本ブログでは、不動産の売買や運用、管理などに係る知識に加え、不動産屋さんに向けての記事も多数掲載しております。

なお、一般の方が不動産業者さん向けの記事を読むと、「ちょっと解り辛い!」という箇所も少なくないことと思いますし、

不動産投資の関連の記事などでは、「転売を継続して行うためには不動産の免許が必要です」などの記述も目にすることがあるでしょう。

なお、本ブログがこうした方向性になってしまうのは、管理人である私が現役の不動産業者であるが故に「ついつい業者目線で記事を書いてしまう」ことが原因であり、常々『反省しなければ』と思っているのですが、その一方で『真剣に不動産の運用や投資に取り組むのであれば、不動産業の免許取得も視野に入れるべきである』という私の本音が滲み出した結果なのではないかとも考えています。

もちろん「不動産業を本業にするべし」などとは申しませんが、免許だけは持っておいた方が投資を行う上で絶対的に有利であることは間違いありません。

本ブログでも将来的には「不動産の免許取得に向けての記事」も書いていくつもりでおりますが、その前段階で絶対に避けて通れないのが「宅地建物取引士」という資格の取得となります。

そこで本日は、宅地建物取引士の資格と勉強のコツなどについて、ご説明してみたいと思います。

宅地建物取引士の資格と勉強

 

宅地建物取引士ってどんな資格?

さて、不動産の免許を取得するのに必要不可欠とされる宅地建物取引士ですが、具体的にはどのような資格なのでしょうか。

この資格を有する者が行える仕事は、ズバリ「重要事項説明」ということになります。

賃貸でも売買でも、不動産の仲介を行う際に必ず「借り手」や「買い手」に対して行わなければならないのが、物件に対する重要な事柄を説明する「重要事項説明」であり、取引士はその説明書に署名・捺印を行い、これを説明するための資格という訳です。

このようなお話をすると「本格的に不動産業を始める訳ではないから、そんな説明ができなくてよいのだけど・・・」というお声も聞えて来そうですが、

国土交通省の許可制となっている宅建業の免許取得には、会社に一人以上の専任の取引士が必要と定められていますので、この資格無しには何も始めることができません。

なお以前は、「資格を持っている方の名前だけを借りて・・・」という業者さんも多かったのですが、この方法は原則法令違反となりますし、

取引士の資格を取得することで不動産に対する知識も豊富となり、投資・運用の幅も広がると思いますので、ここは是非試験にパスしておきたいところでしょう。

そして、取引士と宅建業の免許が揃えば、レインズは見放題(近年は使い過ぎるとい有料ですが)ですし、物件を何度転売しても法令違反となる心配も無くなる訳です。

また、不動産投資を行っている方であれば、自分でレインズに物件情報を載せて自力で空室を埋めることが可能となり、管理会社に支払う広告宣伝費も不要となりますから、これは非常に魅力的ですよね。

ちなみに「資格を取っても、免許申請の仕方や開業の手順が判らない・・・」と言う方もご安心ください。

本ブログでは、今後開業に必要な情報もドンドンご紹介して行きますので、そちらを是非お役立ていただければと思います。

さて、こうした理想を叶えるためにも、まず行うべきは宅地建物取引士の資格取得ということになる訳です。

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勉強のポイント

では、宅地建物取引士とは一体どのような問題が出題され、どれくらいの勉強が必要な資格なのでしょいうか。

正直、近年はかなりレベルが上がって来ており、狭き門となりつつあるのが現状ですが、半年~1年程度しっかりと勉強をすれば決して手の届かない資格ではありません。

なお問題は、全て4択で50問が出題され、年度にもよりますが30点~35点(30〜35問正解)くらいが合格ラインとなります。

そして試験は年に一度のみ実施され、例年10月に試験が行われているのです。

資格としても非常にメジャーなものである上、不動産会社に勤務している場合には資格を保有しているだけで手当てが付くケースも多いため、その人気は「なかなかのもの」と言えるでしょう。

こうした背景から各資格試験専門のスクールには必ずといってよい程、宅地建物取引士取得用のコースが用意されていますし、通信口座なども大変に充実しています。

問題の出題傾向としては、民法問題が15問(全体の30%)、宅建業法問題が20問(全体の40%)、法令上の制限が8問(全体の16%)、その他が7問(全体の14%)程度という配分が恒例です。

このように書くと、何やら非常に難しそうなイメージとなってしまいますが、この資格の勉強法には少々コツがあります。

まず点数配分の30%を占める民法ですが、多くの受験者がこの科目の勉強に時間を掛け過ぎ、他の分野に手が回らずに「不合格になる」というパターンが王道です。

確かに民法は非常にウェイトの高い出題カテゴリーですが、あまりに範囲と奥が深過ぎるため、決して深追いしてはならない科目となります。

これに対して「宅建業法(点数配分40%)」と「法令上の制限(点数配分16%)」は、丸暗記すれば全問正解も夢ではない、点を取りやすい科目です。

そして残りのその他(点数配分14%)は、勉強してもまず正解できないカテゴリーと言えるでしょう。(建築に対する知識などが出題されるため、勉強する範囲が広過ぎて対応が難しい)

なお、既に解説した通り合格を勝ち取るためには、30点から35点(50問中で60~70%)の正解が必要ですが、「宅建業法40%」+「法令上の制限16%」=合計56%となりますから、この2科目を確実に正解することができれば「ほぼ合格ラインに到達」ということになるです。

後は民法を深追いせず、基礎だけをガッチリ固めれば30%の半分である15%くらいは正解できるでしょうから、56%+民法半分15%=71%となり、余裕で合格圏内に達することになります。

世間では折に触れて「取引士の試験は難しい」と言われますが、多くの受験者がこうした勉強のコツを知らない上、殆ど休みのない営業マンが勉強不足の状態で試験に臨むのが、難関と言われる最大の原因なのです。

よって「自分には無理だ・・・」と思われている方も、挑戦する価値は充分にありますから、この機会にチャレンジされてみては如何でしょうか。

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取引しまとめ

さて本日は、宅地建物取引士の資格試験に関するお話をさせていただきました。

私もこの資格を持っていますが、実は取得までに2回程落とされています。

不動産屋さんの仕事をしながらですと、なかなか勉強時間が取れないというのもありましたが、「実務」と「勉強する内容」が微妙に異なっている点にもかなり頭を悩ませられた記憶があります。

また実際のデータを見てみても、不動産業に従事している方より、それ以外の主婦や学生さんの合格率が高いのが実情ですから、「不動産業のことを殆ど知らない」というのは、むしろ有利な点と言えるかもしれません。

不動産投資に必要な知識が身に付くばかりか、繰り返しの物件転売や広告宣伝費を発生させない自力での入居者募集を可能にする「宅建免許取得の第一歩」となる、『宅地建物取引士』の資格にチャレンジしてみては如何でしょうか。

ではこれにて、宅地建物取引士の資格と勉強方法についての知恵袋を閉じさせていただきたいと思います!