賃貸アパート、マンション等の賃料に次いで、不動産投資を行う方の収入源となっているのが、月極駐車場の運営による収益です。

僅かなスペースで、そして手軽な契約にて収益が上げられる駐車場の経営は、正に大家さんの強い味方とも言える存在でしょう。

もちろん地域にもよりますが、都心部なら1区画で月額2万円~5万円程の収益が望めますし、他のエリアでも1万円前後は稼げる場所が多いでしょうから、これを逃す手はありませんよね。

しかしながら近年、月極駐車場を経営する上での大きな問題となっているのが、違法駐車に関する問題です。

そこで本日は、駐車場の違法駐車対応に関してお話をしてみたいと思います。

駐車場の違法駐車対応

 

大きな問題になりつつある違法駐車

「月極駐車場での違法駐車」と言われても、今ひとつ『ピンッと来ない』という人も多いかもしれません。

この違法駐車とは、本来契約者が定められている月極駐車場の区画に全く関係のない部外者が無許可で車を止めてしまう状況を指す言葉となります。

さて、このようなお話をすると「そんなの昔からあったトラブルなのでは?」と思われるかもしれませんが、実は近年になり突如として発生件数が急増しているのです。

そして、その原因と目されているのが2006年に行われた道路交通法の改正となります。

この改正により、路上駐車の取り締まりが一部民間会社に委託された上、これまで一定の時間を空ける必要のあった違反切符の発行が、その場で行えるようになったのです。

また改正当時は当局も取り締まりに力を入れており、「ちょっとした路上駐車で痛い目を見た・・・」という方も多かったのではないでしょうか。

なお現在では、すっかり取り締まりも「緩くなった印象」ですし、この話を聞いて『そんなこともあったね・・・』と思われる方もおられるでしょうが、こうした道交法改正が残していった負の遺産こそが「月極駐車場での違法駐車」なのです。

実は当時、ネットなどでは「駐車禁止の切符を切られるよりは、民間の土地である月極駐車場に無断駐車した方がマシ!」などの情報が流れ、以来、この悪しき手法が一部の者達により脈々と継続されることとなってしまいました。

『だったら警察に通報すればよい!』とも思われるかもしれませんが、月極駐車場へ違法に車を止める行為は「民事事件」の範疇となり、警察は『不介入』というのが原則なのです。

ちなみに、私も管理している駐車場に違法駐車をされた経験があり、何度か警察を呼びましたがレッカー移動はしてもらえず、ナンバーを控えて警告文を張る程度の対応しかしてもらえませんでした。

そして、本来の契約者が駐車場に戻ってくればトラブルとなるのは確実であり、場合によっては「駐車できなかった期間に要したタイムパーキング代」を大家さんや管理会社に請求して来ることもあるのです。

このようなお話を聞くと『だったらレッカー車をチャーターして、移動してしまえば!』という気もしてきますが、これは絶対に避けるべき行為となるでしょう。

レッカー移動により車が傷付いたなど、後から難癖を付けられるケースも少なくありませんし、酷い場合には飲み物が並々と入った紙コップをシートの上に置いておき、「レッカー移動によって飲み物が溢れ、シートが汚れたのだから張り替え代金を支払え」と言って来る輩までいるのです。

では一体、どのように違法駐車に対策を講じれば良いのでしょうか。

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自分でできる違法駐車対策をご紹介

そこで本項は一般の方々でも手軽に行える上、それなりの効果も望める不動産屋さん的違法駐車対策法をご紹介してみたいと思います。

罰金看板の設置

既に対策済みの月極駐車場も多いかと思いますが、「違法駐車については5万円申し受けます」等の看板や張り紙を設置する方法となります。

『そんなことで抑止力になるの?』と思われる方も多いかもしれませんが、これが意外に効果的なのです。

また、この後に紹介する方法と合わせて行うことで、絶大な効果を発揮しますので、まずは罰金看板の設置を行いましょう。

警告文の貼り付け

こちらもオーソドックスな方法となりますが、前項でご紹介した「罰金看板の設置」が済んでいれば警告文に「支払命令」を書くことができますから、これは車を止める側にとって『かなり嫌な感じ』を与えることができるでしょう。

また、デジカメなどで車両の写真を撮影し、警告文と共に掲示して「晒し者」にするのも良い手段です。

こうすることで「証拠として写真を撮っていること」もアピールできますし、「ナンバーが控えられいること」も相手に伝わるでしょう。

但し注意したいのは、車のフロントガラスなどに直接粘着テープなどで張り付けてはいけないという点です。

「ガラスが傷付いた」「汚れた」などのイチャモンを付けて来るケースがありますから、おすすめは駐車場のアスファルトなどにデカデカと貼り付ける方法となります。

陸運局へ行き、車の所有者を特定

これまでの方法で事態が改善しない場合には、自動車の所有者に直接クレームを付けるという方法があります。

ご存じの方も多いと思いますが、陸運局に行けば第三者でも車の所有者の情報を取得することができますので、これを利用しない手はありません。

なお注意すべきは、「ひらがな表示」などナンバーの全ての情報がないと所有者を調べることができないという点と、ナンバーを発行している管轄の陸運局に出向かなければならない点になるでしょう。

よって、違法駐車車両が地方のナンバープレートを付けている場合には、対応するのに少々苦労させられるかもしれません。

ちなみに所有者が判明すた場合には、内容証明などを送付して「罰金看板」に基づいた損害賠償請求を行うことも可能です。

法的手段に訴える

ここまでやっても効果が無ければ、もはや法的な手段に訴えるしかありません。

「裁判などは面倒・・・」と思われるかもしれませんが、私の経験上、意外に簡単に片が付くものです。

大抵の場合は訴状が相手方に届いても反応はなく、車両を処分できる判決が迅速に下るのが王道のパターンとなります。

また、弁護士はもちろん、司法書士でも大家さんの代理人を務めることができますから、彼らに依頼をすれば裁判所に足を運ぶことなく問題を解決することが可能でしょう。

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月極駐車場違法駐車まとめ

さてここまで、月極駐車場の違法駐車対策について見てまいりました。

本文中でも解説した通り、最終的には裁判に持ち込むしかありませんが、ここまで至るのは非常にレアなケースとなるはずです。(これは違法駐車というよりも、もはや不法投棄ですし)

なお、私の友人の不動産屋さんには「フロントガラスにマヨネーズを塗り付ける」という凄まじい嫌がらせで、再発防止を対策を行っている方もいらっしゃいます。

もちろん、決して皆様におすすめできる方法ではありませんが、ここまでしなければならない程に不動産屋さんも大家さんも違法駐車には悩まされていることがご理解いただければ幸いです。

なお、違法駐車車両の被害にあった月極駐車場の契約者から「コインパーキング代金などを請求された際の対策」として、最初から契約書に『駐車料金等の請求はできない旨』の特約を入れておくという方法もあるでしょう。

※月極駐車場の契約内容と特約については過去記事「駐車場契約書と特約の内容を解説致します!をご参照ください。

このように自力で行える違法駐車対策は意外に多いものですが、「こうしたテクニックを使わずとも、違法駐車に頭を悩まされることのないモラルある社会」となってくれることを願わずにはおれません。

ではこれにて、駐車場の違法駐車対応について考える知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。