私たちは日々、多くの住宅設備に囲まれながら生活を送っています。

キッチンにバスルーム、トイレなどその種類は実に様々ですがそのどれか一つにでもトラブルが発生すると、なかなか快適な暮らしを送ることはできなくなってしまうものですよね。

なお一口にトラブルといっても電気系統から漏水まで、その原因は色々ですが中でも最も発生頻度が高いと言われる問題が「下水に関するもの」とされています。

また、特に排水口から下水の臭気が上がって来るといった問題は、多くのお宅で発生しているはずですから「今この瞬間も悪臭に頭を悩ませておられる方」がおられることでしょう。

そこで本日は「下水の臭い対策について解説いたします!」と題して、この問題の解決法についてお話しさせていただきたいと思います。

下水の臭い対策

 

下水の排水口は様々なトラブルの元

さて具体的な排水口の臭い対策についてお話しする前に、「下水トラブルの危険性」について少々解説させていただきたいと思います。

冒頭でもお話しした通り、建物においては実に様々な問題が発生するものですが、その中でも下水の不具合は「建築関係の仕事をしている方」や「不動産業者」の頭を大いに悩ませるものとされており、その理由はズバリ『この種の問題が後々大きなトラブルに発展する可能性が高いため』となります。

なお、もしもこれが電気系統のトラブルであれば、配線工事やパーツの交換で改善するケースが殆どとなりますし、水道についても漏水などの被害は甚大ではあるものの、比較的に早い段階で異変に気付くことができる上、修繕も意外に簡単なケースが少なくありません。

これに対して下水のトラブルは、たとえ配管に亀裂が入っている場合でも一気に漏れ出すことは少ないですし、家主が気付かぬところでジワジワと症状が進行しているパターンが少なくないのです。

また、漏れ出す「もの」が「もの」だけに、臭いの被害に止まらず、害虫害獣を呼び寄せることも少なくありませんし、

管理人が経験したトラブルの中には、漏れ出した汚水がアスファルトの下の土を押し流し、地盤沈下を引き起こした例まであります。(詳細については「地盤沈下は下水が原因?という体験記をお届け!」の記事を参照ください)

このように下水に関連して発生するトラブルは見た目の症状に反して「思いも寄らない被害」をもたらすこともありますから、たとえ「少し臭いが上がって来る」といった程度の問題でもしっかりと対処しておく必要があるのです。

 

下水の臭い対策をご紹介

前項の解説にて「下水に関するトラブルの恐ろしさ」をご理解いただけたところで、具体的な排水口の臭いの対処方法をご紹介してまいりましょう。

配管の洗浄

「排水口が臭い!」と感じた時に、まず皆様の頭に浮かぶのが「配管の洗浄」という対処法なのではないでしょうか。

確かにドラッグストアーなどに行くと「パ●プユニッ●ュ」等の様々な配管洗浄用品が並べられていますから、最も簡単に着手できる解決法でもあります。

ちなみに、これらの洗浄用品は排水口に流し込んでから数時間待ち、水で流すことにより配管に詰まった髪の毛やヌメリを除去する方式となり、管理人もこれまでに何度かこのタイプの洗浄剤を使用したことがありますが、確かにその洗浄力は凄まじく、単純に「詰まりや汚れの溜り」が原因であれば簡単に臭いを除去することが可能です。

しかしながら、時には薬剤を流し込むだけの洗浄では問題が解決できない場合もありますので、次に試すこととなるのが水圧を利用しての「高圧洗浄」や「ワイヤー型の掃除ツール」となります。

なお、「どちらも専門業者さん用の道具」といったイメージがありますが、ワイヤータイプのものはホームセンターなどでも売られている(取り寄せも可能)ことがありますし、

高圧洗浄についても某ドイツ製の高圧洗浄機の先端に細めのゴムチューブを取付けるなどの方法で代用品の自作も可能ですから、頑固な詰まりが臭いの原因の場合には是非お試しいただければと思います。

※本格的な下水の高圧洗浄についての知識は別記事「高圧洗浄!排水管のメンテナンスについて解説いたします!」をご参照ください。

トラップの改善

前項にて配管掃除の方法をご紹介いたしましたが、私の経験上、洗浄のみで悪臭が収まるケースは意外に少ないのが実情です。

そして、臭気の原因として最も可能性が高いのが排水トラップの不具合となります。

排水トラップとは、配管の途中に「水が溜まる箇所(トラップ)」を設けることにより、下水本管の臭いが部屋に逆流するのを防ぐ設備のことであり、

洗面化粧台のボウルの下にある下水配管が「S字状」に曲げられているもの等が、その代表例と呼べるでしょう。

なお、配管をS字に曲げることにより、流された水の一部は配管内に止まることとなり、管内に「水の蓋」を作って臭いの侵入を防いでいるという訳です。

また、トイレの便器に水が溜まっているのも一種のトラップとなっており、長い期間トイレを流さないでいると便器の水が干上がり、露出した底の穴から臭気が上がって来てしまうことになります。

但し、近年のユニットバスなどでは先程ご紹介したような「わかりりやすいトラップ」ではなく、まるで「プラスティック製のコップを二つ重ねたような形状」をしたトラップが主流です。

このタイプのトラップは、受け皿となるコップに水を溜め、その上から底の抜けたコップ状のパーツを重ねることで、コップとコップの間に水の層を作り出し、下水管の臭いを逆流させない仕組みとなっています。

さて、このように技術的にも進歩を続けているトラップですが、長年排水を流し続けている内にトラップ自体に様々な不具合が発生して来ることも少なくありません。

コップ型ならばパーツにヒビが入り、水を溜めること自体ができなくなってしまうケースもありますから、臭いの原因がトラップの故障である場合には「専門業者にパーツ交換などを依頼する」のが最善の手立てとなるでしょう。

その他の原因

ここまで、配管の詰まりやトラップの不具合によって上がってくる下水の臭い対策についてお話ししてまいりました。

しかしながら、お話しして来た方法を試したにも係らず「臭いが収まらない」という方もおられるでしょうから、本項では他に考えられる臭いの原因について解説をしてまいります。

まず、遭遇する頻度が最も高い原因が「コップ型トラップの水が何等かの原因で干上がってしまっている」というパターンです。

なお、このようなお話をすると『水が干上がるのは、トラップの故障なのでは?』と思われるかもしれませんが、意外に多いのがトラップに排水を流す配管に髪の毛や糸くずが詰まり、これらの異物がスポンジのように水を吸い上げてしまう現象です。(毛細管現象)

そして、この症状はトラップの故障というよりは「配管の詰まりに近い現象」になりますから、高圧洗浄や洗浄剤で徹底的に配管の掃除を行うのが有効な対策となるでしょう。

またトラップの水が干上がるもう一つの原因となるのが、トラップに至るまでの配管経路に逆勾配(配管が排水の本管に向かう経路に上り坂がある)が存在している場合です。

皆様もご存じの通り、水は高きから低きに流れるものとなりますから下水の配管は本管に向けて一定の角度で下り坂(勾配)となっていなければならないのですが、時には建物の構造上の問題などで一部に上り坂(逆勾配)があるケースもあり、

こうした配管の組み方をしていると配管内に真空状態が発生することがあり、トラップに溜まった水が配管に逆流してしまいます。(自己サイホン現象)

この現象が発生している場合には、原則配管の経路を変更する工事などを行う必要があるでしょう。(床を剥いでの大工事となる可能性もあります)

マンションの場合は排気口の問題も

そして最後にご紹介するのが、マンションタイプの物件で多く見られる本管の吸い込み現象となります。

マンションともなれば、建物の高さもそれなりのものとなりますから、最上階の人間が下水に水を流した際には水と共に下水配管内の空気が一気に落下することになりますよね。

そして、この空気の流れによって下水の本管内に真空状態が生じ、各部屋のトラップの水が本管内に吸い上げられてしまうのが、この現象の原因です。

実は多くのマンションでは、この現象を防ぐために建物の最上階や屋上に「下水管内減圧用の排気口」を設けているのですが、築年数の古い建物には時折この排気口がない建物も存在しています。

また、たとえ排気口が付いていても、何らかの原因で排気穴が塞がれてしまった場合には同様の現象が起きてしまうのです。

ちなみに管理人が経験したものでは、排気口に風で飛んで来たビニール袋が詰まってしまい、本管の吸い込み現象が引き起こされたというケースがありました。

こちらの現象も「トラップの水が干上がる」というのが直接の原因ですが、毛細管現象や自己サイホン現象に比べ、数倍早く水が無くなるのが特徴です。

なお排気口の異常ではなく、最初から排気口が存在しない場合には、専門業者に依頼して新たな排気口を設けることで症状は改善します。

下水臭い対策まとめ

さてここまで、お部屋に下水の臭いが上がって来てしまう際の対策について解説してまいりました。

単に「水を流すだけの設備」である排水口ですが、実に様々な原因で悪臭が発生し得ることをご理解いただけたことと思います。

なお、最も多い下水の悪臭トラブルの原因は旅行や長期不在で水を使わなかったことにより、トラップの水が自然蒸発してしまう症状です。

こうしたケースでは、定期的に水を流してもらうのが最も有効な対策となりますが、長期の出張などでこれが不可能な場合にはトラップに水を一杯に張った上、ラップなどで排水口を塞いで蒸発を防ぐのが良いでしょう。(ホームセンターなどには蒸発防止用の薬剤なども販売されています)

悪臭は生活環境を劇的に悪化させる要因ともなりますから、なるべく早期に問題を解決したいものですよね。

ではこれにて、「下水の臭い対策について解説致します!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います。