マンション大規模修繕工事

 

これまで本ブログでは投資用物件の種類運用方法についてお話をしてまいりました。

しかしながら、不動産投資を安定的に続けて行くには、建物のメンテナンスも必要不可欠なものであり、これについては殆ど触れずに記事を書き続けて来てしまいました。

そこで本日は収益物件の維持管理、その中でも特に大きなイベントとなる大規模修繕について、私の体験記を記してみたいと思います。

なお、一口に大規模修繕と申しましてもその内容は様々ですから、今回は一棟ものの大型マンションにおける外壁塗装工事にスポットを当ててみましょう。

では早速、マンション大規模修繕工事の流れを見て行きます。

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大規模修繕はこうして始まった

今回、修繕工事の対象となるのは、過去記事「一棟マンション投資の流れをレポート」にて購入の顛末をレポートした、築40年の鉄筋コンクリート造一棟賃貸マンション、世帯数50戸という物件です。

ちなみに購入した際には、非常に綺麗な塗装がなされていたため「これは当面、外壁塗装はしなくても大丈夫」と踏んでいたのですが、引渡し後間もなくして雨漏りが発生します。

そこで信頼の置ける工事業者さんに点検をお願いしたところ、綺麗に見えた塗装には殆ど防水性のない塗料が使用されている上、

躯体に発生した爆裂現象(コンクリートの隙間から雨水が侵入し、錆びた鉄筋が膨張して壁などが崩れる現象)についても適切な処理がなされておらず、上からペンキを塗っただけの状態になっていることが発覚したのです。

もちろん防水性の低いペンキでも、しっかりと全体がコーティングされていれば、それなりの効果はあるのですが、既に塗装の膜が破れてしまった箇所からは雨水の侵入が始まっていますし、

塗り込められた爆裂現象が生じている箇所では、今この瞬間も鉄筋の腐食がジワジワと進行し続けていることが予想されます。

ただ、これだけの規模の建物において総合的な修繕工事を行うことになれば、法外な費用が掛かるのは必定ですから、これまでは「部分的に修繕できる箇所」をボチボチと工事して来たのですが、最近になって雨漏りのクレームが一気に増加した上、足場なしには修繕が不能な位置にもコンクリートの剥離やひび割れが目立ち始めたのです。

ちなみに、こちらの物件は5階建てとなりますから、もし壁面から脱落したコンクリート片が落下して、下を通行する人間にでも当たれば大惨事になることは間違いません。

既に購入して7年間が経過していますし、その間も『それなりの収益』は上げて来ましたから、「今は出費を躊躇している時ではない」との社長の判断により遂に大規模修繕に取り掛かることになります。

そこでまずは「施工業者の選定」と「工事内容の決定」をしければなりませんので、これまでに付き合いのある建築会社に声を掛け、相見積を出させてみました。

但し、不動産業者は建築の専門家ではありませんので『施工内容まで指定するのは危険』との判断から、各建築業者に建物全体を診断してもらった上で、必要な工事内容と金額を提示させることにします。

なお、3社の建築会社が見積書を提出して来たのですが、「下は900万円から、トップは2000万円越え」という価格に非常大きな差が出る結果となってしまいました。

『どうしてそんなに価格が異なるのか?』と、見積もりの内容を精査してみたところ、価格の安い業者は単純な塗装作業のみという見積書の内容となっています。

これに対して、最高額の業者はコンクリートの爆裂箇所を全て調査し、補修した上で塗装工事を行う内容です。

また中間の業者は、この2社の間を取ったような作業内容(塗装をメインとしながらも、部分的な補修を行う内容)となっていましたので、『う~ん、正直判断が付かない・・・』と私は頭を悩ませてしまいます。

そこで、『こんな時こそ社長に相談だ!』とお伺いを立ててみたところ、不動産業者同士のコネクションを使って3社の建築業者の評判を調査してくれました。

その結果として、一番安い業者は塗装が専門であり、建物全体に対する知識は乏しい模様です。

一方、中間の業者は建築自体の仕事もそれなりこなしてはいるのですが、作業の殆どを下請けに投げてしまっているといいます。

そして、2000万円超の最も高額な業者は腕も良いが費用も高いことで有名な会社であるとのこと。

このような情報が耳に入ると『益々悩んでしまいそう』なところですが、この時の社長の判断は驚きのものでした。

社長「一番価格の高い業者にやらせよう」

その決断に社員一同驚愕(普段は非常にケチな方なので)しましたが、ここは社長の鶴の一声。

早速、工事の段取りが組まれて行きます。

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事前の準備は入念に

実は今回、施工をお願いすることになった業者さんは、管理人が常々管理物件などの建物のクレーム処理でお世話になっている建築屋のAさんとなります。

そもそもこの物件を購入した際の「雨漏りのクレーム」に対応してもらっている上、一見綺麗に見える塗装が防水性能の無いものであり、塗膜の下に多くの爆裂現象が隠されていることを見抜いたのも、この「Aさん」なのです。

Aさんの年齢は50代後半となりますが、10代の頃より大工一筋に生きてこられ、現在は従業員10名程を抱える小さな工務店の社長をしています。

また、木造はもちろん、鉄骨造や鉄筋コンクリート造まであらゆる工法に精通している人物であり、相見積の際にも「できることならばAさんの会社で」と思っていたのですが、価格があまりに高かったので諦めかけていたところでした。

「よろしくお願いします」と発注の連絡を入れると、「社長さん、見る目あるねぇ~」と自信を滲ませます。

そして早速、工事の手配をお願いし、後日工程表が提出されて来ました。

工事期間は約2ヶ月、工事の内容はまず建物全体に足場を組み、「打診」と呼ばれる方法で破壊することなくコンクリートの「浮き」や「爆裂現象」を調査して行くとのこと。

また、打診で発見した異常個所はコンクリートを斫り、錆びた鉄筋を削り取った上、錆止めの塗装を施した上で再びコンクリートで封印していく作業となるようです。

なお補修作業が完了したら下地処理をした上、屋上、外壁、廊下に至るまで、その全てを最高級の防水塗料で仕上げていくと言います。

「なるほど、これは確かに値段が高く付く訳だ」と納得させられますが、工事は長期間に及ぶ上、足場に掛けるシートによって入居者は洗濯物が干せなくなったり、ペンキの臭気に悩まされることとなりますから、事前の周知活動や準備がかなり大変そうです。

まずは、マンションの近隣住宅に工事のご挨拶をし、入居者にも掲示板や集合ポストにて、工事のお知らせを配布します。

ちなみに現場には専任の現場監督を付けてくれるとのことで、掲示版に貼り出された監督の顔写真入りの「お知らせ」には携帯電話の番号も記載されており、工事に関するあらゆるクレームに対応してくれるとのことです。

更には、部屋毎に「洗濯物が干せる日、干せない日」などをお知らせする専用掲示板が設置された上、バルコニーを塗装する際に、『室内へ網戸の取り込み』をお願いするためのビニール袋の配布など、Aさんの会社の手際の良さには驚かされるばかりでした。

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施行開始そしてまとめ

こうして工事の準備も整い、いよいよ施工開始となります。

着工早々、あっという間に足場が組まれ、これまで散々クレームに悩まされて来たマンションがシートに包まれて行きました。

もちろんAさんの建築屋さんとしての腕前には抜群の信頼を寄せていますが、如何せん相手は築40年のご老体マンション。

『果たしてお金を掛けただけの仕上がりとなってくれるのか?』という不安があるのも確かです。

また、1棟、2棟の建売を完成させるだけでも、最低5~6件のクレームが入りますから、世帯数50戸ともなれば、どんな問題が飛び出すのか想像も付きません。

もうすぐ桜の花が芽吹こうという3月末、いよいよ大規模修繕が開始されます。

さてさて、かなり記事も長くなってまいりましたので、続きは次回「マンション外壁塗装工事の顛末をご紹介!(収益物件のメンテナンス・後編)」にて記させていただくつもりです。

私が初めて体験した一棟マンションの大規模修繕工事レポートに、もう少々お付きたいいただければ幸いです。