収益物件を探している際に、時折目にするのが「オーナーチェンジ」という記載のある物件となります。

そして、このオーナーチェンジ物件は「扱い方次第で大きな収益を上げられる可能がある」と言われていますから、これは是非詳細を知っておきたいところですよね。

そこで本日は「分譲マンションのオーナーチェンジ賃貸物件で収益を上げる方法を解説いたします!」と題して、オーナーチェンジ物件の概要、そして賃料収入だけではなく、売却においても大きな収益を上げる手法についてご説明してみたいと思います。

分譲マンションのオーナーチェンジ賃貸物件

 

オーナーチェンジ物件とは?

ではまず最初に、「そもそもオーナーチェンジ物件とはどのようなものなのか」という点からはお話を始めましょう。

「オーナーチェンジ」という言葉を直訳すると『所有者変更』という意味になりますが、不動産業界においては

売買代金受領と同時に所有者変更(所有権移転登記)は行われるが、引渡しについては賃貸中のため入居者付きで行われる物件

を指すことになります。

よって、決済に際しては

  • 物件の鍵の授受
  • 売主・買主連名で入居者(借主)への通知の発送(所有者が変更された旨の通知)
  • 敷金の受渡し
  • 賃貸借契約書等の授受

などが行われ、売主の「大家としての立場」を買主がそのまま引き継ぐこととなるのが、この取引の特徴となるのです。

ちなみに、一棟ものアパートや賃貸マンションについては入居者居住中のまま物件を引き渡すことになりますので、これも間違いなくオーナーチェンジ物件の一種となりますが、一般的には『賃貸中の分譲マンションや一戸建て』に対してこの呼称を用いることが多いようです。

また、引渡し完了後は買主が売主に代わって賃料収入を受け取ることになりますから、不動産投資の対象としてオーナーチェンジ物件は数多く流通しているのですが、

オーナーチェンジ物件を購入して賃料収入を受け取り、入居者退去後は収益物件ではなうマイホーム物件として売却することで、大きな利益を上げる

という手法で成功を収めている不動産投資家様も少なくないのです。

そこで次項では、このオーナーチェンジ物件の転売についてご説明していきましょう。

居住用と収益物件の価格の違い

ここまでのお話を聞いて、『これだけ不動産投資が盛んに行われている時代に、そのような旨味のある手法が存在するのか?』とお考えになられた方も少なくないことと思います。

確かに今回ご紹介する投資法は、「物件を購入して、長期に渡り安定的な賃料収入を得る」と言う王道の不動産投資の手法とは少々異なるものとなりますが、やり方次第では大きな利益を生み出すことができますので、是非ご参考にしていただければ幸いです。

なお、この投資手法をスムーズに理解していただくためには

  • 一般的な相場観による値付け法(原価法)
  • 利回りに重点を置いた価格の算出方法(直接還元法)

という、不動産における二種類の値付け方法についてご理解いただく必要がありますので、まずは『この点』から解説を始めてまいりましょう。

二種類の値付けの方法の内、まず一つ目の方法となるのがマイホームの売却などで用いられる「一般的な相場観による値付け法(原価法)」であり、建売物件の価格決定などもこの方式で行われるのが通常です。

そしてもう一つが、投資物件などの値段を付ける際に用いられる「利回りに重点を置いた価格の算出方法(直接還元法)」となり、物件から得られる賃料収入額が価格決定の重要な要素となります。

このようなお話をすると「その二つの方法が何なの?」というお声も聞えて来そうですが、実はこの二つの値付け方法の違いによって「同じ物件を対象としても、算出される価格に数百万円、場合によっては数千万円近い差額が生じる可能性」があるのです。

ではここで、より理解を深めるために具体的な例を挙げてご説明していきましょう。

仮に築10年の中古戸建てがあるとして、この家を中古マイホーム用物件として売却すると、地域の相場的には「2000万円」くらいの価格にて成約が見込めそうです。

一方、仮にこの物件が既に貸し出されており、賃貸中である場合には販売価格2000万円で売りに出しても、買い手が現れる可能性は非常に低いのが実情となります。

なぜなら、賃借人を追い出さない限りこの物件を「マイホーム」として利用することは不可能であり、収益物件という見方しかできないためです。

そして、収益物件としてこの物件に値付けをする場合には「物件の収益性」に着目しなければなりません。

仮に賃借人が、この物件を「月額10万円」で借りていたとすれば、月額10万円×12ヶ月×10年=1200万円、つまり10年で1200万円の利益を生むことになります。

なお、収益物件の値付けでは「10年分の賃料」と「販売価格」が同額であることを『表面利回り10%』と表示し、この値付けであれば「投資対象として非常に魅力的である」との評価を購入希望者から得ることができるはずです。

そして、ここまでお話ししてきた2つの値付け方法を比較してみると

  • マイホーム物件/地域の相場や築年数などを総合的に判断して値付けが行われる(本項の例では予想価格2000万円)
  • 収益物件/物件が有する収益性によって売買価格が決定される(本項の例では予想価格1200万円【月額10万円×12ヶ月×10年】)

以上にように、売却予想価格に800万円もの不思議な誤差が生じることになるのです。

スポンサーリンク

実践!オーナーチェンジ投資法

そして、今回ご紹介する投資方法は正に「この数字(値付け)のマジック」を応用したものであり、

収益物件(オーナーチェンジ物件)として購入した物件を入居者が退去するまで根気よく保有し続け、退去後、マイホーム物件として高く売りに出す手法
というものになります。

では、具体的にその手法を解説して行くことにいたしましょう。

まず、この手法を実践するに当たって最も望ましい投資対象は「分譲マンション」となるはずです。

不動産の売買において、売主は「建物の雨漏りや傾きなどの欠陥(瑕疵)」について売却後もその責任を負わされるのが通常です。

そして、売買対象が一戸建てのケースでは、その責任(契約不適合責任)を売主が単独で負うことになるのに対して、

分譲マンションの場合には「屋根や外壁、基礎など共用部分は組合の管理すべき範囲」となるため、その責任を管理組合へ転嫁できますから、売却に際して余計なリスクを負わず、スムーズに売買を行うことが可能になるという訳です。

また、分譲マンションを狙う理由は他にもあります。

戸建ての場合、入居者退去後に「マイホームとして販売できる価格」の査定が非常に困難なものとなりますが、分譲マンションの場合には世帯数が多く取引事例も豊富にありますから、『売却した際の価格予想が容易である』というメリットもあるのです。

※分譲マンション投資の詳細については、過去記事「分譲マンション投資について解説いたします!」をご参照ください。

なお、間取りや専有面積については、転売時に買い手が住宅ローンを組み易く、人気も高い「2LDK以上、50㎡超の物件」が望ましいかと思います。

ちなみに物件の仕入れに関しては、不動産屋さんなどで「オーナーチェンジのファミリータイプの分譲マンションはありませんか?」と言えば、それなりの数の物件紹介を受けられるはずです。

※当然ながらワンルームなどの投資用物件では、マイホームとしての値付けが行われないため、この手法を用いることはできません。

但しここで注意すべきは、『賃借人の居住中も家賃収入でそれなりに儲けたい』などといった欲張った気持ちを持たないことでしょう。

冒頭でも申し上げた通り、現在では通常の投資方法で儲けられる物件は数少ないのが現実ですから、「賃料収入で儲けて、転売でも儲けられる物件」など、簡単に見付かる訳がありません。

よって、賃借人が住んでいる間は「儲からない物件」、つまりは投資物件としては魅力に乏しい物件に狙いを絞るのがポイントとなるでしょう。

スポンサーリンク

投資成功の秘訣とまとめ

さて、ここまで分譲マンションのオーナーチェンジ物件の転売による不動産投資の方法を見てまいりました。

私も会社の仕事として「同様の手法を用いた案件」を何度か経験していますが、この投資法を成功させる秘訣は、物件選びの際に「人気のあるマンション」や「ニーズの高い間取り」を選ぶという点です。

そして何より大切なのが、前項でも申し上げた通り「賃料収入でも儲けようという気持ちを捨てること」だと思います。

何の投資でもそうですが、出口や着地点をしっかりと見定めなければ、なかなか事は上手く運ばないものですし、「一度で二度美味しい」なんてことは滅多にないものです。

よって、「賃貸中は殆ど儲けなし(場合によっては若干の持ち出しの可能性も)」の状態で物件を保有し続けて、「空室となった段階でガッポリ稼ぐ」というのが理想的な流れになるかと思います。

ただ、反復継続しての物件の売買を行う場合には「不動産業の免許」が必要となりますから、繰り返しこの投資法を行う時には是非ご注意をいただければと思います。

なお、もっと自由に転売ビジネスに挑戦したいという方は、思い切って不動産業者の免許を取得してみるのも一つの手段かもしれません。

ではこれにて、「分譲マンションのオーナーチェンジ賃貸物件で収益を上げる方法を解説いたします!」の知恵袋を閉じさせていただきたいと思います!