マイホームの購入は「一生に一度の大きな買い物」などという言われ方をされますので、そのマイホームを手放すこととなれば、これは必然的に「人生最大の売り物」ということになるでしょう。

また、自宅を売却する以上は「それなりの事情がある」ものですが、その理由が『新たなステージに進むためのマイホームの買い換え』であれ、『経済的な事情によって、泣く泣く自宅を手放す』のであれ、少しでも高く売りたいと考えるものです。

こうした売主さんのご希望に応えるために、これまで当ブログでは様々な記事をお届けしてまいりましたが、マイホーム売却を有利に進める方法として現在注目を集めているのが『不動産の一括査定サイト』と呼ばれるものとなります。

そこで本日は「不動産一括査定のメリット・デメリットを解説します!」と題して、不動産売却の新たな潮流として注目を集める新サービスについて解説をさせていただきましょう。

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不動産の一括査定とは?

ではまず最初に、「不動産一括査定サイトとはどのようなものなのか?」という点から解説を始めていきましょう。

「マイホームを売却したい」と考えた場合に、まず売主さんの頭に浮かぶのが『不動産会社に売却依頼を行う』というアクションであるはずです。

なお実際に不動産会社へコンタクトを取れば、物件を見に来た上で「まずは査定報告書を作成いたしますので、それを見た上で売却依頼を行うか否かの意思決定をしてください」という流れになるはずです。

この査定報告書なるものは、物件を売りたい依頼者と不動産業者との『最初の懸け橋』ともいえる書面であり、単に「対象物件がいくらで売れるかという査定結果の報告」に止まらず、

『いかに自分の会社が信頼に足る企業であるか』『どれだけ地元の相場に精通しているのか』『他社とは一線を画するサービスを提供する自信がある』などの「不動産業者のアピール」が目いっぱい詰め込まれたものとなります。

ちなみに、こうしたアピールを行う背景には「依頼者が複数の不動産会社に声を掛けている可能性」を視野に入れ、他の不動産業者との差別化を図ることが狙いとなりますので、不動産業者にとって査定報告書とは「その出来映え如何によって、仕事にあり付けるか否かを決定する重要書面」といっても過言ではないのです。

一方、売却を依頼するお客様にとっても、査定報告書は「一生に一度の売却」を任せる業者を選定するための重要な資料となりますから、可能であれば「多くの不動産業者に査定をしてもらい、その中から厳選した会社に売却を依頼したい」と考えるのは当たり前のことでしょう。

しかしながら、不動産業者の中にはクオリティーの低い悪徳業者も混ざっていますから、やたらと査定依頼を行うのは怖い気もしますし、何社もの不動産業者が自宅を見に来るというのも、実に煩わしいものです。

そして、このような背景から誕生したのが「不動産一括査定サイト」と呼ばれるサービスであり、サイト上で簡単な査定依頼を行うだけで、一気に複数の会社から査定報告が依頼者の手元に届くことになります。

さて、このようなお話をすると「確かに便利だけど費用が掛かるのでしょ?」と思われるかもしれませんが、実はこのサービスは完全に無料でご利用いただけます。

既にお話しした通り、不動産業者にしてみれば査定をするだけで「仕事が入って来るチャンス」が到来する訳ですから、これは実にありがたいことなのです。

よって、不動産一括査定サイトに依頼が入り、サイトの運営業者が顧客情報を不動産業者に提供する場合には、不動産業者の方からサイト運営会社に費用を払うこととなり、この費用によってサイトが成り立っていますので「査定依頼者が請求を受けることはない」ということになります。

また、査定依頼者は手元に届いた報告書の内容を精査した上で、売却依頼を行う業者を選定することになりますが、「気に入った不動産業者がいない」「査定価格を知って、売却を諦めた」といった場合には、売却依頼をせずに済ませることもできますから、これは非常にありがたいですよね。

このように依頼主・不動産業者共にメリットのある不動産一括査定サービスは、画期的な新システムとして不動産業界を震撼させましたが、現在では同様のサービスを提供する企業が複数登場しており、熾烈な顧客争奪戦を繰り広げている状態となっているのです。

 

不動産一括査定のメリット

前項にて不動産一括査定サイトの概要についてはご理解いただけたことと思いますが、実際にこれを利用した場合には「如何なる利点や問題点」があるのでしょうか。

そこでまずは、現役の不動産会社営業マンである管理人の視線から見た、不動産一括査定のメリットからご紹介していきたいと思います。

査定依頼を行う手間が省ける

冒頭から当たり前なお話となってしまいますが、不動産一括査定サイトを利用する上での最大の魅力はやはり「査定依頼を行う手間が省ける」という点です。

これまでもお話しした通り、不動産業者にとって売却の依頼は非常にありがたいものですから、電話やメールで依頼が入れば直ぐにでも現地に駆け付けたい心境となります。

しかしながら、こうした依頼を複数の会社に行えば「その都度営業マンが鼻息荒く訪ねてくる」のですから、依頼者としてはかなり苦痛です。

また、その度に図面などの資料を提供して、営業マンに必要な情報を伝えなければなりませんから、これも非常に手間の掛かる作業となるでしょう。

その点、一括査定であれば簡単な入力作業のみで複数の会社に査定報告書を作ってもらえるのですから、これは非常にありがたいですよね。(一括査定では簡易的な報告書のみの作成となるケースも多いですが、後日本格的な査定報告書の作成を依頼することも可能です)

「地域の相場」や「不動産の評価方法」を把握することができる

不動産業者を営む上では、担当する地域について「正確な相場観を養うこと」が何よりも重要です。

しかしながら不動産業者同士で話をしていると、物件の売値について「3200万円くらいで売れるでしょ」「いやいや3500万円はいけるよ」といった具合に、売却可能価格について意見が分かれるケースも少なくありません。

また、こうした価格を割り出すに当たっても、「自分がこれまで取引をして来た経験」や「同業者から聞いた成約の事例」を基に各々が独自の算出方法で価格の予想を行っている場合が殆どです。

よって、1社2社に査定依頼をしただけでは、担当者の考え方や経験値の違いによって、現実の相場とは若干異なる査定結果が出てしまうこともあり得ます。

これに対して一括査定の場合には、複数の業者が作成した査定報告書を比較できますから、「各営業マンがどのような方法で売却可能価格を割り出しているか」を知ることができますし、相場についても「どの程度の価格帯が多数派の意見であるのか」が一目で把握できますよね。

そして、こうした情報を得ることができれば実際に売却依頼を行う際にも、『本来は3000万円くらいが相場だけど、値引き交渉に備えて3200万円の値付けにしておこう』といった判断ができますし、値引き交渉が入った際にも『買い手の希望購入価格が2950万円なら、決して損な値段ではない』といった決断をスムーズに行うことが可能となるはずです。

意図的な「高額査定」や「低額査定」を行う業者を排除できる

不動産業者の中には自分に有利な展開に持ち込むために、意図的に「高額査定」や「低額査定」を行って来る者もいます。

例えば、「極端に高額な査定をすれば、他の業者よりも売却依頼を受けられる可能性が高まるし、依頼を受けた後は様々な理由をつけてジリジリと値段を下げさせればいい」といった方針の業者は意外に多いものですし、

自ら戸建ての分譲を行う業者などは「少しでも安く買いたいから、敢えて成約価格の安い事例ばかりを採用した査定報告書を作ろう」などと考えるものです。

そして、少数の業者にしか査定の依頼を行わない場合には、こうした作為的な査定価格の存在によって「一体誰の意見を信じれば良いものやら」と頭を悩ませてしまうことになりますが、

一括査定ならば複数の査定結果を見比べることで、「自ずと不自然な査定をしている業者が明らかになる」でしょう。

 

不動産一括査定のデメリット

ここまで不動産一括査定のメリットについてお話をして来ましたが、如何に便利なシステムにも必ず弱点はあるものです。

そこで本項では、不動産一括査定のデメリットについて解説を行っていきたいと思います。

悪徳業者が排除しきれない

まず不動産一括査定サイトのデメリットして挙げられるのが、必ずしも悪徳業者を排除することができるとは限らないという点です。

「不動産の一括査定とは?」の項でもお話しした通り、サイトの運営者からすると査定を行う不動産業者は「費用を払ってくれるスポンサー」という立場であるため、『酷い営業方針の業者に対しても見て見ぬふりをする可能性』は充分にあります。

事実、私の知り合いの不動産業者の中にも、一括査定サイトに登録をしておきながら「かなりキワドイ営業」を行っている会社がありますので、この点には充分な注意が必要です。

なお、「スポンサーとなる不動産業者の獲得に苦労している不動産一括査定サイト」であればある程に、こうした悪徳業者が混ざり込んでいる可能性が高くなるでしょう。

営業訪問や電話の嵐になる可能性

また、悪徳業者とまでは言えないものの、非常にノルマの縛りが厳しい不動産業者であれば「とにかく電話やメールをして、売却依頼を勝ち取れ」という指示が会社から出ているケースも少なくはありません。

更に、不動産業界では広告費を掛けて獲得したお客様を逃すことは「会社に対して損失を出させているのと同じ」と考える営業マンも少なくありませんから、自ずと営業には力が入ってしまうものです。

ただ、査定を依頼する側からすれば、何度も掛かって来る営業電話や訪問は非常に煩わしいものですし、これを5社6社で一気にやられたのでは堪ったものではありませんよね。

一度売却依頼をしたら断り辛い

一括査定サイトでは、複数の不動産業者の中から「自分の気に入った業者を選ぶ」ことになりますが、「実際の販売活動を開始してみたら、満足のいかない会社であった・・・」という場合もあるはずです。

もちろん、このようなケースでは「依頼主の意思で売却依頼業者の変更」が可能となりますが、自分が選んでしまった業者であるだけに、お断りの連絡を入れるのは『実に気まずい感じ』がしますよね。

また前項でもお話しした通り、広告費を使って獲得したお客様を不動産業者はそう簡単に手放そうとはしませんので、時には「もう一度だけチャンスをください」などと粘られてしまうケースもあり得ますから、これは実に煩わしいものです。

不動産業者との間に信頼関係がない

不動産の取引では価格の交渉や買主の募集以外にも、「越境物の取り扱い」「私道の通行・掘削承諾の取得」など、後々トラブルに発展する可能性のある問題について、売却前に処理を行っておく必要があります。

そして、取引を担当するのが「長年のお付き合いがある顔見知りの不動産業者」や「知人から紹介を受けた不動産会社」であれば、このような問題の処理方法について疑問も生じた場合でも「任せておけば安心だろう」と思えるものです。

これに対して「一括査定サイトで自分が選んだ業者」となると、そこに信頼関係は存在していませんから『本当に信用して良いものか・・・』と不安になるのも無理はありません。

不動産一括査定サイトを利用される方の中には、このような場合に不便さを感じる方も多いようです。

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おすすめの不動産一括査定サイトは?

さてここまで、不動産一括査定サイトのメリットやデメリットについて解説を行ってまいりましたが、このような状況の中で「一体どの査定サイトを選択するべき」なのでしょうか。

なお現在、一括査定サイトの大手としては

  • HOME4U・・・不動産一括査定サイトの最古参、NTTデータグループが運営
  • LIFULL HOME’S・・・物件情報ポータルサイト大手が提供する査定サイト
  • すまいValue・・・大手仲介業者のみで運営される一括査定サイト
  • イエイ不動産売却査定・・・大手から地域密着業者まで幅広い業者が参画する一括査定サイト
  • イエウール・・・利用者数no.1を誇る大手一括査定サイト

などが知られており、そのどれもがユーザーから高い支持を集めています。

「HOME4U」は開業十数年の長い歴史と、NTTデータグループ運営というブランド感が人気ですし、「LIFULL HOME’S」は最大10社からの査定を同時に受けられることと、運営する物件情報ポータルサイトの知名度の高さに安心感を覚える方が多いようです。

また、「すまいValue」は査定を行う企業が全て大手仲介業者というのが売りですし、「イエウール」は一括査定サイト評価ランキングで常に上位をキープする人気サイトです。

そして、これらのサイトのどれもが各々に魅力のあるサービスを提供してはいるのですが、『こうした情報だけではなかなかサイトの絞り込みができない』のが実情でしょう。

そこで次項では、「失敗のない一括査定サイトの選び方」を解説してみたいと思います。

 

失敗のない一括査定サイトの選び方

本記事の「不動産一括査定のデメリット」の項においては一括査定の問題点についてご説明をいたしましたが、逆転の発想をすれば『これまでにご紹介したデメリットを克服しているサイト』を選ぶことができれば「サイト選びは自ずと成功する」ことになるはずです。

そこで本項では、各サイトが問題点を克服するために行っている対策をご紹介しながら、一括査定サイト選択のポイントを解説して行くことにいたしましょう。

悪徳業者・過剰営業業者の排除

一括査定サイトの中には、登録不動産業者の「悪質な行為」や「過剰な営業活動」に対して『ユーザーからの通報システム』を導入しているところもあります。

そして、こうしたシステムを備えることで常に自浄作用を働かせて、質の悪い査定業者を排除することで顧客満足度を向上させるための努力を行っているサイトは「非常に安心感があります」よね。

更には、違反行為を行った業者に対して「問答無用の退会措置」を謳っているサイトもありますが、こうした厳格な対応を行っている点はサイト選びにおいて大きなプラスポイントとなるはずです。

既にお話しした通り、一括査定サイトは「不動産業者をスポンサーとして運営されています(登録業者に顧客の情報提供を行うことで報酬を得ている)」から、本来であれば自らスポンサーを退会させるような行為は極力避けたいのが本音でしょうが、

こうした事情があるにも係わらず登録業者に対して厳しい対応が可能であるということは「たとえスポンサーをクビにしても、他にいくらでも代わりの業者がいる」という事情の裏返しでもあります。

よって、登録業者に対して厳しいルールを強いているサイトを選択することで「選ばれた有能な不動産会社のみが揃う一括査定サイト」に巡り合える可能性が高まるという訳です。

申し込み後のアフターサービス

一括査定サイトの中には、「申込み完了後は査定を行った不動産業者とお客様が直接やり取りを行い、問題が発生しても一切サイト側は関知しない」というスタンスのところも少なくありません。

しかしながら、これでは「この不動産会社は本当に信頼して大丈夫なのか?」といった疑問が生じた場合や、「お付き合いをお断りしたのに、しつこく連絡して来る」といった悪質な業者に対応することができません。

そこで、一括査定サイトの中にはこれらの問題に対処するべく「24時間体制の相談センターを設置」したり、「ユーザーに代わって、業者へお断りの連絡をしてくれる」などのサービスを行っているところもあります。

よって、一括サイトの選択においては『如何に充実したサポート体制を用意しているか』も非常に重要なポイントとなって来るでしょう。

登録業者に偏りがないこと

さて、一口に不動産業者といっても売買仲介を専門とする会社から、戸建て分譲をメインとする企業、そしてリノベーション事業を得意とする業者まで、実に様々な業態が存在するものです。

そして不動産の査定においては、こうした様々な業態の会社から「まんべんなく意見を聞くことも非常に重要なポイント」となるでしょう。

しかしながら、一括査定サイトの中には『大手不動産業者限定』『建売分譲業者のみ』といった偏った会社の査定しか受けることができないものもありますので、こうしたサイトは極力避けるべきかと思われます。

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不動産一括査定のメリット・デメリットまとめ

さてここまで「不動産一括査定のメリット・デメリット」、そして一括査定サイトの選び方などについて解説を行ってまいりました。

なお、最後にお伝えしておきたいのが「高額査定をしてくる業者が必ずしも優れた業者ではない」という点です。

もちろん、売主さんとしては『高く売ってくれる業者がありがたい』と思われるでしょうが、物件を売るということは自ずと「買主に対して大きな責任を負う」ことにもなりますから、取引上のトラブルを回避する知識や経験を充分に有した業者を選ぶことは非常に重要となります。

ちなみに、たとえ低い査定額を提示してきた業者に対しても「その価格を上回る金額で売却を依頼する」ことは可能ですから、査定額が高額な業者よりも『対応が丁寧で、不動産に対する知識を豊富に持った会社を選択するべき』でしょう。

なお、このようなお話をすると「素人がどうやって不動産業者のスキルを見極めればよいのか?」と疑問に思われる方も多いでしょうが、そのような場合には是非本ブログ「不動産の知恵袋」をご活用ください。

当ブログには「不動産業者ならば当然知っているはずの知識」や「できる営業マンなら知っておくべき情報」が満載されておりますから、ここに記されている内容について『営業マンに対して敢えて質問をしてみる』ことで、業界経験の豊富さや不動産に対する知識の深さを推し量ることができるはずです。

不動産売却を成功さえるコツは、信頼の置けるパートナー(不動産業者)を見付けることに他なりませんので、一括査定サイトを上手に活用して最高のパートナーを探してみては如何でしょう。