アパートの経営や、不動産関係のお仕事をされている方にとって、最早すっかりお馴染みとなっているのが「フローリング補修」という工事です。

なお、「あまり聞き慣れない言葉だ・・・」という方のためにご説明するならば、フローリングに傷が付いた際、通常ならば張替えを行わなければならないところを『部分的に補修してして、目立たなくしてしまう』という素晴らしい技術となります。

但しこの工事、特別な技術が必要な上に、芸術的なセンスもかなり問われる工法となりますので、その費用は非常に高額で日当3万円~5万円にも及ぶことが珍しくありません。

そして実は管理人、このフローリング補修技術を本格的に学んだことがあり、現在では自社物件の傷補修を自ら行うことで「原状回復費用を大幅に削減」することに成功しているのです。

ちなみに、技術を取得する難易度は「それなりに高め」となりますし、専用の工具や材料を揃えるのに「結構な経費」が掛かりますが、1件の原状回復工事で『数万円の経費を削減できる』のは非常に魅力的であるはずですから、

収益物件の運用をされている方や、賃貸管理業務をメインされている不動産屋業者さんには習得を是非ともおすすめしたい技術となります。

そこで今回は、こうした皆様にフローリング補修の詳細をご理解いただくべく記事を書くことにいたしました。

なお、ホームセンターなどでは簡易的なフローリング補修グッズが販売されておりますが、今回ご説明するのは「これらとは全く別物の本格的な技術」となりますので、その点はご注意をいたければと思います。

では、賃貸フローリング補修を大家自ら行う知恵袋を開いてみましょう。

賃貸フローリング補修

 

フローリング補修の基本的な技術と習得方法

さてまずは、補修技術の習得法からお話しさせていただきたいと思います。

私の場合は、東京都内某所にあるフローリング補修工事用具や補修材料の販売を行う企業が開催するセミナーに参加し、技術の習得を行いました。

なお、ネットで調べてみたところ、こうした「補修技術のセミナー」を開催されている会社さんは他にも数件あるようです。(セミナーを主催する企業は「補修材の販売を行う会社」であることが多い模様)

私が受けた講習におしては、内容の異なる様々なコースが用意されていましたが基本技術を習得するコースで費用十数万円、レッスン期間は3~4日程度だったと記憶しています。

もちろん、セミナーに参加すれば誰でも技術が身に付くというものではなく、ここで学んだ技術と知識を持ち帰り、自分で反復練習することが必須となるでしょう。

また、施工には様々な材料や用具が必要となり、これらを揃えるのに更に追加で十数万円を要しますのでトータル30万円くらいの出費を覚悟すれば、努力次第ではありますが「自分でフローリング補修を行うことができるようになる」という訳です。

そして、ここで気になるのが「実際にどのような方法で補修を行うか」という技術的なお話となるかと思いますが、簡単の申し上げれば『フローリングに付いてしまった傷にワックスと呼ばれる充填剤を流し込むのが最初の作業』となります。

ちなみにワックスには様々な「色」と「特性(熱に強い・弱い、仕上がりが堅い・軟らかいなど)」があり、これを熱で溶かし、混ぜ合わせて『色の調合』を行った上で、傷に流し込んで行くのです。

こうして傷を埋めた後は、専用の筆を使用して木目を手書きで描き加え、最終的には艶出しスプレーで周辺のフローリングと馴染ませて完成となります。

なお、このように説明すると非常に簡単に思えますが、ワックスを調合するにも「色作りの技術」が問われるところですし、木目を書くのにも「かなりの芸術的なセンス」が必要となりますから、『どれだけ練習を積むか』が技術習得の大きなポイントになって来ます。

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補修技術の応用範囲は意外に広い

またこのフローリングの補修技術、床の傷以外にも「様々なシーンでの応用が可能である」という点も魅力となります。

代表的なものを挙れば、「窓のアルミサッシ」についた傷や凹みに、システムキッチンなどでみられる「鏡面仕上げの部材」、そして和室にある「白木の柱」まで修復することができるのです。

但し、こうした特殊な部材の補修についてはフローリングの補修とは少々異なる技術と道具が必要となりますから、その全てを身に付けようと思うと「かなり経費が掛かる(セミナー代と道具・材料費が掛かる)」ことになるでしょう。

ただ一旦、この技術をマスターしてしまえば、自分自身で「オリジナルの補修技術を編み出すこと」も可能であり、

私の知り合いの補修屋さんの中には、建物の外壁補修や風呂場のタイル、クッションフロアーに洗面ボウルまで、まるで新品のように仕上げてしまう強者もいる程です。

なお、私が通っていたセミナーでは、一度講習を受ければ後日の技術相談にも無料で応じてくれていましたし、自分が補修を請け負った現場が「どうにも手に余る」という時には、講師に直接助けを求めることも可能とのことでした。(もちろんこのサービスは有料となるようですが)

そして、これだけの手厚いケアーがあるならば「チャレンジしてみるのも面白いかも・・・」という気にもなって来ますよね。

 

極めれば経費の削減ばかりか起業のチャンスも

そして見事に補修技術を身に付ければ、自分が保有する物件の床に傷を付けられてしまった際にも、経費を掛けることなく「自力での補修」が可能となりますし、

状況次第では「全面張り替え」ということで工事費用を入居者から徴収し、補修で原状回復工事を済ませてしまえば、一部屋で数十万円以上の収益を上げることも夢ではありません。

また、自分の物件で練習を積んで自信が付けば、プロのフローリング補修職人としてデビューを飾ることも可能でしょう。

もちろん、いきなり大手の建築会社の下請けなどに入るのは無理なお話でしょうが、「大家さん仲間」や「投資家仲間」の間で上手く仕事を回すことができれば、一現場日当数万円の仕事となりますので「かなりの収益」を上げることが可能となりますよね。

なお、私と同じ時期に講習を受けていた知人は補修屋さんとして独立し、今では十数人の職人を抱える補修会社の親方となっていますから、この技術を元に独立起業を目指すこともできるのです。

自分が保有する賃貸物件の経費を削減できるばかりか、新しいビジネスの切っ掛けともなるフローリング補修の技術を、この機会に是非とも身に付けてみては如何でしょうか。

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フローリング補修まとめ

さてここまで、賃貸のフローリング補修を「大家さんが自ら行ってしまおう」という知恵袋をお届けしてまいりました。

ちなみに「詳しい技術的な内容」については、『大人の事情で掲載不可』となっているのですが、この技術を習得するメリットを上手く皆様にお伝えすることができていれば幸いです。

なお本文中でもご説明しましたが、セミナーに通うだけで身に付けられる技術ではありませんので「どれだけ自主トレを行うことができるか」が、技術習得の鍵となるでしょう。

私の場合は、ホームセンターなどでフローリングの板を購入し、毎晩仕事が終わった後に練習を続けていました。

そして、このような書き方をすると「厳しい技術研鑽の道」といったイメージをお持ちになられるかもしれませんが、技術を習得した際に得られるメリットは『大きな励み』となりましたし、『作業自体が非常に楽しいもの』でしたから、苦労したというよりは、趣味に没頭しながら腕を磨くことができたように思います。

但し、実際に現場に出撃すると「その緊張感」は練習の比ではありませんので、自分の物件以外の仕事を請け負うのは充分に自信を持てるようになってからにするのがおすすめです。

ではこれにて、賃貸フローリング補修の記事を締め括らせていただきます。