り紙」をすることにしますがクレーマーは納得がいかない様子なので、音がするという時間に実際にお部屋で立ち会わせていただくことにしました。

そして騒音が聞こえて来るのを持つことにしますが、「ねっ!ほら!五月蠅いでしょう」と入居者は訴えるものの、私には『常識的に考えて問題ないレベルの音』にしか聞こえませんので、「これくらいの音は仕方ないですよ」となだめますが、彼の耳に私の言葉は届いていない様子でした。

なお結局、この入居者は隣室に怒鳴り込むという実力行使に訴え、当事者同士の間で激しいトラブルに発展することとなり、最終的にはクレーマーの方が引っ越すという結末を迎えることになります。

もちろん「騒音の感じ方は人それぞれ」ですが、今回のクレーマーのように一般的な感覚を逸脱している方というのは非常に厄介です。

ちなみに、この事件を切っ掛けに私の会社では賃貸借契約書の特約事項に「契約違反ではなくても近隣とトラブルに発展し、オーナーや管理会社の指導に従わない場合は契約が解約となる旨」を付加するようにしています。

賃貸管理トラブルまとめ

さて、ここまで見て来たように、一口に賃貸トラブルといっても様々なパターンがあり、とても一筋縄では解決ないケースも数多くあることがお判りいただけたことと思います。

また、不動産投資は「不労所得」などと言われることも少なくありませんが、管理業務まで自分でこなすとなれば「かなりの労力が必要」となりますし、「悩みも絶えない」のが実情なのです。

よって、収益物件の運用を気軽に行いたいのであれば、それなりの費用を払って有能な管理会社に依頼をするか、オーナー様自身が場数を踏んで不動産管理の知識と技量を身に付けるしかないように思います。

なお、本ブログでは掲載記事を通して、より多くの方に「不動産運用をより楽にこなせる知識」をご提供して行きたいと考えておりますので、困りごとが発生した際には是非ご参考にしていただければ幸いです。

ではこれにて、賃貸トラブルの体験記を締め括らせていただきたいと思います。