不動産の物上げ方法

 

不動産の仲介をしている方や、建売屋さんの営業マンにとって、最も重要な仕事は「情報を得ること」であるとされています。

なお、「不動産の仕事」と「情報」といっても『今ひとつピンッと来ない』という方も多いかもしれませんが、「マイホームを買いたい」「お部屋を探している」といった要望を持つお客様を確保することは、

これ即ち『(買いたい方や借りたい方の)情報を得る』ということになるでしょうし、「家を売りたい」「貸したい」と検討しているお客様を発見することも、また同様でしょう。

このように考えてみれば、不動産の仕事を成功させるには「如何に良質な情報を得ることができるか?」というのが最大のポイントとなって来る訳です。

また、「不動産の購入を希望するお客様」については、ネット広告や現地販売会などで情報を得る(お客様と知り合う)ことも可能ですが、「不動産を売却したい」という情報は、如何なる広告活動を行っても『簡単には手に入るものではない』ことは自明の理ですよね。

そうとなれば、自ら率先して営業活動を行い「売却希望の情報を集めに行くのが最善の方法」となる訳ですが、これはこれで『非常に難しい』というのが現実でしょう。

そこで本日は、売買の営業マンなら誰もが欲しがる「売り物件情報を獲得する」ための手段、『不動産の物上げ方法』について解説してみたいと思います。

スポンサーリンク

 

物上げ(ぶつあげ)とは?

売買の営業をされている方にはすっかりお馴染みの「物上げ(ぶつあげ)」という言葉ですが、『聞いたこともない』という一般の方も多いかと思いますので、まずは用語の解説から始めたいと思います。

「物上げ」とは不動産の業界用語の一つであり、『本来は売りものではない土地や建物を、売物件に仕立て上げる』ことを意味する言葉です。

ちなみに売買の仕事をしていれば、何かの切っ掛けで「売却依頼の問い合わせ」が舞い込んで来ることもなくはありませんが、これはあくまでも『お客様発生の売り情報』となりますから、正確には「物上げした」とは言えません。

そして、これとは反対に相続の相談などを受けながら「この土地を売ってしまわれては?」などの提案を行い、「0」の状態から新たな売り物件を生み出すことができれば、これは正に「物上げした」と言える訳です。

もちろん売買仲介を行うに当たっては、「物件を買いたい」「お客様発生で物件を売りたい」といった案件も商売に繋げることのできる『貴重な情報』ではありますが、既に「買いたい」「売りたい」という意思が固まっているお客様は『他の不動産業者で成約してしまう可能性が高い』のも事実でしょう。

また、売却希望のお客様を逃がさないためには専任媒介契約を結ぶという手段もありますが、素早く買い手が現れなければ「3ヶ月であっという間に媒介契約を解除されてしまう」ことも珍しくありません。

これに対して「物上げされた物件」は、売りに出すという動機の部分から特定の不動産屋さんが係って行くことになりますから、他の情報に比べて飛躍的に成約率が高くなるという訳です。

よって、売買仲介をメインとする不動産屋さんや、建売屋さんにとっては「自分で物上げした物件」こそが最も確度が高く、魅力のある情報ということになります。

但し、「美味しい情報は、得るのも難しい」というのが世の常ですから、多くの業者さんが物上げを行うために血眼になっているのが現実なのです。

そこで次項では、具体的な「物上げの方法」について解説をしてみたいと思います。

 

物上げの手法をご紹介!

では早速、物上げの手法について解説して行きたいと思います。

なお、今回ご紹介する方法は、昔ながらに行われている「ベタなもの」から、私の知り合いの不動産屋さんが行っている「少々奇抜な方法」まで取り揃えてみましたので、是非皆様の営業活動のご参考にしていただければと思います。

広告・ダイレクトメールを利用した物上げ

広告やDM(ダイレクトメール)での勧誘は、不動産をお持ちの方にはすっかりお馴染みの手法であり、物上げの方法としても最も基本的な手段となります。

なお、ただ単に「売り物件募集」「無料査定承ります」などと書かれた広告もよく目にしますが、物上げを成功させたいのであればより具体的な情報を掲載した広告を用いるべきです。

例えば、分譲マンションなどの成約事例を元に「●●●号室が▲▲▲▲万円で成約しました!あなたも売却してはみませんか?」というタイプのものや、「●●町■丁目限定で、30坪の土地を■■■■万円で探しておられるお客様がいらっしゃいます」などと言ったパターンが一般的なものとなるでしょう。

ちなみに、私の知り合いの中には『週に3件』など件数を定めて、ターゲットに選んだ物件に直接「個別の査定報告書」を送り付け、売却を促している業者も存在します。

スポンサーリンク

 

地域の情報を元に飛び込み営業

こちらも昔ながらに行われている手法ですが、地域に密着した営業活動をしていると「●●さんの家でお爺さんが亡くなった」などの情報が入って来るものです。

相続が発生した場合などは、それに伴う売却案件が生じる可能性も高くなりますから、こうしたお宅に直接営業を掛けるという方法となります。

もちろん、全く面識のない不動産業者が突然訪問すれば「門前払いを喰らう可能性が高い」でしょうから、大切なのはお話の持って行き方です。

例えば「ターゲットのお宅の知人の紹介」などという形がベストなのでしょうが、これを行うには地域で余程顔が広くない限り、目的のお宅まで辿り着くのは困難でしょう。

そこで不動産屋さんの中には、こうした機会を逃さないために町内会の活動に積極的に参加したり、地域の野球チーム、消防団などに所属している方も多いようです。

こうした活動を続けていれば、自ずと地元の知り合いが増えて来ますから、ターゲットとなるお宅とのパイプも作りやすくなることと思います。

なお、私の知り合いにはお店の看板に「相続相談専門」などの謳い文句掲げた上、相続が発生したお宅に「無料相続相談承ります」などのチラシやDMを散々投げ込んでから、飛び込み営業を行っている方もいらっしゃいます。

確かにこうした切り口であれば、たとえ面識のないお宅でも案外すんなり切り込んで行けるかもしれません。(突然訪問しても「何処かで聞いたことのある不動産屋」というイメージを持ってもらえる可能性があります)

不動産の無料相談会開催

不動産業者の協会などでは時折こうした相談会のイベントを開催していますし、個々の企業においてもホームページ上や、店頭にて相談会を行っておられるところが多いでしょうが、今回ご紹介する手法は自らが特定の場所に出向いて相談会を行うのが「肝」となります。

そして、出向く先は地域のフリーマーケットやお祭り、町内会のイベントなどがおすすめです。

この方法であれば他の出店(でみせ)に紛れて机と椅子だけを並べておくのみですから、準備があまり必要がないのも魅力となります。

もちろん勝手に出店はできませんので、主催者に許可を得る必要がありますが、私の知り合いはこの方法でかなりの数の物上げに成功しているといいます。

特定の団体の顧問不動産屋さん的な立場を獲得する

これも私の知り合いが実践している方法ですが、地域には様々な「団体」や「交流会」などが存在しているものです。

そして、こうした組織に加わって「不動産に関する相談は、自分が窓口になる」といった立場を獲得してしまうのが『この手法のポイント』となります。

なお、飛び込みでこうした「会」や「集まり」に参加して『初っ端から商売気を出す』のはむしろ逆効果となります、組織内である程度顔を売った後に「不動産に関する相談があれば声を掛けてください」などとアピールしていくのが良いでしょう。

また不動産業者の中には、自ら地域の異業種交流会などを企画し、仕事の糸口にしていおられる方もいらっしゃいます。

そして、この方法ならば団体内に他の不動産屋さんが入り込むことも防げますので、それなりの効果が上げられそうですよね。

但し、自分で立ち上げた団体を長期に渡って維持していくのはかなりの労力と、本人の資質が問われる部分ですから、「誰にでもできるという方法ではない」こともご理解ください。

人を使って営業活動を行う

「自分も不動産屋さんに勤めている身なのに、人なんか雇えないよ」というお声も聞えて来そうですが、実際にこの方法で多くの仕事を獲得している業者さんもいらっしゃいます。

なお、私の知る「ある営業マン」が行っている方法を例に取ってご説明させていただきますが、まずは販売物件の広告などに「主婦のアルバイト募集」などの文言を載せ、営業活動を行う人員を確保するところから作戦はスタートすることになるでしょう。

そして、ここで集まった者たちに与える仕事は「不動産を売却しそうなお客様との顔つなぎをする」という内容になります。

また報酬については顔つなぎをしてもらい、具体的な売却依頼を受けることができれば「●万円」という取り決め方をしますが、この営業マンの場合には「成約したら更に●万円」など、売買のフェーズをクリアーするごとに追加の報酬を設定しているそうです。

これならばランニングコストが掛かりませんから、エージェントを無限に増やすことが可能となりますよね。

また、他の業者さんは生命保険会社の外交員や、ヤ●ルトの社員さんに同様のアルバイトを持ち掛け、成功を収めておられるそうですから、この方法もなかなか効率的なのではないでしょう。

スポンサーリンク

 

物上げ方法まとめ

このように、物上げの関しては様々な手法が存在しており、今なお「新たな手法」が編み出され続けています。

闇雲に努力を続けるのではなく、「効率良く情報を得るためには、どのような行動をとるべきか」という視点で、仕事を進めることが「できる営業マンになるための第一歩」なのではないでしょうか。

優秀な営業マンも、そうでない営業マンも与えらた条件は同じなのですから、限られた時間で可能な限り効率的な動きを心掛けたいものですよね。

ではこれにて、不動産の物上げ方法をご紹介する知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。